ミギーとベルの変化が判明し更に数日後、ベルが本拠を出てそろそろ1ヶ月が経とうとしていた。
「ベル、仲間だ」
ベルに知らせると同時にベルの目はソイツを捉えていた。
ボロボロの外套、種族特有の背の低さ、何よりその外套に付着する赤い血。
「……………………見つけた」
ベルはその人物に近付き歩みを進めるが人通りが多く見失ってしまう。
「ミギー、何処行った?」
「直線距離にして50m、そこの路地の先だな」
「良し!!」
ベルは走り出しミギーの指した方へ向かう。その先には確かにリリルカに寄生した寄生生物がいた。
「ハァ……ハァ……ハァ……ハァ」
息を切らせながら道を曲がり近付いていく。
「ベル、不味いことになった。引き返そう」
不意にミギーがそんな事を言いベルは足を止める。
「何言ってんの?目の前にリリの仇が居るんだよ!!」
「睡魔が来たんだ」
「はぁ!?」
「どうしようもなく眠い」
「何で今なんだよ!?」
「私にはどうする事も出来ない、引き返せ」
「手遅れだよ!?」
ベルは目の前のリリルカの寄生生物を見る、リリルカの顔で無表情のままベルを見つめる。隠れられる場所は無く逃げられそうもなかった。
「では、頑張ってくれ、私に出来る事は…………せめて」
ミギーはそう言うと自身の体を伸ばし鋼鉄化した状態で眠りに着いた。
「うっそぉ…………」
ベルがそう言い寄生生物の方を見る。
「……………………どうやって生き延びた?確実に心臓を破壊した筈だ」
寄生生物は静かにそう尋ねるがベルは答えず右手を構える。
「まぁ良い、心臓で駄目ならその頭を跳ねるまでだ」
リリルカの寄生生物はそう言い話を断ち切り頭を変形させベルを攻撃してくる。
3つの触手が刃物となり凄まじい速度で攻撃してくる。
「フッ!!」
ベルは右手と左手のヘスティア・ナイフで冷静に返す。
「人間の動きではない、貴様に何が起こった?」
「リリ、今切り離してあげるからね」
ベルは迫り来る攻撃を避け・受け・流す。
(やっぱり、コイツも攻撃する時凄まじい速さで触手を変形させてる)
「アアアアアアアアアアアアアアアア!!」
攻撃を全て掻い潜り寄生生物の懐に潜り込んだベルはその首に右手とナイフを滑り込ませリリルカと寄生生物を分断する。
「体…………私の体が…………」
「ハァ……ハァ……ハァ……お前の物じゃない、この体も、人生も、思いも、全部リリの物だ!!リリの物だったんだ!!それをお前は奪っただけだ!!返せ!!全部リリに返せ!!」
「体…………私の…………体」
ベルの言葉が聞こえていないのか寄生生物は同じ事を言いながら枯れ息絶えた。
「……………………リリ」
ベルはリリルカの体を抱え墓地を掘り墓を建てた。その一連の動きにベルは涙1つ見せること無く驚く程淡々と行っていた。