リリルカの仇を取った後、ベルは【ヘスティア・ファミリア】の本拠に戻った。
驚く程以前と変わらない生活を送るベルにヘスティアは不安な表情を浮かべる。
「それじゃあ神様、僕ダンジョンに行ってきます」
「う、うん、気をつけて行っておいで」
ベルは扉に手を掛け外に出ようとする。
「ねぇ、ベル君」
そんなベルにヘスティアは再び声を掛ける。
「はい?」
「無理してない?」
「どうしてですか?」
「仲が良かったサポーター君が死んでそれを忘れる為に無理して戦ってないかなって」
ヘスティアの言葉にベルは暫く考えたあと口を開く。
「そりゃあリリが居なくなって不便な事はありますよ」
「え?」
ベルの言葉にヘスティアは思わずマヌケな声を上げる。
「いや〜リリは本当にサポーターとして優秀でしたからね、あんなに優秀なサポーターまた見つかるかな?」
「そ、そうじゃなくて!!」
ベルの言葉を遮る様にヘスティアは大声を上げる。
「そうじゃなくて……えっと、悲しいとか、その、辛いとか、可哀想だったとか」
「???」
ヘスティアの言葉にベルは頭に?を浮かべヘスティアは急にベルが未知の生物の様に感じる。
「でも、もうリリ死んでますよね?」
「ッ!!」
「死んでしまったらもう何も感じないし使えないし新しいサポーター探さないと」
バチン!!
とヘスティアはベルの頬を力いっぱい叩きベルを押し退け本拠を飛び出す。
「晩御飯までには帰ってきて下さいね〜」
ヘスティアが飛び出す前に聞いたベルの言葉がこれだった。
「ねぇミギー、僕何か間違った事言ったかな?」
ヘスティアが飛び出した後、ベルはミギーにそう問い掛ける。
「君は何も間違ってはいないさ、そう、何一つ間違っていない。ただ以前の君なら間違いなく否定した言葉だ」
「以前の僕?」
「【死んでしまったら何も感じないし使えない】これはどちらかと言うと私が言いそうな言葉だ。以前の君なら私が拷問しようと口にしなかっただろう」
「…………………………………………」
ミギーの言葉にベルは走り去っていったヘスティアの背中を思い浮かべる。
「……………………嫌われたな」
「そうだろうね、済まないが私は寝る」
「ああ、お休み」
ベルはそう言うとダンジョンに向かった。
「あ」
「あ」
その道中、アイズと出会い2人は互いに声を漏らす。
「これからダンジョン?」
「はい、そちらもですか?」
「ううん、私は帰り」
「そうですか、では」
ベルはそう言いアイズの横を通り抜ける。
「何かあったの?」
アイズの言葉にベルは足を止め向き直る。
「………………………………神様に嫌われちゃって」
「どうして?」
「僕が怒らせる様な事言っちゃったのがいけなかったんです」
「なら、謝った方が良いよ」
「え?」
「早い内に謝らないと時間が経つほど謝りにくくなるってリヴェリアが言ってた」
「……………………………そうですね、ありがとうございます」
ベルはそう言うと再びアイズの横を通り過ぎヘスティアを探しに向かった。
「頑張って」
アイズのそんな声を聞きながら。