オラリオに寄生生物が降り立つのは間違っている   作:寝心地

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第3話

ダンジョン上層

 

そこでベルは短剣を片手にモンスターと戦っていた。

 

「ここがダンジョンか、興味深い場所だ」

 

「あ、ミギー起きたんだ」

 

「ああ、君の脈が乱れるのを感じた、今のは本にあったゴブリンと言う種族か?」

 

「うん、ここはダンジョン上層だからまだ弱いモンスターしか出てこないんだ、あと出てくるのと言えば」

 

「コボルトと言う二足歩行の犬にフロッグシューターと言うデカい蛙だな」

 

「知ってたんだ」

 

「知識としてはな、それより左前方から殺気を感じるぞ」

 

「へ?」

 

ベルが左前方を確認するとコボルトが3匹程全力で走ってきていた。

 

完全に不意を突かれたベルは初動が遅れ一撃食らいそうになる、その時ミギーが目にも見えぬ速さで動き3匹のコボルトから魔石を抜き取る。

 

「へ?」

 

気が付けば血塗れの右手に魔石を持っていたベルは何が起こったのか分からず呆然と立ち尽くす。

 

「今…………何が起きたの?」

 

「私が奴らの心臓である魔石を抉り取った、奴らは走る事に力を割き過ぎた、だから私の攻撃に反応出来なかったのだ。まぁ、注意してても反応出来なかっただろうけどね」

 

ミギーはそう言いながら体を伸ばしベルの腰にぶら下げられている袋に魔石を入れる。

 

「凄い!!凄いよミギー!!これなら2人で探索してるのと変わらない!!」

 

「そうか、私としては君に危険な事はして欲しくないのだがな」

 

ミギーはそんな事を言うがベルは更に先に進む。

 

「止まれ!!!!」

 

その瞬間、ミギーが叫びベルは思わず足を止める。

 

「な、何!?」

 

ベルはミギーを見るとミギーは全ての指を目に変えそれを四方に伸ばしていた。

 

「……………………仲間だ」

 

「へ?仲間…………仲間って僕みたいになってる人が居るって事!?」

 

「分からない、だが脳波の様な物を感じる、行ってみよう」

 

「うん」

 

ベルはミギーの案内に従いダンジョンを歩く。

 

「そこの通路の先だ」

 

ミギーがそう言いベルは息を呑み通路へ向かう。そこにいたのは。

 

「…………人……間?」

 

同族を食らうコボルトの姿だった。

 

「コボルトがコボルトを食べてる……………強化種!!」

 

「いや、アレが私の同族だ」

 

「お前……も失敗…………した…………のか?」

 

コボルトが口周りの血を拭いながら歩いて来る。

 

「お前は……寄生し…………た場所に…俺は……寄生した……動物に…………不満がある」

 

「ベル逃げろ!!」

 

「え?」

 

「急げ!!」

 

ミギーは突然ベルを引き摺る様に逃げる。

 

「な、何いきなり!?」

 

「殺意を感じた!!通常のコボルトよりも強く濃い殺意だ、人間のままの君を異常なまで警戒していた」

 

ミギーはそう言いベルが走れなくなるまでダンジョンを走る。

 

「ハァ……ハァ……ハァ……ハァ……ハァ」

 

「来るぞ」

 

ミギーはそう言い通路から目を出しベルも通路を覗くと頭が裂けその肉片が蜘蛛のように天井に突き刺し動くコボルトの寄生体がいた。

 

ミギーは凄まじい速度でコボルトの死角に回り魔石を抉り取り戻って来る。

 

「ミギー」

 

「こいつもほかのコボルトと同じだ、移動に力を割きすぎていた、まぁ環境のせいもあるだろうが不勉強な奴だ、だから私が勝った」

 

「でも、仲間を殺しちゃったよ?良かったの?」

 

「私は私の命を優先する。それだけの事だ」

 

ベルはここで初めてミギーが意思疎通が出来るだけの完全な未知の生物であると言う事を自覚しダンジョンから外に出た。

 

そしてそれから少ししてオラリオのあちこちで【ミンチ殺人】と呼ばれる殺人事件が起こり始めた。

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