ザッ ザッ ザッ
と足音が近付いてくる。音が近付くに連れベルの心音が大きくなり息を呑むと同時にソイツが現れた。
「成る程、何故逃げるのかと思ったがそういう事か」
現れたソイツは魔法使いの様な外見をしており知的なイメージがあるがその目は見開かれ血走っていた。
相手は更にベルに近付きベルは短剣を構えミギーも体の一部を刃物に変え警告する。
「待て、この人間を攻撃するならお前を殺す」
その言葉に相手は足を止める。
「ああ、待て待て、成る程な、右手さんの言いたい事は分かる、体が死ねばお前も死ぬからな、だがお前は此方に引っ越して来ればいい」
「引っ越す?移動するなど今さら不可能だ」
「勉強不足だな。そりゃあ単純な腕から複雑な頭への移動は無理だろう。だがな、腕から腕なら簡単だ」
寄生生物はそう言うと頭を変形させ自身の腕を切り落とす。
「ほら、特等席を作ってやったぞ此方に来い、血液が勿体ねぇお前と俺が管理するこの身体なら140年は生きられる」
「………………………………」
「ミギー?まさか、あっちについたりしないよね?」
ベルは恐る恐るミギーに尋ねるとミギーは相手とベルを交互に見る。
「いや迷わないでよ!!」
「ああもう、その人間の首を跳ねてしまえば否応無しだ」
寄生生物はそう言うと問答無用でベルの首に頭を変形させた刃物を向ける、同時にミギーが体を鈎爪の様に変形させ相手の刃物を弾き同時に相手の首を跳ねた。
『正気か!?体!!俺の……から……だ…………』
コボルトの時と違い寄生生物が死ぬと頭が植物の様に枯れる。
「成る程、人間に寄生した奴はこうなるのか、ますます興味が出てきた」
「ミギー、助けてくれてありがとう」
「肉体の移動に確証がなかっただけだ、私は自分の命のことだけを考える。疲れたので寝る」
ミギーはそう言うと元の右手に戻り右手の主導権がベルに戻される。
ベルもどっと疲れを感じ帰路につく。
「あ」
道中声が聞こえ振り返るとそこには命の恩人であるアイズの姿があった。
「あ、ああああああ、アイズさん!!」
「うん、こんにちは」
「こ、こここここんにちは!!そ、それじゃあ僕はこれで!!」
ベルは完全にテンパりクルッと反転すると走り出す。
「待って」
しかしそんなベルの前にアイズが立ち塞がるがベルはサッと避け逃げ帰る。
その日の夜、夕飯を食べ終え後は寝るだけと言うタイミングでミギーが起きる。
「ベルはあの雌と交尾したいんだな」
「へ!?こうっ!?何!?」
「アイズと言う奴の事だ、彼女と会った時君の脈拍は異常に乱れ血圧は高くなっている」
「も、もう!!誂わないでよ!!」
ベルはそう言い布団を被ってふて寝した。