宇宙警察ブレイバー~地味子の女子大生が深夜の土手で行き倒れ青年を助けたら、その人が宇宙の刑事で宇宙犯罪組織との戦いに巻き込まれた~   作:XX(旧山川海のすけ)

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第14話 スマホの通知

 その後裕子は、昼からの2コマ目の講義に出席した。

 2コマ目は教養科目で、出席して居れば単位が貰える講義だった。

 

 内容は武術に関する内容で、聞いてるだけで楽しい話だ。

 

 彼女が教養科目でこれを選んだのは、出席で単位が押さえられる講義であることと、あとは……

 

(裕司はこういうの好きだったよね)

 

 弟が遺した弟の好きだったバトル漫画が、実在の武術を扱うタイプの代物で。

 そこで仕入れた知識が彼女にはあり。

 

 そんな思いで、なんとなく選んだのだ。

 

 

 普通ならこの手の講義は必修科目の息抜きの扱いで。

 あまり集中して聞かないのだが

 

 今日は暮香のことがあったので、気晴らしのためにかなり集中して聞いた。

 メモも取った。取る必要が無いのに。

 

「今日は居合について解説するぞ――」

 

「居合ってのはね、漫画で誇張されて表現されているが――」

 

 教壇に立つ教授はスライドを交えながら居合の解説をする。

 居合が速いのは抜くスピードが上がるからじゃなくて、構造的な問題だとか。

 居合の剣は別に抜きつけの一撃を躱せばそこで終わりだから勝てるとか、そんなわけないとか。

 熱っぽく解説している。

 

 そして裕子は、取る必要のないメモをかなり詳細に取っていた。

 

「昔は秘匿されていた様々な流派の奥義に分類される技が、今は制定居合というものに含まれているんだ」

 

 そして教授はその一例を並べていく。

 

 脇構え、受け流し、抜き打ち――

 

 一見、大したことのない技に見えるのだが、解説を聞けばなるほどと思い。

 身につけるのは実際は難しいだろうなと思う。

 

 そして

 

「先生はこの技が好きだな。これは夢想神伝流の初級の技なんだけどね」

 

 その言葉と共に紹介して来たのは「稲妻」

 自分を攻撃しようとする敵の指を狙い、抜きつけた一刀で斬りつけ、戦闘不能にする技らしい。

 

(なるほど)

 

 非常に合理的に感じ、これが初級なら自分でも頑張れば習得できるかも、などと考える。

 なので彼女は、その後に流された居合のビデオについても、稲妻の部分だけを集中的に見た。

 

 

 

「地球の武術の話は面白かったよ」

 

 そして講義が終わった後。

 家への帰り道。

 

 タケハヤは先ほど受けた講義についての感想を口にする。

 裕子はその言葉に

 

「あっ、宇宙人のタケハヤさんでもそう思うんだ?」

 

 意外に思いそう返すと

 

「近接武器を手に知性を持った相手と戦うという条件が同じ以上、そこに大した差はないよ」

 

 そんな返しが。

 なるほど、とは思う。

 

 なんとなく「地球の武術は遅れてるな」なんて言葉が返って来るのではないかと邪推していたけれど

 宇宙の進んだ科学技術が使用された剣でも、ただの金属の塊である普通の剣でも。

 斬りつけて相手を倒すという使用法が同じなのだから、その操法に極端な差は出ないのかもしれない。

 

 どちらも長い年月でそぎ落とされて、生き残って来た技術であるはずであるし。

 

 裕子がそこに気づいたとき、ちょうどマンションに到着し。

 エントランスに入ったときだ。

 

 裕子のスマホに、LINEの通知が届いたのだ。

 

 なので彼女は部屋に戻ったとき、即座にその内容を確認したのだが。

 そのメッセージの内容を見た瞬間。

 

 また、胃が重くなった。

 そこにはこう書かれていた。

 

『裕子、アンタ暮香となんかモメたの?』

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