宇宙警察ブレイバー~地味子の女子大生が深夜の土手で行き倒れ青年を助けたら、その人が宇宙の刑事で宇宙犯罪組織との戦いに巻き込まれた~ 作:XX(旧山川海のすけ)
「ウホ……お……おのレ……まさカ
バルキリオンとブレイバーに挟まれ、ゴリアブダーは悔し気にそう呟く。
そして
「バルキリオンに乗っている女ァ! キサマどうシテ戦ウ!? あの地球人の女ゴミヤマクレカは、遊興費で作った借金でオマエを売ろうとシタ女ダゾ!?」
「どうして見捨てナイウホ!?」
揺さぶるためか。
裕子にそんな言葉を投げかけた。
だが裕子はそれに迷わず答える。
『そんなの決まってるでしょ!?』
『あなたたちアブダーのアブダノイドの材料にされるなんてことは、ヒトの最期じゃないからよッ!』
そう。
別に裕子は正義のために暮香をアブダーの魔の手から救ったわけではない。
単にアブダーに加担するのが嫌だっただけなのだ。
あそこで「暮香が気に入らないからアブダーに差し出す」選択をしたなら、それはアブダーに加担したことになるから。
ただ、それだけのこと。
『あの子のことなんて大嫌いよ! でも、だからといってアブダノイドの材料になるのを見過ごすのは違うのよッ!』
暮香のような人間が好きなわけがない。
欲望のままに浪費した挙句、その責任を他者に押し付け、一切反省しない。
大嫌いだ。二度と関わりたくない。
そこは間違いない。
けれども……それとは話が別なのだ。
『別に助けた気はない! あなたたちを認めないだけよッ!』
そんな裕子の言葉に
「よく言った!」
ブレイバーに電装しているタケハヤが彼女を賞賛する。
そして
「アブダー! 地球人を舐めるなッ!」
ゴリアブダーに、揺さぶりなど無駄であるという言葉を叩きつける。
それを受けるゴリアブダーは
「ヌウウウ……!」
歯噛みせんばかりの悔しさを込めて呻き声を洩らした。
だが、そのときだった。
『ゴリアブダー20号……』
突如。
その場に声が響き渡った。
尊大で、冷酷な人格を思わせる威圧的な声が。
ゴリアブダーは即座に反応する。
「首領様!? 首領ギル・ウォン様!?」
首領……アブダーの首領の声なのか。
声は続けた。
『お前に我がチカラを貸してやろう……小五月蠅い
どこからこの場を見ているのか。
まるで分らない。
突如振って来たアブダー首領の声に戸惑う裕子とタケハヤを他所に。
声はこう言い放つ。
『次元歪曲装置作動!』
『宇宙警察をアブダーゾーンに引きずり込め』
「うホーッ! 助太刀ありがとうございまウホ!」
首領の声にそう返すゴリアブダー。
それと同時だった。
空間が突如歪み、穴が開き。
「ウワァッ!」
その穴は吸引するようにタケハヤを飲み込み。
ゴリアブダーが同時に姿を消す。
2人が消えた後、その空間の歪みはあっという間に消滅した。
そして裕子は即座に理解した。
(タケハヤさんが……アブダーゾーンに連れ去られた……!)