宇宙警察ブレイバー~地味子の女子大生が深夜の土手で行き倒れ青年を助けたら、その人が宇宙の刑事で宇宙犯罪組織との戦いに巻き込まれた~   作:XX(旧山川海のすけ)

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第36話 ギャラクシー・ヴィラン

「宇宙警察(ギャラクシーポリス)め」

 

(えっ、即バレ!?)

 

 裕子は動揺する。

 

 その黒服男性は、タケハヤを睨みつけながらいきなりそう低い声で言ったのだ。

 タケハヤは

 

「ムラクモ! アンタはルード星に潜入捜査に行ったはずじゃ……?」

 

 男に対して、なんでこんなところにいるんだ?

 言外にそう言っている。

 

 そしてクシナダは動揺した表情で

 

「にいさん、ひょっとしてアブダーに潜入捜査ですか!?」

 

 そんな「お前宇宙警察やめろ」と言われかねないことを言う。

 

 だが、そこを突っ込む前に

 

(にいさん?)

 

 裕子はそこに引っ掛かり。

 

「えっ、おにいさんなんですか?」

 

 そう訊ねるとクシナダは

 

「ムラクモにいさんは……私の義理の兄です……小さいときに引き取られて……!」

 

 そんなことを口走るようにして返した。

 

 つまり、タケハヤと同じ義理の兄妹ということか。

 そしてふたりの言葉から想像するに、おそらく同じ宇宙刑事……。

 

 そこで裕子は思った。

 

(裏切り者の宇宙刑事ってこと……?)

 

 タケハヤとクシナダは混乱しているようだが

 

 裕子はムラクモと呼ばれた男を見て思ったのだ。

 

 あのムラクモという男は……

 

 あまり骨格の太さを感じない、細身の印象のある男だった。

 知的な印象があった。

 髪型もエリートを思わせるオールバック。

 

 ただ……

 

 その目が闇に染まっている気がした。

 濁っている、と言っていい。

 

 だから思ったのだ。

 この人、多分良い人では無い、と。

 

 なので

 

「あなた、アブダーの手先なんですか!?」

 

 ハッキリさせるべきだ。

 そう思ったから裕子はそう訊ねる。

 

 すると男は頷き

 

「いかにも」

 

 裕子の言葉を認めた。

 

 その言葉にタケハヤとクシナダは衝撃を受けたらしい。

 

「どうしてだムラクモ!?」

 

「ムラクモ義兄さん!? どうして!?」

 

 その青褪めるふたりに、男は愉悦に満ちた笑みを向ける。

 

 そして嗤いながら男は言う。

 

「……ムラクモぉ……? 俺のオリジナルのことかぁ?」

 

(オリジナル……?)

 

 その言葉に裕子は

 

 クローン、という言葉を想像した。

 

 そしてそれは

 

「我が名はムラクモツヴァイ! 宇宙警察(ギャラクシーポリス)の刑事であるムラクモの複製人間よ!」

 

 その言葉で、正解であると知ることになる。

 

「ふ……複製人間だと!?」

 

「ムラクモ義兄さんはどうなってしまったんですか!?」

 

 ムラクモツヴァイの言葉に動揺を隠せないふたりに向けて

 

 彼は満足げな暗い笑みを浮かべ。

 

 彼は……

 

 懐から、黒い板を取り出した。

 

 それは……

 

(宇宙警察証……!?)

 

 そう。

 それは、タケハヤやクシナダが常時持ち歩いている宇宙警察の警察官である証……

 

 宇宙警察証であった。

 

 それを目にしたとき。

 タケハヤは

 

「ちょっと待て……まさか……!」

 

 その言葉は悲鳴に近かった。

 そこにはあり得ない、という気持ちがどうしようもなく乗っていた。

 

 その言葉を聞きムラクモツヴァイは

 

「そのまさかだブレイバー!」

 

 唇の端を吊り上げながら

 

 宇宙警察証を突きだし、身体を沈め。

 そして天に向けて高く突き出す。

 それはタケハヤがメタルスーツを装着し、ブレイバーになるときの動きそのもので。

 

 同時に

 

「電装!」

 

 その言葉が叫ばれたとき。

 

 その場は一瞬の輝きに包まれ、それが消えたときには。

 

 そこに黒いメタルスーツで身を包んだ、漆黒の戦士が出現していた……!

 

 戦士は名乗る。

 それは……

 

「宇宙犯罪者(ギャラクシーヴィラン)……」

 

 その両手に銀色に輝く剣を出現させながら

 

「ブレイバーキラー!」

 

 双剣を構えつつの名乗り。

 

 宇宙犯罪者(ギャラクシーヴィラン)ブレイバーキラー。

 それが彼のこの姿の名前であった。

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