宇宙警察ブレイバー~地味子の女子大生が深夜の土手で行き倒れ青年を助けたら、その人が宇宙の刑事で宇宙犯罪組織との戦いに巻き込まれた~ 作:XX(旧山川海のすけ)
「ハハハッ! どうしたブレイバーよ!? 宇宙刑事たるもの平常心が大切なのではないのか!?」
ブレイバーキラーはブレイバーに双剣による斬撃を浴びせている。
左右の剣が縦横無尽にブレイバーに斬撃を繰り出し、ブレイバーはその剣を受け流し、捌く。
「……見事な太刀筋……ムラクモの剣そっくりだ……!」
ブレイバーキラーと剣を打ちあわせながら
「ムラクモの顔、ムラクモのメタルスーツ、そしてムラクモの剣……! お前の存在はムラクモを侮辱している!」
ブレイバー=タケハヤは怒りの声をあげた。
「ムラクモはお前たちアブダーのような残虐で傲慢な存在を決して許さない男だ! それをよくも、そんな形で!」
ブレイバーキラーの双剣とブレイバーの剣が打ち合わされる金属音が鳴り、エネルギーの衝突から起きる火花が飛び散る。
「ハハハハッ! 何がだ!? 笑わせるな!」
ブレイバーキラーはタケハヤ=ブレイバーの怒りを嗤う。
双剣を振るう手を休めず、彼は語る。
「この船は、弱者を甚振って金を得ようと考えた見下げ果てたゴミを呼び集める、言わばゴミ集積所だよッ!」
ブレイバーキラーの声はタケハヤの言葉を嘲笑っていた。
「多重債務者を見下しているから、自分より遥かに劣った存在を安全に地獄に堕とし、多額の賞金まで貰える! ……こんな嘘で、面白いように釣れた! 所詮地球人などその程度の存在! それを正義面で護ろうとすることがいかに滑稽か理解できないらしいなッ!」
ブレイバーキラーは身体を回転させるような動きで、双剣を振るい、怒涛の連続剣を繰り出す。
ブレイバーは防戦一方になる。
そのまま愉し気に言う。
「我々はそんな地球人の、特にクズな奴をアブダノイドにして有効利用してやろうというのだッ! むしろ感謝すべきだッ!」
そのとき
『ふざけないで!』
裕子の声が響き渡った。
『何が感謝すべきだ、よッ! ここに来た人は、確かに善い人間では無いかもしれない!』
アブダー戦闘員を彼女はバルキリオンの体当たりで吹っ飛ばしながら言う。
『でもそれが全てじゃ無いし、それに善い人間じゃないから生物兵器の素材にしていいってどんな理屈よッ!?』
その言葉にブレイディ=クシナダが
「その通りです! 地球人より遥かに文明レベル進展度が高いという理由で、神にでもなったつもりですかアブダー!」
、彼女が操縦している反重力バイクから撃ち出されるパラライズビームで、アブダー戦闘員を無力化しながら言い放った。
「ムラクモ義兄さんの姿を盗み、義兄さんなら絶対にしないことをするなんて許せません! ブレイバーキラー! 覚悟なさい!」
タケハヤ同様、クシナダも激怒している。
当然だろう。
身内の姿、能力、装備をそっくり盗まれ、悪の手先に仕立て上げられたのだ。
許せるはずがない。
「クククッ! 勇ましいではないか!」
だが、対するブレイバーキラーは愉し気であった。
ブレイバーとの斬り合いを、大振りの一撃を最後に後ろに跳躍し
切り上げて
そして
「正直
一方的に、戦いの終了を宣言する。
当然
「何を言っている! 逃がさん!」
「あなたはここで終わらせます!」
ブレイバーとブレイディはそれを認めない。
そんなふたりに
「……しつこくしたいなら勝手にするがいいさ」
ブレイバーキラーは愉し気に返し。
こう続けた。
「首領ギル・ウォンよ! 次元歪曲装置を作動させ、この船……バリアブダーをアブダーゾーンに移動させろ!」
(アブダーゾーン! そしてバリアブダー……!)
この船は、実はアブダノイドだったらしい。
自分達はアブダノイドの中で戦っていたのだ。
その衝撃から裕子たちが立ち直る前に
声が返って来た。
『よかろう……! 任せるがいいムラクモツヴァイ……!』
あのとき。
あの深夜の公園で聞いたあの声が。
アブダー首領ギル・ウォンの声が……!