宇宙警察ブレイバー~地味子の女子大生が深夜の土手で行き倒れ青年を助けたら、その人が宇宙の刑事で宇宙犯罪組織との戦いに巻き込まれた~   作:XX(旧山川海のすけ)

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第39話 処刑できない!

 ギル・ウォンの声が響き渡ったとき。

 その場の空間が歪み。

 

 次の瞬間、3人は海に投げ出された。

 そのまま自由落下する。

 

「うあッ!」

 

 タケハヤ=ブレイバーは飛行手段が無いため、そのまま海に落ちた。

 そこに

 

「タケハヤ!」

 

 海に沈むブレイバーを、クシナダ=ブレイディが反重力バイクで救助に向かう。

 

 反重力バイクは沈むタケハヤを乗せて、瞬く間に海から浮上して来る。

 海水の侵入を球状のバリアで護りつつ、クシナダは浮かび上がって来た。

 

 裕子はバルキリオンの脚部についているバーニアを噴かせて、海への落下を免れる。

 

 そして彼らは海から岸へと降り立った。

 

『船は……やっぱりアブダーゾーンに行ったんですか?』

 

 裕子がバルキリオンとの合一化を解かないまま、2人に訊ねる。

 そう。

 

 裕子たちがさっきまで乗り込んでいた船が、きれいさっぱり消えていたのだ。

 

 それに対してクシナダが答える。

 

「おそらくそうだと思います……」

 

 肯定。

 

(あんな大きなものまで……)

 

 あの船は間違いなく多人数を乗せられる船であった。

 それを一瞬で消したのだ。

 

 そこでハッとする。

 

『捕獲された人たちは……?』

 

 自分達と同じように海に投げ出された人がいない。

 間違いなく居たはずなのに。

 

 裕子達があの船に乗る前。

 何組か船に乗り込むのを見た。

 

 だから間違いなくいるはずなのだ。

 

 それについて

 

「……おそらく、アブダーゾーンに連れて行かれているはずです」

 

 クシナダが苦い声でそう言った。

 

『アブダーゾーン……!? じゃあ助けに行かないと駄目じゃないですか!』

 

 裕子はそう訴えかけるが

 

 クシナダは

 

「ええ。その通りです」

 

 それも肯定したが、続けて

 

「ですが……」

 

 まっすぐに裕子に目を向けて

 

「桐谷裕子さん、あの船の大きさを考えてください……」

 

 言ったのだ。

 

「あれは、おそらくブレイバーブレードで処刑できる大きさを越えているはずです」

 

 その言葉で、裕子は理解した。

 確かに、と。

 

 あの船そのものがアブダノイドだとするなら、その大きさはおそらく100メートルを超えるのではなかろうか?

 

 そんなものをブレイバーブレードで処刑できるとは思えない。

 刀身の長さが全然足りないからだ。

 

 ならば、諦めるしかないのだろうか?

 

 倒せないのであれば、アブダーゾーンに乗り込んでも意味が無い。

 ただやられに行くだけである。

 

(そんな)

 

 目の前で拉致される人間を見過ごす。

 彼女は悔しさに震える。

 

 悪者(わるもの)の思惑が成就することが我慢ならなかった。

 

 だから

 

『何か方法は無いんですか!?』

 

 思わず叫んでしまった。

 するとその叫びにクシナダとタケハヤは

 

「あります」

 

「あるぞ」

 

 即座にそう返し。

 

(あるの!?)

 

 驚く裕子に

 

 タケハヤが

 

「……ただ。覚悟を決めてくれ。楽な方法では無いんだ」

 

 重く、神妙な口調でそう言ったのだった。

 

 

 

 そして3人はアブダーゾーンに突入した。

 

 迷ったが、裕子は決断したのだ。

 ここでしり込みして逃げたら、きっと後悔すると。

 

 次元の壁を乗り越えて、アブダーゾーンに飛び込む。

 そこはやはり薄暗い採石場に似た空間で。

 

 採石場の向こうの空に、全長100メートルを超える巨大な姿が浮かんでいた。

 

 それは某有名RPGに出て来そうな空飛ぶ船であった。

 船の上に巨大なプロペラが複数存在しそれで飛んでいる。

 ただ、某有名RPGのそれとは違い、船体に手足にあたるものが生えてはいたが。

 

 そして

 

「バリバリバリバリバリバリバリィ~!」

 

 それはそんな声を発しながら飛行していた。

 

 間違いない。

 あれこそがバリアブダーであろう。

 

(すごく……大きい……!)

 

 クシナダの予想が当たった。

 これはブレイバーブレードでは処刑は無理だ。

 

 ならば、別の手をというものを使わないといけないのではないか?

 なので彼女は

 

「タケハヤさん! クシナダさん! あれを処刑する方法を教えてください!」

 

 直球で訊ねる。

 裕子の視界の端で、制限時間がグングン減っている。

 無駄にしている時間は無かったから。

 

 するとタケハヤは頷き、クシナダに向けて

 

 言ったのだ。

 

「ブレイディ、次元波動砲バルキリーカノンの準備だ!」

 

 力強く。

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