深夜の土手で行き倒れ青年を助けたら、その人が宇宙の刑事で宇宙犯罪組織との戦いに巻き込まれた件   作:匿名希望

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第4話 宇宙刑事が来た理由

 深夜3時を過ぎた。

 

 延々1時間くらい、宇宙警察(ギャラクシーポリス)の長い歴史を語られた。

 曰く、太古の昔より存在していたとか。

 大宇宙に宇宙犯罪組織が出現すると対抗するために設立され、現在も宇宙の平和を守っているとか。

 地球にも何度か任務で訪れたことがあり、その際の活躍が神話の中に残っているとか。

 

 そんな到底信じられない話を「そうだったんですね!」と基本肯定する方針で聞く。

 

 その中で

 

「ええと、何で私が宇宙犯罪組織に狙われているんですか?」

 

 裕子はコーヒーを淹れつつそう訊ねる。

 淹れているのはインスタントコーヒー。

 

 それを2人分。

 

 タケハヤには、予備のマグカップで淹れて出す。

 別に二心は無い。

 

 純粋に「自分だけコーヒーを飲む」のが嫌だったからそうしたのだ。

 でも、タケハヤが彼女の出したコーヒーを普通に口にしたのを見て

 

(あっ、何かを盛るべきだったのかな?)

 

 そんなことをふと思う。

 何を盛るんだと言われても困るが、なんとなく。

 

 でも

 

(コーヒーのせいでこの人がトイレに駆け込んだら、その隙に逃げようかな)

 

 それだけは頭の片隅で考えておく。

 

 まあ、それはそれとして。

 彼女の質問……何故自分が狙われているのか?

 その答えは

 

「キミが俺を助けたからさ」

 

 タケハヤはコーヒーを口にしてそう答え、申し訳なさそうな顔を浮かべた。

 タケハヤが言うには……

 

 彼女を狙っている宇宙犯罪組織は宇宙刑事を身動きできなくさせるために

 

 宇宙刑事に善意を向けた人間に、見せしめに危害を加えるつもりなんだとか。

 

(……これも筋が通ってるなぁ)

 

 コーヒーを啜りながら彼女は考える。

 無関係な人間に危害を加え、宇宙刑事に警告する場合。

 完全に無関係な人間だと「おのれ犯罪者め!」となるだけで、宇宙刑事の動きの制限に繋がらないけど。

 

 宇宙刑事に善意を向けた人間に限ると、善意を向けられなければ危害を加えられないという逃げが出来るから

 

 結果として、宇宙刑事が地球の住民に関わらなければ良い、孤独に戦えばよい、となり。

 それでもし被害に遭う人間が出た場合、それは宇宙刑事のせいであると思わせることが出来る。

 

 ……正直、この男性タケハヤの話は

 

 トンデモではあるけど、破綻が無い気がした。

 作り話にしては凝り過ぎた。

 

 どういうことなんだろうか……?

 

「キミが去った後、宇宙犯罪組織……アブダーからアブダノイドが差し向けられて来てね」

 

 タケハヤの話に戸惑いを感じている彼女に。

 タケハヤは事の顛末を話す。

 

「アブダノイド?」

 

「宇宙犯罪組織アブダーが売り捌いている生物兵器の名前さ」

 

 元々、タケハヤは地球に宇宙犯罪組織アブダーの本拠地があるという情報を受け、アブダーを壊滅させよという宇宙警察(ギャラクシーポリス)からの指令を受けた宇宙刑事で。

 

 そして彼はアブダーとの戦いで激しく消耗し、危うく行き倒れそうになった。

 そこに彼女が通りかかり、食べ物を恵んでくれたおかげで、そのピンチを切り抜けた……。

 

 タケハヤの話に裕子は「なるほどなー」と言いそうになり。

 ハッとした。

 

 タケハヤの話に呑まれそうになっている。

 危ない。

 

 あり得ない話なのに。

 

 筋が通ってるから嘘の話じゃないっていうのは、細部にツッコミどころがあるから、絶対に嘘の話であるというのと同じくらい根拠が無い。

 

 騙されちゃダメだ。

 そう思い、彼女はコーヒーを飲み干そうとした。

 

 そのとき

 

 突然、部屋の大窓がブチ破られて

 

 何かが部屋に飛び込んで来た。

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