宇宙警察ブレイバー~地味子の女子大生が深夜の土手で行き倒れ青年を助けたら、その人が宇宙の刑事で宇宙犯罪組織との戦いに巻き込まれた~ 作:XX(旧山川海のすけ)
クシナダが闇金の電話番号から、闇金の住所を特定。
そこからクシナダが謎の超技術で見張りのようなものを展開
したのだが
(何で出来たの?)
頼んでから何であるのだが、そこが疑問になった。
何故なら、広告に記載されている電話番号はよく見ると携帯電話の番号で。
そこから考えて、飛ばし携帯の番号なのは疑いなかったからだ。
飛ばし携帯なら、今闇金に繋がることなど不可能のはずだ。
何故なら使い捨てだからだ。
とっくに廃棄されているに決まってる。
なので純粋に気になった。
自宅マンションに帰ってまたモニターを呼び出して、座ってモニターとにらめっこしているクシナダに
「クシナダさん、ゴメン」
裕子は訊ねる。
クシナダは
「何でしょう?」
そう振り返り裕子を見る。
見るからに忙しそうなときに質問をするのは気が引けたが
「……多分、あのコインランドリーの番号は今は使えないと思うんですけど」
質問を切り出した。
現役ではなく、もはや死んでいる電話番号でどうして闇金に辿り着けたのか?
いやむしろ、本当に辿り着いているのか? を。
するとクシナダは
「でも、あれが貼られた当時は使えたんですよね?」
そう、何も臆することのない声で聞き返して来る。
そして説明してくれた。
クシナダは「ヒトが他者と繋がろうとする意志」をあの番号から読み取って、そこから検索したのだと。
あの番号は使い捨てであるが、間違いなく闇金自身が自分と債務者を繋げるために用意した番号である。
大事なのはそこであって、あの番号が今も使えるかどうかではない……
その説明を聞いて思う。
(……まるっきし魔法にしか思えないなぁ)
進みすぎた科学は魔法と区別がつかない。
その、誰かの言葉を思い出し、噛み締める。
と、そのとき。
クシナダのモニターに映像が表示され、ブーという警告音が鳴った。
その映像の中で……あの男性が。
蓮田がひとり、歩いていたのだ。
「蓮田さんですね?」
そして。
2人は現場に急行し。
その人影に声掛けする。
そこは人通りの少ない場所に建つ雑居ビルの前で。
人影は振り返る。
その顔は蓮田そのもので。
その目は、絶望に染まっていた。
あのときと全然違う。
プライドと優しさに満ち溢れていた、最初のあのときとは。
男は裕子に目をやり、言う。
「……キミは?」
どうやら彼は、裕子の顔を覚えてはいなかったようだ。
裕子はそんな彼に
「アマノドー書店で、あなたに本を譲った女子大生です」
そう答える。
すると
「ああ……あのときの子か」
少しだけ、その目に光が戻ったように見えた。
彼は何だか懐かしそうな顔をしていた。
たった数日前のことなのに。
一体彼の中でどれだけのことがあったのか。
それを思い、裕子は胸を締め付けられるようなものを感じる。
彼は
「俺に何の用?」
裕子を見つめ、そう訊いた。
その声は穏やかだった。
こんな彼が、アブダノイドの力を持っているなんて。
とても信じられない。
しかし
裕子は意を決して
「あなたを止めに来ました」
そうハッキリと言った。
その瞬間。
蓮田の目が再び闇に染まった。