宇宙警察ブレイバー~地味子の女子大生が深夜の土手で行き倒れ青年を助けたら、その人が宇宙の刑事で宇宙犯罪組織との戦いに巻き込まれた~ 作:XX(旧山川海のすけ)
飛び出して来た触手と甲殻は蓮田の身体に巻き付き、張り付き
瞬く間に蓮田の姿を異形の姿に変える。
それは生物的な質感を持った装甲を身に纏った戦闘生物で。
全体的なイメージは、緑色の昆虫人間。
特に蟻に似ている気がした。
ただ、背中に生えている羽根は鳥の翼で。
肩アーマー状に肩を覆っている甲殻は、亀の甲羅に似ている気がする。
統一感のない、異形の怪人……
「……取り消せ……暗藤との絆が嘘だったなんて、例え女の子でも許さないぞ……!」
そして蓮田はクシナダに、明確に怒りの言葉をぶつける。
返答次第ではただでは済まさない。
そう言いたげな声で。
だがクシナダは
「その力……誰に貰ったんですか?」
冷静にそう訊ねていた。
裕子も
「蓮田さん! まだ怪人そのものになっていないんですか!? 今、装着しましたよね!?」
蓮田の変貌に怯えを見せることなく、そう訊ねている。
蓮田は
「……どういうことだ……? 何故このアブダーマンの力を目にして、何も驚かないんだ……?」
2人のその様子に混乱していた。
この姿を見れば恐怖し逃げ惑い、命乞いをする……
そう思っていたのだろう。
だがふたりはそうならない。
それが何故なのか分からないのだ。
そのとき
『こいつら、おそらく
「
……突如。
変身した蓮田が腰に巻いているベルトのバックルに口が出現し。
そんなことを話し始めた。
その口はカミツキガメの口のような形をしていたが。
流暢に日本語を話した。
その口は続ける。
『
「そういやそんなことを言ってたっけ」
蓮田は思い出したようだ。
そして彼は
「……確か。彼らは宇宙連邦法とかいう法律で、宇宙連邦に加入していない惑星の知的生物を故意に処刑することは重大な違法行為……つまり俺たちを処刑することは出来ない……そうだったな」
そう淡々と
卑劣極まりないことを口にした。
彼は理解していたのだ。
宇宙警察が彼に手を出せないということを。
「蓮田さん! 恥ずかしくないんですか!?」
裕子は鋭い声をあげた。
法律を盾に自分の身を守って、法を犯そうとするなんて。
だが蓮田は
「薄っぺらい倫理感で本当に滅すべき悪を放置する方が恥ずかしい!」
そう、その一言で斬って捨てた。
そして叫んだ。
「俺の邪魔をしないでくれ! 女の子に怪我をさせるのは本意じゃない!」
その叫びと同時にその手の中に、鎖のついた棘鉄球を出現させ
「ドルァァァァ!」
その鉄球を叩きつけてくる。
その狙いはクシナダで
裕子はバルキリオンを呼び出して合一化し、彼女を守ろうと考えるが
(間に合わない!)
そう思い、その身で庇おうと覆い被さった
そのとき。
颯爽とそこに割り込み、剣を振るってそれを弾く影があった。
それは
「……遅くなった。すまない」
クシナダの婚約者にして、宇宙刑事。
電装を完了させた、
つまりタケハヤであった。