宇宙警察ブレイバー~地味子の女子大生が深夜の土手で行き倒れ青年を助けたら、その人が宇宙の刑事で宇宙犯罪組織との戦いに巻き込まれた~ 作:XX(旧山川海のすけ)
「電装!」
クシナダはタケハヤに礼を口にする前に電装を行った。
まず優先するべきはそれであるから。
瞬く間に宇宙警察証から微粒子状で噴出した形状記憶超合金ヒヒイロカネが、クシナダの身体上で赤いメタルスーツの形状で定着した。
「
そして電装後の作法として名乗りをあげたクシナダは
「ブレイバー! このアブダノイドの中には無改造の地球人がいます!」
反重力バイクを召喚し、宙に舞い上がりつつそう告げる。
重要な情報だ。
「なんだって!?」
ブレイバーブレードを構えつつ、ブレイバー=タケハヤは驚愕する。
そこに
『フハハハハ! その女の言う通りだパタ! 俺の中には無改造の地球人が居るパタ!』
変身した蓮田の腹部に巻かれたベルトのバックルから、勝ち誇った声がした。
あのカミツキガメの口のようなものだ。
それは尊大に続ける。
『やれるものならやってみろパタ! 思い切り宇宙連邦法に抵触するパタがな!』
己の優位を全く疑っていない様子で。
『しかもこの男は自由意志でアブダーに協力してるパタ! やれるパタ!? ブレイバーやれるパター!?』
アブダノイドを強化外骨格として身に纏った存在……アブダーマン。
宇宙連邦法で言えば、宇宙犯罪者に数えられない現地犯罪者だ。
故意処刑は許されない……!
「ドルァァァァァ!」
雄叫びと共に蓮田はブレイバーに鉄球を振るう。
ブレイバーはその攻撃を避け、ブレイバーブレードで弾き返しながら
「キミはアブダーがどんな奴らなのか分かっているのか!?」
説得を試みる。
ブレイバーの言葉に蓮田は
「知っている! アブダーは自己の利益のために他人を傷つけ、貶める邪悪な知的生命体を、宇宙の平和と安全のために有効利用する正義の集団だ!」
そこに何の疑いも無いらしく。
全く迷いなくそう返した。
「違う!」
否定するブレイバーの言葉に
「違わない! その証拠に、彼らは俺が倒した闇金を回収してくれると約束した! 闇金どもをアブダノイドの素材にして何が悪いんだ!?」
蓮田の叫び。
その叫びに。
「何様ですか!? あなたは自分が価値を感じない人間は消えて良いって言ってるんですよ!?」
裕子が否定の言葉を叩きつける。
彼女はバルキリオンを召喚もせずに、生身のまま
「そんなの、闇金と同じですよ!」
厳しい視線を向けて批判した。
蓮田の手が止まった。
「馬鹿な! どこが同じだというんだ!?」
裕子の批判の言葉。
それは聞き流せなかったことなのか。
「闇金なんて犯罪者じゃないか!」
その声は怒りに満ちていた。
不名誉だ。取り消せ。でなければ許さない。
そんな気持ちが溢れている。
そこに裕子は
「闇金の多くが自分たちをどう思ってるのか知らないんですか!?」
聞いた話ではあるが、自分の認識を話す。
それは
「彼らの多くは普通に真面目に生きてる人間を破滅させてやろうとはしてないんです!」
人間、自分の行為に正義を求める。
それが普通というものだ。
無論例外はある。
しかしそれは稀なのだ。
だから闇金も、自分の行為に正当性を求める。
彼らのそれは……
「計画的に賢く生きられない、他人に寄生して生きるしかないろくでもない奴……そいつの望みを叶えてやるだけだ……そう思っているんですよ!」
馬鹿だから借金で首が回らなくなる。
そしてどこからも借りられなくなり、ウチに来るしか無かった。
そんな奴らに金を貸すのだから、取り立てが違法になってもいいじゃないか。
それが彼らの言い分だ。
そのことを強く意識しつつ、彼女は
「蓮田さん! あなたの言い分とそっくりですね!」
全く臆さずに、その言葉を叩きつけ。
蓮田の言葉を否定した。