宇宙警察ブレイバー~地味子の女子大生が深夜の土手で行き倒れ青年を助けたら、その人が宇宙の刑事で宇宙犯罪組織との戦いに巻き込まれた~   作:XX(旧山川海のすけ)

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第57話 私がやるしかないでしょう!

「オオオオオオオ……!」

 

 分離したアブダノイドはうねうねと地面でうねっていた。

 中身である人間と分離したせいで急に支柱を失ったせいであろう。

 

 その支柱である人間……蓮田は倒れ意識を失っていた。

 

 悔し気にアブダノイドは言う。

 

「お……オノレ……何故アブダーマン装甲を制御しているのがベルトバックルだと分かった……?」

 

 その言葉に

 

『そんなの、そこでベラベラ喋っていたら嫌でも疑うに決まってるでしょ!』

 

 バルキリオンに合一化した裕子が反撃に備えて距離を取りつつ、そう返した。

 

 ……当たり前の話である。

 

 あれだけ自己主張をしておいて、疑うなという方が無理であろう。

 だが

 

「違っていたらどうするつもりだったんだパタ……!?」

 

 そう。

 確証があったわけではない。

 

 可能性として間違いもあっただろう。

 

 しかし

 

『それでも戦闘不能になる可能性が高いと思った! そして私以外思い切れる立場にいない以上、やるしかないでしょ!』

 

 彼女は思ったのだ。

 地球人である自分だけが、蓮田に負担を強いる選択肢を選び得る立場にいると。

 

 宇宙人であるタケハヤとクシナダは、どうしても地球人に対する遠慮がある。

 地球人にリスクのある選択肢は選びにくい。

 

 彼らは裕子に負担を強いる要求を何度かしたが、そのときは必ず事前に情報を全開示してきた。

 それが彼らのやり方なのだ。

 

(だったら決断するしかないよね)

 

 無論、バルキリーバルカンで蓮田が負傷する可能性はあった。

 でも万一負傷してもクシナダがなんとかしてくれるという思いで突っ走ったのだ。

 

「畜生パタァァァァ! これで終わって、これで終わってたまるかパタァァァァ!」

 

 急速にアブダノイドは己の形を形成していきながら、倒れた蓮田に手を伸ばす。

 

 アブダノイドは……翼を背中に生やし直立したカミツキガメ……そんな姿を形作っていく。

 しかし。

 

 その手が届く前に、クシナダが動いた。

 反重力バイクに乗ったまま倒れ意識を失った蓮田を片腕で回収し、横抱きに抱いて上空高く舞い上がる。

 

 そして言った。

 

「やってください! ブレイバー!」

 

「ああ!」

 

 その言葉に応え、ブレイバーがブレイバーブレードを下段に構えた。

 

 もう処刑は決定づけられている。

 アブダノイドは

 

「ち……畜生パタァァァァ!」

 

 その叫びと共に空間に闇の穴を開けた。

 そしてそこに飛び込んで

 

 ……アブダーゾーンへの逃走。

 

 だがそんなことはこちらも想定している!

 

『乗ってくださいブレイバー!』

 

 バルキリオンの中から裕子の声。

 そして駆け寄って来るバルキリオン。

 

 ブレイバーは「助かる!」という一言でその背に飛び乗り

 

 同時に次元の壁を突き破り

 

「パタァァァァぁ!」

 

 そしてそれもまた同時であった。

 

「ブレイバーバルキリースラッシュ!」

 

 バルキリオンに跨ったブレイバーは、次元の壁を突き破りアブダーゾーンに飛び込んだ瞬間。

 

 目の前で逃走中のアブダノイドを一刀のもとに両断。

 

 アブダノイドは巨大化したブレイバーブレードにより、上半身と下半身を泣き別れにさせられ。

 

 数瞬後、駆け抜けたブレイバーたちの背後で。

 2つの輝く爆発となり消え去った。

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