深夜の土手で行き倒れ青年を助けたら、その人が宇宙の刑事で宇宙犯罪組織との戦いに巻き込まれた件   作:匿名希望

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第6話 宇宙警察ブレイバー

(何が起きたの……?)

 

 裕子は動けなかった。

 気がついたらタケハヤが銀色の戦士に変身していたのだ。

 

 輝くメタルスーツに身を包んだ、鋼の戦士に。

 そのメタルスーツには胸や腹部に計器を思わせるランプやメーターのようなものがあった。

 それがスーツの機能の始動を知らせるように点灯していく。

 ウィィン、という起動音を立てながら。

 

 フルフェイスヘルメットの目の部分を覆っている、バイザー部分に目を思わせる輝きが灯る。

 それでこのスーツが完全起動したことが、誰の目にも分かった。

 

 

 ……裕子には気づきようも無いが、タケハヤが宇宙警察証を構え、既定の手順でメタルスーツ装着コード「電装」を叫んだとき。

 

 その手にした宇宙警察証より形状記憶超合金ヒヒイロカネが微粒子状で噴出。

 タケハヤの身体上でメタルスーツの形状で定着し、僅か1ミリ秒で変身を完了させたのだ。

 

 変身完了したタケハヤは

 

宇宙警察(ギャラクシーポリス)……」

 

 キレのある動きで

 

「ブレイバー!」

 

 名乗った。

 

 宇宙警察(ギャラクシーポリス)ブレイバー。

 それが今の彼の名……!

 

「おのれブレイバー! 今度こそ倒してくれル!」

 

「アブダー!」

 

 ブレイバーに襲い掛かるシャコアブダー。

 迎え撃つブレイバー。

 

 2人はもつれ合うようにぶち壊れた大窓を突き抜け、外に飛び出していく。

 

 

 

(このままここにいるべきじゃない。傍にいないと)

 

 裕子は2人が外に飛び出していくと同時に。

 自分の部屋を飛び出した。

 

 理由は、ここが安全という保証がないからだ。

 

 もし自分が人質に取られるようなことになれば、彼の邪魔になってしまう。

 だったら恐ろしくはあるけど、彼の目の届く場所にいるべきだ。

 

 急いで靴を履き、外に飛び出し、階段を駆け下りる。

 

 そしてマンションの外に出ると、深夜の無人の道路の真ん中で、アブダノイドと銀色の戦士ブレイバーが戦っていた。

 

「トゥ!」

 

 ブレイバーは手に輝く剣を握っていた。

 その形状は、なんだか古墳で発掘される古代の剣を思わせて

 

 アブダノイド・シャコアブダーは

 

「死ネブレイバー!」

 

 その両眼からビームを発射してブレイバーを攻撃するが

 

 ブレイバーはそのビームを剣を振るい、弾く。

 そしてその返礼のように

 

「ブレイバーゼットバレット!」

 

 その手の平から、エネルギー弾のようなものを撃ち出し、シャコアブダーに直撃させる。

 

「ギャアアアアア!」

 

 絶叫し、吹き飛ぶシャコアブダー。

 今は深夜だが、ここまで騒ぐと誰かが気づくかもしれない。

 

 裕子がそう思ったとき

 

「ク、クソッ! 一旦撤退ダ!」

 

 シャコアブダーは

 

 そんな捨て台詞を残して、姿を消した。

 まるで幻か何かのように

 

 ……逃げた?

 

 助かったの……?

 

 そう思ったが。

 銀色の戦士は変身を解いていない。

 

 そして彼は振り返り

 

「……悪いが、まだ終わってない」

 

 苦い声だった。

 苦い声で、彼女に

 

「桐谷裕子さん……悪いが、俺と相乗りして欲しい」

 

 そう、何やらとんでもないことを切り出して来た。

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