宇宙警察ブレイバー~地味子の女子大生が深夜の土手で行き倒れ青年を助けたら、その人が宇宙の刑事で宇宙犯罪組織との戦いに巻き込まれた~   作:XX(旧山川海のすけ)

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第61話 休憩時間で

 激動の初日が終わり、2日目。

 

 明日の午前中でバイトが終わり、家に帰る予定なのであるが。

 

 ここに来て、余裕が出て来た。

 仕事に慣れて、4人は不要になって来たのだ。

 半分の2人で良いだろうということになり。

 

 そこでバイト料を少し下げてもらう代わりに、交代で長めの休憩を取ろうという話になった。

 

 

 とはいえ。

 

 

(何をすればいいというのだろう……)

 

 自分の番の休憩が回って来たので。

 裕子は夏の浜辺に放り出された。

 

 一緒に休憩に入った友人の小林は、奥で寝てくると言い、スタッフルームに引っ込んでいった。

 彼女は別に海に興味が無いらしい。

 

 裕子もどちらかと言えばそうなのであるが……

 

(クシナダさんに海に行かせている手前、様子を見に行った方が良いよね……)

 

 今クシナダはどうしているだろうか?

 

 存在解像度を下げていた場合、今の裕子には見つけられない可能性があるのだが……

 

 浜辺に出ると、注目を浴びている女性がいた。

 ちらちらと視線が集中している。

 

 クシナダだった。

 

 存在解像度を下げていなかったらしい。

 そうなるとクシナダはただの銀髪の眼鏡美人である。

 しかも水着姿。

 

「クシナダさん」

 

 駆け寄るとクシナダがこちらに気づく。

 

「あら桐谷裕子さん。バイトの方は?」

 

「余裕が出て来たから、バイト代下げてもらう代わりに休憩を長くする案が」

 

 裕子の言葉にクシナダは

 

「なるほど。そちらの方が雇用主の人としても出費が抑えられて助かりますね」

 

 そうコメント。

 正直提案することに少しだけ負い目があったので、クシナダのその言葉はありがたかった。

 

「クシナダさんは何をしてるんですか?」

 

「海難事故に遭ってる人がいないか見張っていました」

 

 まあ、それくらいしかやることがないのかもしれない。

 

「色々放置でごめんなさい」

 

「いえ、別にそれは大丈夫です。久々の海水浴ですし」

 

(久々?)

 

「宇宙でも海水浴あるんですか?」

 

「はい。普通にありますよ」

 

 どうも文明レベルに差があっても、知的生物のレジャーにはそれほど大きな差は無いのかもしれない。

 

 ただ、流石に規模は違うようで……

 

「海洋専用惑星、というのがありまして」

 

 クシナダは教えてくれた。

 宇宙の富裕層が楽しむ「海のレジャー」

 

 それは……

 

「レジャー用に惑星1つを改造しているんです。危険な生物を排除し、海難事故が起きないように、利用客の安全を守るパトロールAIが」

 

 ようは鮫もおらず、溺れそうになっても即人工知能が救助に来てくれる、夢のような環境……

 

 海の幸の養殖も行っており、海遊びだけでなくグルメも楽しめるらしい。

 

(スケールが違うなぁ)

 

 浜辺の隅で座りながらそんな話を聞いていると

 

 裕子のスマホが震えた。

 

 アラームだ。

 

 どうやら休憩時間の終わりらしい。

 

「ゴメン。時間だから行くね」

 

「ええ。お仕事頑張ってください」

 

 立ち上がり、去っていく裕子の背中に。

 クシナダのそんな言葉が掛けられる。

 

 そして裕子が海の家に戻ると……

 

 何やら友人2人が慌てている。

 

(何かあったの?)

 

 そう思い

 

「どうしたの?」

 

 訊ねると

 

 友人の1人……香村が血相変えてこう言って来た。

 

「コバちゃんがいなくなった!」

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