宇宙警察ブレイバー~地味子の女子大生が深夜の土手で行き倒れ青年を助けたら、その人が宇宙の刑事で宇宙犯罪組織との戦いに巻き込まれた~   作:XX(旧山川海のすけ)

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第62話 消えた友人の行方

「えっ、小林さんがいなくなったの!?」

 

 香村と井上が激しく頷く。

 

「そろそろ交代時間かなってときに」

 

 香村はスタッフルームに入り込み、寝てる友人を起こしに行こうとした。

 けれども、スタッフルームに誰もいなかったのだ。

 

 小林がスタッフルームから出て来ていないのは間違いない。

 スタッフルーム出入り口はホール部分から丸見えであり、誰にも知られずにいなくなるのは不可能だ。

 

 神隠しと言って良かった。

 

「どうしよう裕子。警察に言った方が良いかなぁ?」

 

 香村と井上は泣きそうな表情をしていた。

 人が1人消えたのだから当然である。

 

 裕子は

 

(まさか、アブダー? もしそうならマズイ)

 

 ほぼ脊髄反射的にその結論に行きついた。

 所謂「超速理解」というやつだ。

 

 まあ彼女の中で悪事を働く悪者(わるもの)最大手はアブダー以外はいないので、そうなるのは自然な事である。

 

「警察はちょっと待って。心当たりあるから」

 

 裕子は動揺する2人にそう言って

 

「ゴメン、ちょっとここ任せていい?」

 

 自分の休憩時間の延長をお願いする。

 香村と井上は

 

「う、うん」

 

「分かった」

 

 戸惑っていたが、裕子の目の中に自信を見て取ったのか。

 裕子のその言葉に首を縦に振り

 

 それを見た裕子が走り去っていく後姿に

 

「なんだかよく分からないけど、頼んだよー!」

 

「2時間経っても状況変わらなかったら通報するねー!」

 

 香村と井上は大声で言った。

 それに対して裕子は答えなかった。

 

 場合によっては事態は一刻を争う。

 むしろ、2時間も猶予を与えてくれてありがとうと言いたい気持ちだった。

 

 

 

 裕子は真っ直ぐにクシナダと別れた場所に直行した。

 すると幸い、クシナダはまだそこで座って陽の光をポカポカしていたので。

 

 駆け寄って、事情を伝えた。

 クシナダの表情が一変する。

 

 ポカポカしていた穏やかな表情から、厳しい宇宙警察の警察官の顔に。

 

「えっ、お友達が行方不明になったんですか?」

 

「うん。調べて貰える?」

 

 そう言いつつ。

 裕子は自分のスマホを操作し、小林の電話番号を呼び出した。

 

「これで調べられる?」

 

 そうクシナダに訊ねるが

 

 クシナダは頭を振り

 

「これは本人が私に向けて開いた番号では無いので」

 

 ……どうやら、ダメらしい。

 クシナダの「対象への連絡手段からの現在地特定」という技術は、万能の調査技術では無いようで。

 鍵になるのは「相手から連絡する窓をこちらに開いている」という事実だそうだ。

 そこに縁ができて、その縁を辿って現在地を割り出す。

 

 そういうものだそうで。

 

 この間の闇金の電話番号が通用したのは、そういう理屈らしい。

 あれがもし、ただの闇金の人間の携帯電話番号をどこかから盗み出したのだとしたなら、現在地特定までは行かなかったそうだ。

 

(そういう理屈なんだ)

 

 聞いててまるっきり魔法にしか思えないが……

 

(そういう事なら……)

 

 裕子は思考を切り替えた。

 万人に向けての、小林からの連絡の窓……

 

 しばらく考え

 

 閃いた。

 

(これなら!)

 

 彼女はスマホを操作し。

 エッキスに接続し。

 

 そのアカウントの画面を表示し、クシナダに見せた。

 

 それは小林のアカウントで

 それは鍵アカではなかったのだ。

 

(これなら万人に開かれた連絡手段でしょ!?)

 

 期待を込めてクシナダを見る。

 

 クシナダは……

 

 グッと親指を立てて笑みを見せ

 

 クシナダが立体映像のモニターとキーボードを呼び出して検索を開始する。

 

 自分のアイディアが通ったことに達成感を感じつつ、期待を込めて見つめる。

 

 だが……

 

 クシナダの表情が次第に厳しいものに変わっていく。

 裕子はそこに、不安を感じた。

 

(やっぱり)

 

 その裕子の予想は

 

「……ご友人、アブダーゾーンにいますね」

 

 的中していた。

 

 それは半ば予想していたことではあったが。

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