宇宙警察ブレイバー~地味子の女子大生が深夜の土手で行き倒れ青年を助けたら、その人が宇宙の刑事で宇宙犯罪組織との戦いに巻き込まれた~ 作:XX(旧山川海のすけ)
(やっぱり)
自分の予想が的中していたことに、裕子は興奮などはせず。
焦りと恐怖で青くなる。
小林は裕子の大学1年からの友人であった。
彼女は大学の文芸サークルに所属していて。
井上と香村はそこに後から加入して来て知り合った形だ。
裕子は元々、特にやりたいスポーツも無く。
ワイワイ騒ぐ同好会やサークル活動にも興味が無く。
なんとなく「文芸サークルならきっと他人に過干渉してこないから、疲弊することも無いのでは?」と思い加入したのだ。
加入したとき彼女に「あなたは何を書くの? 好きな作家は?」と聞かれたが、そのとき裕子は
「ああ、私は読み専で。好きな作家は虚淵靖子とコナンドイルです」
そう思わず思い付きで言ってしまったのだが
そのとき彼女に
「そう。だったら自分でも書きたくなったらいつでも相談して」
そう言われてしまった。
おそらく彼女は裕子が文芸そのものには大した興味が無いことを見抜いていたのだ。
しかし、それを理由に裕子を排除しようとしなかった。
裕子はあとから何故そうしたのかをそれとなく訊ねたことはある。
すると
「裕子は他人を見下したりはしない子だというのは雰囲気で分かったから、単に大学に入っておきながらサークルの1つも入らないなんて変だ、程度の理由なんだと思った。だったら別に怒ることじゃないでしょ」
「男女でイチャイチャするために、テニスサークルに入る人だって居るんだし。文芸サークルで似たことをしちゃいけない理由はないよね」
……とのことだった。
懐が深いというしかない。
そんな人間が今、アブダーゾーンに囚われている。
「今、どうなっているんですか!?」
裕子は焦りの感情のまま、クシナダに状況を訊ねた。
クシナダはモニターを見つめながら
「ちょっと待って下さい。今、映像を出します」
キーボードを素早く操作し。
そしてエンターキーを押したとき
立体映像のモニター上に、ブンと映像が表示された。
そこには……
採石場のような薄暗い岩だらけの空間に。
青色水着の上にTシャツを身に着けたボブカットの女子大生……
裕子と同じ大学2年生の女子……小林が縄で縛られて転がされていた。
彼女は目覚めていて、怒りの目を向けている。
その、目の前にいる存在に。
(えっ)
それを見て裕子は息を呑む。
それは……
派手目のメイクとネイル。
そしてギャルっぽい服装をした女で。
裕子たちの通う大学を借金で退学することになった元友人……
満足げな、唇の端を吊り上げる笑みを浮かべていた……!