宇宙警察ブレイバー~地味子の女子大生が深夜の土手で行き倒れ青年を助けたら、その人が宇宙の刑事で宇宙犯罪組織との戦いに巻き込まれた~ 作:XX(旧山川海のすけ)
「また会ったなブレイバーよ」
「ブレイバーキラー……! 何のつもりだ……!?」
怒りに燃えるブレイバーにブレイバーキラーは涼しい声でこう返す。
「別に大したことはない。馬鹿な地球人を適当な嘘で
宇宙連邦法にはいよいよとなれば緊急避難要綱がある。
それを伏せて「やりたい放題」という嘘を吹き込み暮香を暴走させた。
その結果がこれなのか。
「ブレイバーキラー……いや、ムラクモツヴァイ……! キサマどこまで腐っている……!?」
「フハハハハッ! 褒め言葉として受け取っておこう!」
ブレイバーキラーはブレイバーの言葉を取り合わず。
その手の中に二振りの剣……双剣を出現させる。
そして
「さあ、今度こそ決着をつけようではないか……」
「良かろう……!」
わずかな時間しかないが、それでも戦うしかない。
ブレイバーは覚悟を決める。
だがブレイバーキラーは
突如双剣の一振りを地面に突き刺した。
なんのつもりだ!?
ブレイバーがそう問おうとしたとき。
ブレイバーキラーはその空いた手で指を鳴らした。
その瞬間
「え……?」
機械人暮香の身体が輝き出した。
己の身体を見て戸惑い、怯えを見せる暮香に
ブレイバーキラーは
「……自爆スイッチを入れた。お前の命はあと10秒」
そう、事務的な口調で言い放つ。
その言葉は
「え……?」
最初、暮香は理解できなかったらしい。
だが
「聞こえなかったのか? お前はあと10秒で自爆すると言ったんだ。……その10秒で自分の最期はどうあるべきか考えるんだな」
ブレイバーキラーがもう一度言い直したとき。
伝わったらしい。
「なんでえええええええ!?」
悲鳴、絶叫。
だがブレイバーキラーは
「もはやオマエに利用価値はない。自爆して散って貰うくらいしか無いのだよ。恨むなら無価値な自分を恨むがいい」
全く取り合わず、駆け出す。
だがその行く先はブレイバーでは無かった。
どこに行くのか……?
しかし、それが明らかになる前に
「うああああああ!」
自爆の最期を決定づけられ、追い詰められた暮香は
裕子に向けて突進していた。
その手からビーム弾を撃ちまくりながら
「アンタも死ねえええええ!!」
暮香は己の最期に道連れを求めた。
下手くそな射撃でも対象に近づけば命中率は上がる。
そこには明確な殺意が込められている。
本気で10秒以内に裕子を道連れにするつもりなのだ
(止むを得ない)
ブレイバーは決断した。
桐谷裕子は宇宙警察である彼を手助けしてくれた人物だ。
どちらを守らねばならないかは明白である。
ブレイバーは滑るように突き進む。
発狂状態の機械人暮香に向けて。
そして
「ブレイバーバースト……」
すれ違いざま
彼は袈裟で機械人暮香を両断し。
「アアアアアアア!!」
一瞬後。
悲鳴と共に機械人暮香は爆散し、光の粒子となった。
(暮香)
それを目の前で見た裕子は悲しい気持ちになる。
五味山暮香という人物は自分のことしか考えず。
他人を利用できるかそうでないかでしか見ておらず。
その結果居場所を失い破滅して。
そこまで堕ちても反省せず、筋違いの恨みを募らせ。
その結果、命まで落とした。
それを別に可哀想だとは思わない。
ただ悲しいと思った。
生きていた意味が、価値がまるでない最期を遂げた彼女が。
(タケハヤさん……私のために手を汚すなんて)
そして申し訳ない気持ちになった。
彼が暮香を斬ったのは裕子を守るため。
やりたいことであるはずがないのに。
だから彼女は
タケハヤさんありがとうございました。
そう言おうと思った。
しかし
「きゃああああ!」
そのときだった。
悲鳴が聞こえた。
その悲鳴は
(クシナダさん!?)
クシナダの声だった。
ブレイバーキラーが向かっていたのは……
クシナダの居る方向だったのだ。
彼はクシナダの反重力バイクを一刀で両断し破壊して。
彼女を片腕で捕らえ
「フハハハハハッ! ブレイバー! お前ならそっちを気にすると思っていたぞ!?」
そう言った。
暮香はこのために自爆スイッチを入れられたのだ。
ブレイバーキラーが、ブレイディ=クシナダを捕らえる時間を稼ぐために。
そして彼は
「この女は預かった! 返して欲しければ
そう言い残し。
別に開いた次元の穴に飛び込んで。
クシナダと共に姿を消したのだった。