宇宙警察ブレイバー~地味子の女子大生が深夜の土手で行き倒れ青年を助けたら、その人が宇宙の刑事で宇宙犯罪組織との戦いに巻き込まれた~   作:XX(旧山川海のすけ)

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第74話 認めたくない真実

 黒と白、漆黒と銀の戦士が激しく戦っている。

 

 打ち合わされる剣。

 

 ブレイバーは一刀、ブレイバーキラーは二刀。

 

 一刀流のブレイバーが、二刀流のブレイバーキラーに押されているように見えた。

 

「ハハハハッ! どうした!? お前はこの程度の男なのかッ!?」

 

「太刀筋が戦えば戦うほど……ムラクモそっくり……キサマ、どこでその技を……!?」

 

 激しく剣を打ち合わせながら、会話するふたりの戦士。

 ブレイバーには困惑の色があり

 

 ブレイバーキラーには

 

「修行し学んだのだよッ! 知っているはずだッ! 所謂心技体の心に属する部分は、魂に刻み付く記憶であると!」

 

 ……確実に愉悦の色があった。

 

「剣は知識だけでは身につかんッ! そのくらいお前も知っているはずだッ!」

 

 ブレイバーキラーは高笑いを続けつつ、二刀で斬り掛かる。

 

 両方の剣が急所を的確に狙うだけでなく、囮も交え、ときには蹴り技すら交える。

 戦い慣れたその戦士の姿。

 

(……本当に、この男は生まれて大して時間が経過してないクローン人間なの?)

 

 不自然に思えた。

 

 ブレイバー=タケハヤが厳しい修行を重ねて手に入れたであろう、宇宙警察の宇宙刑事としての強さに十分対抗できるほどの強さ……

 

 そんなものを、果たして遺伝子が全く同一であるという理由だけで、短期間で手に入れられるものなのだろうか……?

 

 変だと思った。

 けれども……

 

(今は口にするべきじゃない)

 

 ブレイバーキラーは強敵だ。

 雑念を持ったまま戦って勝てる相手ではない気がする。

 

(だから今はそんなことを口にして彼の邪魔をしては駄目なんだ)

 

 裕子はそう思い、ただひたすらタケハヤ=ブレイバーの勝利を祈った。

 

 

 だが。

 

 

 ブレイバーキラーはブレイバーの袈裟の斬撃を一刀で受け流し、残る一刀で切りつけ、それを避けるブレイバーとの距離を離した後。

 

 突如

 

「……ブレイバー……いや、タケハヤ……お前はまだ斬撃に袈裟が多い癖が直ってないな」

 

(えっ?)

 

 その瞬間、空間が凍った気がした。

 ブレイバーの手が止まる。

 

「この短期間で、俺の剣の癖を見抜いただと……?」

 

 ブレイバーのその声には困惑……いや、動揺があった。

 

 絶対にない。ありえないと最初から否定していた答え……

 

 

 それは

 

 

 ブレイバーキラーは

 

「そうじゃない。タケハヤ」

 

 ブレイバーキラーは二刀流で振るっていた双剣を、柄尻の部分でドッキングさせ、双極の剣にする。

 

 そして言った。

 酷く穏やかな声で。

 

 それは

 

「……俺だよタケハヤ。ムラクモだ」

 

 その言葉が出たとき。

 今度こそ、空間が完全に凍り付いた。

 

 その凍った空間の中、語る。

 

 それは

 

「ムラクモのコピー人間であるムラクモツヴァイなんてものは真っ赤な偽り……あり得るはずが無いだろう……? 胎紋認証を誤魔化す手段なんて……そんなものがあれば、宇宙の認証技術が根底からひっくり返っているよ」

 

 タケハヤとクシナダが認めたくない言葉であった。

 あり得ないと、あってはならないと

 

「なん……だって……?」

 

(そんな)

 

 タケハヤと裕子は激しいショックを受けていた。

 

(どうして)

 

 裕子はタケハヤの心中を想像し、その残酷さに胸が潰れるような気持ちになった。

 

 これは裏切りだ。

 あってはならない裏切り……!

 

 だが

 

「さあ、続きをはじめようかタケハヤ……ここからは俺も本気を出す……!」

 

 そんな2人を前にしてムラクモツヴァイ……いや、ムラクモは

 

「お前も本気で来い! でなければ死ぬぞ!?」

 

 そう言い放った。

 

 ……愉し気に。

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