地味子の女子大生が深夜の土手で行き倒れ青年を助けたら、その人が宇宙の刑事で宇宙犯罪組織との戦いに巻き込まれた   作:XX(旧山川海のすけ)

9 / 9
第2章 宇宙刑事と強制同居生活
第9話 非常に申し訳ないが


 裕子が自分の部屋に戻ってくると、あまりにもあんまりな状況であった。

 

 窓ガラスは木っ端微塵になって床に散らばっており、食卓として使っているローテーブルはひっくり返り、その上に置いていたコーヒーを入れたマグカップ2つが壁に叩きつけられたのか、割れてそれの破片も散らばっている。

 

(どうしよう)

 

 胸が暗くなる。

 

 確か、災害で部屋が壊れた場合は保険金が下りた気がする。

 

 だが、犯罪被害はどうだろう?

 

 いや、その前に

 

(これ、犯罪でカウントできるの?)

 

 そこである。

 

 犯罪で壊されたと主張するためには、警察を呼ばなければならないだろう。

 

 だがタケハヤはそれを嫌がるのでは無いだろうか?

 

「ええとタケハヤさん」

 

 これ、通報しても良いんでしょうか?

 そう言おうとした。

 

 だが

 

 タケハヤは革ジャンのポケットから、例の板を取り出す。

 スマホに似た黒い物体だ。

 

 確か宇宙警察証という名前である。

 ブレイバーに電装するためのアイテムだ。

 

 彼はそれを掲げて

 

「原状回復!」

 

 そう強めの一言。

 

 すると

 

 なんと、割れたガラスが動画の逆再生のように窓枠に嵌り、集まり。

 ひっくり返ったローテーブルが元の位置に戻り、壁に叩きつけられて割れてしまった白の無地のマグカップ2つも破片が集まって元に戻っていくではないか!

 

 そして2つのマグカップが、飲みかけの中身が入った状態でローテーブルの上に乗ったところで

 

 驚きのあまり硬直していた裕子は我に返った。

 

「こっ、これは!?」

 

 信じられないような現象。

 一体これは何なのか?

 

 聞かずにはいられなかった。

 

 タケハヤは胸ポケットに宇宙警察証を仕舞いつつ

 

「原状回復さ。任務で行った破壊をそのままにして、現地の住人に不安を与えるわけにはいかないだろう?」

 

 ……確かに。

 

 仮に、宇宙犯罪者と戦った痕跡をそのままにするなら、後でそれを発見した現地の住民が

 

 なんだこれは!?

 何かとてつもない犯罪が行われたのでは!?

 

 そう思い、不安を覚えてしまう。

 

 任務の性格上、破壊行為が避けられないのであれば、この機能は無いとまずいのではないだろうか?

 

 言ってはなんだが、心おきなく任務を遂行するために。

 

 

 理屈を聞くと、無生物限定で時間を戻し、破壊が起きる前の状態に回復させる。

 

 そういう宇宙警察証に備わった機能らしい。

 

(助かった)

 

 裕子の頭の中で

 

 保険金が下りるのか?

 保険金が無いならどうやってこの部屋を直そうか?

 もしかしたら部屋を追い出されるかもしれない。

 

 そんな不安が消えていく。

 

 ホッとする彼女。

 

 そんな安心も束の間。

 

 タケハヤは少し言いにくそうに

 

「ええと、桐谷裕子さん」

 

 彼女の名前を呼び。

 それで視線が自分に向いたのを確認したのか

 

 こう続けた。

 

「非常に申し訳ないが……これから俺の任務が終わるまで、行動を共にして欲しい」

 

(ええと……?)

 

 彼女は思った。

 

 それはつまり……どういうこと?

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。