銃弾が飛び交う学園都市?!んでもって銃の耐性なし?!・・・やってやろうじゃねえかこの野郎!!   作:オーバジン

100 / 107
良ければ見ていってください。


撤退戦

「離してください!モモイ!早くパパを助けに行かないと!!」

 

「待って!本当に待ってアリス!ちょっと、ユズも手伝って!!」

 

 ゲーム開発部部室

 

 モモイは今にも部屋を飛び出しそうなアリスを捕まえて抑えている。

 

「なんで止めるんですか!?パパがあんなにボロボロなのに!」

 

「だからって、状況もよく分からないのに一人で突っ込むのは無謀だって!」

 

 ミドリとユズははどうしているかというと、ユズはモモイと一緒にアリスを抑えているが、その手は震えている、明らかに動揺を隠しきれていない。

 

 ミドリは目を見開いて画面を見つめている、よく見ると口元が震えている。

 

 それも仕方がないだろう画面には異様な光景が写っている、崩れた瓦礫にところどころ燃えており黒煙がのろしのように上がっている。そして何より目に入るのは、中心に映っている人物だ。

 

 その人物は少年だ、身長はかなり高い、そして細身だが筋肉質な身体をしている。その少年は全身血だらけで破れた上着から覗く身体は痛々しい火傷や傷が見えている。

 

 そしてさらに右肩から先にあるはずの腕が無くなっている。しかもそこから現在進行形で血が流れており、赤い肉の筋が垂れ下がっている。

 

 誰がどう見ても命の危機に陥っている人物は、アリスの父親である新城ヒョウなのだ。

 

「まずはユウカに相談しよう、そしてエンジニア部にも掛け合って医療機器を頼んで……」

 

「どうしてモモイはそんなに落ち着いてるんですか!?パパが、いや仲間があんなことになってるんですよ!?」

 

「落ち着いてる訳ないでしょ!?」

 

「っ!?」

 

「私だって内心めちゃくちゃ焦ってるよ!ヒョウがあんな状況になってて落ち着いてられる方がおかしいって!」

 

「でも、誰かが冷静にならないと状況はもっとひどくなるだけ!アリスがヒョウの場所に行ったらアリス自身がどうなるのか分かんないんだよ!?」

 

「私はヒョウにアリスのことを任されたんだよ、だからアリスを危険な目に合わせるわけにはいかないんだよ、というか誰に頼まれてなくても部員を危険な目に合わせるわけにはいけない。」

 

「今の私たちにできることは限られてる……ならその限られた選択肢の中で最適解を選択しないといけない、あのケガだと、言いたくないけど……選択肢を間違えると最悪ヒョウが死ぬ……」

 

『!!』

 

 モモイの言葉に三人は一気に現実に引き戻されモモイの言葉を真剣に聞く。

 

「だから私たちがするのは、最適解を引きに行くこと……」

 

「学校間での問題もあるから、戦力として向かうことはできない……だから私たちができるのは技術の提供……」

 

「なるほど、パパを癒すための道具を集めることですね!」

 

「アリス正解!」

 

「だ、だからエンジンア部に掛け合うんだね……」

 

「じゃあ、何でユウカに?」

 

「いい質問だねミドリ、道具を持っててもそこに運べなきゃ意味ないでしょ?」

 

「分かった、ユウカに頼んで運ぶのを手伝って貰うんだね。」

 

「大正解!ユウカの財力なら私的にヘリコプターみたいな運搬できる乗り物を貸してくれるかもしれない。」

 

「だからユウカにもお願いしに行くよ、みんな良い?」

 

「もちろんです!パパを助けに行きましょう!」

 

「う、うん!」「ヒョウさんにはお世話になったし、今度は私たちが助ける番だね!」

 

「そうと決まったら、ミドリとユズはエンジニア部に行って!私とアリスはユウカの方に行ってくる!」

 

『了解!』

 

 そうして二組に分かれ走り出していくのだった。

 


 

「あんたら早く準備しなさい!行くわよ!」

 

「姉御、どうしたんですか!?行くってどこに?」

 

「どこってトリニティに行くのよ!」

 

「えぇ!?どうしてまたあんなところに!?」

 

「お前あの配信見てないのか?」

 

 いつもと違うラブの様子にびっくりしているジャブヘル団員の一人に別のジャブヘル団員がそう言う。

 

「ヒョウさんが大けが負ったんだよ!いいからこれ見ろ!」

 

「……えっ……」

 

「分かったら準備するぞ!」

 

「りょ、了解!任務に出てるあいつにも連絡を入れておく!」

 

 ガチャ……

 

 そうして全員が準備に入ったその時、玄関が開く。

 

「私も一緒に行かせてもらいますわ。」

 

 全員がその声を聞いた瞬間目を見開いて玄関の方に注目するのだった。

 


 

 地下、カタコンベ

 

 ギィッギィ……

 

「ひぃっ……!?」「き、木の人形!?」

 

「無作法だな、私を呼ぶのであれば、芸術への敬意も込めて「マエストロ」と呼んでほしいものだ。」

 

 そこには三人の少女と、タキシードを着た頭が二つある木の人形が居る。

 

「……」

 

「ふむ、そなたらにはまだ芸術が何かとは理解するのは難しいだろうか……それならすまないな、そなたらとの愉しい会話はできないだろう。」

 

「しかし、ロイヤルブラッドの「戒命」の血統を持つそなたとは、まだよい会話ができそうだな。」

 

「……」

 

「ふむ……会話を禁じられているか……ベアトリーチェもなかなか酷いことをするものだな。」

 

「されど、あの守護者たちの「威厳」を複製している光景を見れたのは幸運だった。いい機会をくれたものだな。」

 

「……」シュッシュッ

 

「ふむ?」

 

 三人の少女の内の一人、紫色の髪の少女は手話をしてマエストロに伝える。

 

「……『案内はこの二人がしてくれる』か……ベアトリーチェに許可は取っているのですか?」

 

(うん、連絡はもうしてる。さっちゃん達の援護に行かないといけないから。)

 

「そうか……それならば好きにするといい、そなたらの行動権を持っているのは私ではない。」

 

(ありがとう。それじゃぁ二人とも、案内お願いね。)

 

「了解しました姫。」「任せてください!」

 

 そうして紫髪の少女が地上の方へと向かおうとすると。

 

「そなた。」

 

「?」

 

 マエストロに呼び止められる。

 

「何故そのようなものを持っている?少なくともそなたのものではないだろう?」

 

(拾ったの。)

 

「……百歩譲って拾ったのは理解しよう、しかし持っておく理由を聞きたいのだが。」

 

(なんとなく。)

 

「ふむ……どうやら私には理解できない領域のようだ……少し見せてもらっても?」

 

(……うん)

 

 その少女は服の中から拾ったものを取り出す。

 

「えっ……!?」「うっ……オエェ……」

 

「……これも芸術……なのだろうか?誰かの腕を所持しておくことによって何か刺激されることがあるのだろうか?」

 

(……分かんないけど、本当になんとなくだから。)

 

「……なら、腐らないように処置はしておこう貸してもらってもよいだろうか?」

 

「……」コクリ……

 

 マエストロは少女から人の腕を貰い防腐処置を行う。

 

(ありがとう。)

 

「……早く行くといい。」

 

「……」ペコリ。

 

 そうしてその少女は腕をまた懐にしまい地上へと走り出していった。

 

「……そなたらの姫はサイコパスか何かなのか?」

 

「しっかりしろ……え?あ、そんなことは……無いはず?」

 

「なんで姫があんなものを持ってるんだ……?」

 

 残った二人のアリウス兵たちもあまり理解できていないようだ。

 

「……どういう教育をしたらああなるのだ?なぁ……ベアトリーチェ……。」

 

 マエストロは心の底から理解ができないという感情を込めた声色でそういうのだった。

 


 

「何なの?このスタイルの良くて、エッグイ角度のレオタードを着た幽霊さんは!?」

 

 先生は戦場にも関わらずそんなことを言う。

 

「こ、これはユスティナ聖徒会……数百年前に消えたはずの「戒律の守護者たち」です……何故ここに?」

 

「ふむ、噂には聞いていたが……文献ではなく実際に見てみると、なかなかにおどろおどろしいな……先生の発言と被るが何故レオタードなのだ?それもエッグイ角度の……」

 

 ヒナタの説明にマコトが答える。

 

「今はレオタードの角度などと、どうでもいいことを言っている場合じゃないでしょう!?」

 

 その見当違いな答えにハスミはキレる。

 

「はぁ、はぁ……」

 

「まずいですね……ツルギの体力も限界が近くなってきました……かく言う私も……だいぶ……」

 

 ユスティナ聖徒会は今でも増え続づけている。

 

「追いついた……どうやら複製もできたみたいだね。」

 

「クソッ!追いつかれたか、どうにか先生だけでも逃がしたいところだが……如何せんこの無限湧き……死にゲーでもここまで理不尽じゃないぞ……うん?」

 

 ドドドドドドドドドッ!!

 

「ッ!?」

 

 マコトがそう言うと大量の銃弾がアリウスとユスティナ聖徒会に降り注ぐ。

 

「こっち!」

 

「ゲヘナの風紀委員長!?」「ヒナチャン!」

 

「マコト先輩!!」

 

「イブキ!無事だった、グエェ!?」

 

 弾が飛んできた方を見ると、ボロボロのヒナがデストロイヤーを構えてそこにいた、そしてヒナのモフモフの髪の中からイブキが顔を出し、マコトの方へ走って抱き着く。

 

 イブキの勢いにマコトは変な声を出す。

 

「正義実現委員会!先生をこっちに!今は時間がない!」

 

「……分かりました!私たちと、ゲヘナの生徒会長で敵を食い止めます!」

 

「デカ女貴様!しれっとこのマコト様を巻き込んだな!?……しかし背に腹は代えられん……」

 

「皆はどうすの!?」

 

「明確な司令塔がいない今、先生まで倒れてしまったら本当に収拾がつかなくなります……先生の無事を祈ります。」

 

「先生、急いで!」

 

「早くしろ、先生!」

 

「……ごめん皆、頼んだよ!」

 

 先生はヒナの元へ走り出す。

 

「ほらイブキ、しっかりとヒナについていくんだぞ。」

 

「で、でも……」

 

「この天下のマコト様がこんなところでくたばる訳ないだろう?絶対に帰ってくる。」

 

「……約束……だよ?」

 

「キキキッ!イブキの約束を破るわけないだろう!分かったなら早く行くんだ!」

 

「うん!」

 

 イブキもヒナの方へと走っていく。

 

「おい、ヒナァ!!イブキも連れていけ!……これ以上イブキを傷つけるなよ!」

 

 マコトはヒナの目をまっすぐ見る。

 

「任せたぞ、風紀委員長!!」

 

「マコト……!分かったわ、生徒会長!」

 

 マコトのその言葉にヒナは決意をさらに固め返事をしイブキと先生を連れて走っていった。

 


 

 ヒナたちは退路を切り開きながら進んでいる、しかし、

 

 ダァン!

 

「クッ!?」

 

 スナイパーライフルの弾が先頭を走るヒナに命中する。

 

「ヒナちゃん!?」「ヒナ先輩!?」

 

「えへへ……またお会いしましたね、ヒナさん。」

 

「それ以上は行かせないよ。」

 

「……」

 

「後は貴様だけだ、シャーレの先生。」

 

 弾が来た方を見ると、四人の少女がいた。

 

「……君たちが、アリウススクワッドなの?」

 

「……そうだ、アズサがずいぶんと世話になったようだな。」

 

「我々はトリニティに代わって、この「通功の古聖堂」で条約に調印した。」

 

「……どういう意味?」

 

「私たちアリウススクワッドが、エデン条約機構になったという訳だ。これは元々私たちの義務だからな。鎮圧対象はすでにアリウスでは無い、ゲヘナとトリニティがエデン条約に反する紛争要素であり、排除すべき鎮圧対象だ。」

 

「簡単に言おう、ゲヘナとトリニティをこのキヴォトスから消し去る……この戒律の守護者と共にな。」

 

「その前に貴様らを処理しておこう、風紀委員長、万魔殿議員、そしてシャーレの先生。」

 

「はぁ、はぁ……はぁ……」

 

 ヒナは先ほどのスナイパーライフルの弾の衝撃で倒れて動けないでいる。

 

「さすがの風紀委員長も直撃はさすがにだったか、あっちは後からでも大丈夫だろう。」

 

 ガチャ!

 

 帽子をかぶった少女が銃口を先生に向け、引き金に手を掛ける。

 

「だ、ダメ!!」

 

 しかしその間にイブキが割って入ってくる。

 

「イブキ……!」「イブキちゃん!?」

 

「今動けるのはイブキだけだから……先生を守る!!」

 

 そう言い切るイブキだが、足はガタガタと震えている。

 

「……いいだろう、どうせ貴様も排除対象だ。」

 

 パァン!!

 

 無慈悲にも構えられたアサルトライフルから銃弾が発射される。

 

「イブキィィィ!!」「イブキちゃん!!」

 

「ッ!!」

 

 イブキは思わず目を閉じて衝撃に備えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 キィン!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 放たれた銃弾はイブキに直撃することなく空中で弾道を真っ二つに分けて外れた。

 

「……?」

 

 イブキは衝撃が来なかったことに疑問を覚え恐る恐る目を開ける、そこには……

 

「お、お兄……ちゃん?」

 

 血だらけで、青いフードを被り機械的な刀を左手で振りかぶったまま固まっている片腕だけの少年がそこにいた。

 

「全く、手間を掛けさせてくれますね……」

 

「命令だけに従って動く青白い亡霊などという、生きてすらいない不完全な存在で私を排除しようなどと、考えが甘いですね。」

 

 しかし発せられた言葉の声色は少年の物ではなく、機械的な女性の声だった。




良ければ感想とか書いていってください。
さらに曇らせは加速する!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。