銃弾が飛び交う学園都市?!んでもって銃の耐性なし?!・・・やってやろうじゃねえかこの野郎!!   作:オーバジン

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何か、今回長くね?
はい、シャーレ奪還編です。皆様どうぞご覧ください。


シャーレ奪還と先生の実力

 車に揺られながら数十分、次第に爆発音や銃声が大きくなってくる。建物だったはずの瓦礫も散らばっている。

 

「もう少しで到着します。皆さんの戦闘準備をお願いします。」

 

 七神リンがそう告げる。

 

「そろそろか。」

 

「そうですね、言われた通り準備をしましょう。」

 

 周りを見てみる。

 

「……なんで私がこんな目に……私、これでもうちの学校では生徒会に所属しててそれなりの扱いなんだけど!」

 

 不満を漏らしているユウカの方を見てみる、武装はサブマシンガンの2丁持ち、ミレニアムが開発した電磁シールド。シールドということは前線タンクだろう。あの太い太腿を見た時なんとなく察していた。

 

「面倒くさいですが仕方ないですね。帰りにパフェでも食べて帰りましょう。運動するから大丈夫なはず!……」

 

 何やら悩んでるハスミの武装はスナイパーライフル。俺が来た時から持っていたから分かってはいた。

 

「私はあまり戦闘は得意ではないのですが……」

 

 チナツの方を見てみる。武装はハンドガンだ。薬品の匂いがしたから後方援護が得意なのだろう。負傷したときは頼ってみよう。

 

「皆さんの武装の確認ですか?」

 

 そして隣に座っている、スズミ。武装はアサルトライフル。彼女と共闘する時には的確な援護射撃をしてくれる。

 

「あぁ、こう見ると前線を担えるのがユウカだけだな。しかもタンクだから攻撃が足りない。俺が前線アタッカーをするしかないだろうな。」

 

 そういうと、車が止まる。

 

「皆さんの着きました。」

 

 全員が車を下りる。

 

「うわぁ…ひどいねこれは……」

 

 先生がそう呟く。まぁそれもそうだ、あちこちで爆発音が響き焦げ臭いにおいが漂っている。しかも爆発音に混じり、怒号や悲鳴も聞こえる。簡単に言えば地獄絵図だ。日本に住んでいた俺や、銃が禁止されているキヴォトスの外から来た先生にとってはそれ以外の言葉が見つからない。思っていたよりもひどい状況だ。ブラックマーケットよりもひどい状況に少し引いている。

 

 だが先生、あんただいぶ肝が据わっているな。俺は戦闘に慣れているから少し引くぐらいだが。先生は今日キヴォトスに来たばっかりなのに、この状況を静かに眺めている。……メンタルどないなってんねん。

 

 そんなことを考えていると、不良の一人がこちらに気づいた。

 

「あの服装、連邦生徒会の奴らだ!!いいカモがやってきたぞ!とっととやっちまおうぜ!」

 

 俺たちを見つけた不良がそう声を上げる、すると、周りの奴らもこちらに気付く。

 

「「ヒャッハー!撃て撃てぇ!」」

 

 こちらに発砲してきた。

 

「痛い痛い!痛いってば!あいつら、違法JHP弾を使ってるじゃないの!」

 

「伏せてくださいユウカ。それにホローポイント弾は違法指定されていません。」

 

「うちの学校ではこれから違法になるの!傷跡が残るでしょ!」

 

 俺は先生を取り敢えず遮蔽に連れて来た。先生は銃弾受けると死んじまう可能性があるからな。前方では被弾したユウカとハスミが会話を繰り広げている。

 

「……JHP弾ってマジかよ。食らったら大ごとだな。」

 

 そう、俺はつぶやく。JHP弾というのは当たった瞬間に砕け散る肉体を破損させるのに特化した銃弾だ。それを食らって「跡が残る」で済むキヴォトス人はやっぱり俺とは身体の作りが違うのだと改めて認識させられる。

 

「今は先生が一緒なので、その点に気をつけましょう。先生を守ることが最優先。あの建物の奪還はその次です。」

 

「ハスミさんの言うとおりです。先生はキヴォトスではない所から来た方ですので……私たちとは違って弾丸1つでも命の危機にさらされる可能性があります。その点ご注意を。」

 

 スズミとチナツはそういうと先生の方へ視線を向けその次に俺を見る。

 

「分かってる。」

 

「そうだといいのですが。」

 

「全くですね。」

 

 そう答えるとスズミとチナツはあきれた視線を向ける。……今から前線へ出ようとしていたから否定はできない。

 

「分かってるわ。先生、先生は戦場には出ないで下さい!私たちが戦ってる間はこの安全な場所に居てくださいね!」

 

 ユウカがそういうと

 

「私が指揮を執るよ、任せて。」

 

 先生がそう言った。

 

 マジで言ってんのか?今さっきユウカが戦場に出るなと言ったはずだが?気でも狂ったか?

 

 先生の目を見る。……覚悟決まってんなあの目。……任せてみるか。

 

「戦術指揮をされるんですか!?まぁ先生ですが……」

 

「分かりました。これより先生の指揮に従います。」

 

「生徒が先生の言葉に従うのは自然なこと、ですね。よろしくお願いします。」

 

「指示に従おう」

 

「うん、みんなよろしくね。」 

 

 先生の覚悟の決まった眼を見て一旦指示に従う意思表示をする。

 

 皆はそれぞれの銃器のマガジンやチャンバーのチェックを始める。

 

「陣形の指示はありますか?先生。」

 

「うん、まず皆の武器を教えてくれるかな?」

 

 そういうと、みんなは自分の武装を言っていく。

 

「ヒョウ君の武器は?」

 

 最後の俺に先生は聞いてくる。

 

「どの武装でも扱えるが、得意なのは前線だ」

 

 そう言うと先生は考える。

 

「……よし、じゃあユウカちゃんは前に出て前衛。その少し後ろからスズミちゃんでその更に後ろからハスミちゃんで行こう。チナツちゃんは負傷した生徒の回復と援護を、ヒョウ君は私の護衛を頼める?」

 

 先生から陣形の指示が出る。

 

「ちょっと待ってくれ。」

 

 俺は先生に待ったを掛ける。

 

「この陣形だとユウカ一人が前線で負荷が大きいんじゃないか?俺も前線に出すべきだろう。」

 

「でも、ヒョウ君はヘイローが……」

 

「大丈夫ですよ先生、俺は戦い慣れていますから。今までブラックマーケットっていう危険な場所で伊達に生きてきたんだ。今更あんなヒヨッコどもに後を取るとお思いで?」

 

「でも……」

 

「このままだと効率が悪いでしょう?それにあまり時間をかけてられないはずです。ここは俺を信じてください。」

 

 そう先生の目をまっすぐ見ながら訴えかける。

 

「先生、こうなったヒョウは何言っても聞きませんよ。信じてあげてください。ヒョウと親しい私が保証します。」

 

 まだ悩んでいる先生にスズミがそう言う。

 

「……分かった。ヒョウ君を信じるよ。前線をお願いできる?」

 

「あぁ、任せろ。」

 

 俺は力強く答え共に前線を担うユウカのところへ行く。

 

「スズミちゃん、いいの?」

 

 ユウカの元へ向かうヒョウを見て先生はスズミに言う。

 

「先ほども言いましたが、ヒョウは自分の意思を曲げません。どうせこのまま前線に出さなくても、勝手に前線に出ていきますから。」

 

「スズミちゃんはヒョウ君の事を良く分かっているんだね。」

 

「まぁ、長い付き合いですからね。それに……」

 

「それに?」

 

「もし、ヒョウに何かあったらその時は…フフフ…♡」(サクラコ風暗黒微笑 目のハイライトオフ)

 

「ス、スズミちゃん?」

 

「どうかされましたか?先生。」

 

「な、なんでもないよ…」

 

(顔は笑ってるのに目が笑ってないよぉ…)

 


 

(なんか、わちゃわちゃしてんな?)

 

 先生とスズミがわちゃわちゃしてるのを横目に準備をしているユウカの元へ行く。

 

「今回は、よろしくユウカ。」

 

「い、いきなり呼び捨てなのね。」

 

「すまんな、癖で。」

 

「こちらこそよろしくお願いします、ヒョウさん」

 

「あぁ、手早くかたずけよう。」

 

 そうして俺は何もないところから武器を出す。

 

「どこから武器が!?しかもなんですか?その武器?」

 

 ユウカは俺が出した武器に疑問を持つ

 

「?あぁ、そうでしたね、こいつは俺が作った武器だ。」

 

 今回俺が出した武器は、マスティフとヘムロック。マスティフは弾を水平に撃ち出すショットガン。ヘムロックは近距離も戦える三点バーストのアサルトライフル。

 

「あなたが作ったの?本当に貴方何者?ヴェリタスが解析できなかったあの手紙も解析してしまうし。」

 

「俺はただの何でも屋をやってる普通の男子高校生ですよ。」

 

 そう雑談をしていると

 

「みんな!準備はいい?」

 

 先生から無線が入る。

 

「OKだ」

 

「こちらは大丈夫です」

 

 俺とユウカが答える。

 

 他のみんなも準備ができたようだ。

 

「それじゃあ総員前進!」

 

 先生の号令で全員が動き出す。

 

 俺とユウカは最前線に出て遮蔽に身を隠しクリアリングをしながら少しずつ進んでいく。俺たちの後ろからは後衛部隊がついてくる。

 

「そろそろ接敵するよ。警戒してね。」

 

 今一度気を引き締める。今から戦場に行くと自分の体に言い聞かせる。

 

 すると、不良どもが見えてくる。

 

「おうおうおうおう!連邦生徒会の方々よぉ!遅かったじゃないか!」

 

「お偉いさん方は見て見ぬふりですかい!?いい御身分ですねぇ!!」

 

「そのおかげで私達は暴れられて、あんたらにストレスを与えられるからなぁ!楽しいったらありゃしない!」

 

「ワタシ、アイツラ、ツブス!」

 

 不良どもはこちらにそう言い、建物を破壊しながらこちらに迫ってくる。

 

「派手にやってくれるわね……ヒョウさん準備はいい?」

 

「大丈夫だ。それと今から呼び捨てでも構わないぞ。見た感じ同い年ぐらいな感じだしな。」

 

「そう?ならそうさせてもらおうかしら。」

 

 そう言って顔を見合わせる。そしてヘムロックを背中にかけて、マスティフを持ち構える。

 

「皆行くよ!戦闘開始!!」

 

 そうして先生の号令で戦いの火蓋が落とされる。

 

 

「かかってこい!キアカハ!!」

 

 そう叫び俺は、接近してマスティフの引き金を引く。その瞬間、銃口から水平に発射されたマスティフの弾が、至近距離まで詰めていた不良の胴体に全弾クリーンヒットし、不良の体が真っ二つになる…

 

「うぎゃぁぁ!いっっってぇ!」

 

 …ことはなかった。

 

 さすがはキヴォトス、こんな至近距離でショットガンの銃弾を食らったのに「痛い」で済むのだから。もう慣れたな。

 

 しかし俺は忘れてはいけない。俺はキヴォトス人でない事を。忘れるつもりはないが。

 

「野郎!お前らぁ!撃て撃てぇ!!」

 

 銃口が一斉にこちらに向き、弾が撃ち出される。

 

 ユウカは遮蔽でサブマシンガンのリロードをしているため俺にヘイトが向く。

 

 「避けてください!」

 

 後ろから焦ったハスミの声が聞こえる。

 

「よっと!危ないねぇ。」

 

「な、なんだ?!今の動き!?」

 

 俺は前方にジャンプをしたとおもえば急に移動の方角を斜め後ろに変えユウカのいる遮蔽に水平に行きよい良く飛び込む。

 

「え?!あんたさっきまでそこにいたはずじゃぁ?!」

 

「ブリンクだ。空中で決めた方向に飛び出すことが出来る。」

 

 これは、あのゲームで一時期猛威を振るったキャラのパッシブだ。全部隊にいたからなあの裏切りクソ機械。でも、この世界でもブリンクは通用するようだ。確かに空中ってのは本来無防備のはずだからな。

 

「何でもありね。」

 

 ユウカがそう言う

 

「そうでもないと死ぬからな。」

 

「そう…」

 

 

「スズミちゃん!閃光弾を!」

 

「分かりました!これは痛いですよ!」

 

 すると、インカムから先生とスズミの声が聞こえたと同時に。俺の真上を見慣れた閃光弾が通り過ぎる。

 

 それは、不良たちの所で炸裂して、視界と聴力を奪う。

 

「ユウカちゃんは電磁シールドを展開して前へ!ヒョウ君は制圧を!」

 

「分かりました!」 「了解!」

 

「ハスミは2人のカバーを!」

 

「承知しました。」

 

 先生の指示が飛んでくる。

 

 俺とユウカは閃光弾を食らって身動きの取れない不良どもに銃弾を浴びせる。ユウカはサブマシンガンを、俺はヘムロックに持ち替えワンタップで三人を打ち抜く。そしてハスミとスズミは閃光弾を受けなかった不良を俺たちに近づけないように射撃をし無力化していく。

 

 そこから俺たちは戦線を上げていく。

 

 前線では俺のブリンクの不規則な移動とマスティフでの敵の防御の突破。その開けたところからユウカのサブマシンガンの制圧射撃。後ろからはスズミの閃光弾が適切なタイミングで飛んできて不良どもの視界と聴力の妨害。そして俺とユウカの死角になっている敵への狙撃による無力化。俺が前線に出てよかったユウカだけじゃ敵の防御を崩すのに今より時間がかかっていただろうから。

 

「クソッ!奴らをこれ以上先に行かせるな!」

 

「面倒くさいな。」

 

「そうね、無駄に数が多いわ。」

 

 しかし、如何せん数が多い。ここまで多いと首謀者が居るのだろう。一体どんだけ集めたんだ?首謀者の目的は何なんだ?

 

(しっかし、かなり戦いやすいな。)

 

 全員の実力が高いのもあるのだろうが、やはり先生の指揮が一番大きいだろう。急遽集まったメンバーの武装を見ただけで最適な配置を出し、それぞれのポジションのの強みを発揮させながら、連携を取らせる、……いやはや恐れ入った。正直舐めていた。本当にキヴォトスの外から来たのだろうか?そんな疑問を持ってしまいそうになる。完全に個人完結の能力であるブリンクを連携に組み込んですらいるのだ、そりゃぁ疑いたくもなる。

 

「なんだか戦闘がいつもよりやりやすい気がします……」

 

「……やっぱりそうよね?」

 

「先生の指揮のおかげで普段よりずっと戦いやすいですね。」

 

 どうやら他の皆も感じているようだ。別々の学園、別々の所属、バラバラの学年にも関わらずここまでの連携を生み出せる。元軍人か特殊部隊の人間なのか?

 

 ざっと見る限り不良どもの武装はサブマシンガンやアサルトライフル、ガトリングガンの近、中距離の奴らばかりだ。スナイパーライフルなどの遠距離の武装をしたやつらが居ないのは気がかりだが、大丈夫だろう。

 

「皆さん、戦闘をしながらでいいので聞いてください。今この騒ぎを起こした生徒の正体が判明しました。」

 

 マスティフで不良を伸しているとインカムから七神リンの声が聞こえてくる。

 

ワカモ。百鬼夜行連合学院で停学になった後、矯正局を脱獄した生徒です。似たような前例がいくつもある危険な人物なので気をつけて下さい。」

 

「噓でしょう!?」

 

「まさか七囚人が?!」

 

 先生と俺以外が動揺を顕にする。

 

「ユウカ、ワカモって誰なんだ?」

 

「えっ?!知らないの?!」

 

 驚かれた。えっ?知らないとおかしいのか?

 

「ワカモ、そいつは…」

 

 ユウカが説明しようとした瞬間。

 

『銃を向けられてるわ!!気を付けて!!』

 

「!」

 

「きゃっ!?」

 

 虚空からの声が聞こえ来た。俺はユウカを抱き寄せガンシールドを展開する。

 

「…グッ?!」

 

 するとガンシールドが銃弾を弾く。腕に強い衝撃が加わり手が痺れ声を漏らす。

 

「ヒョウ君!大丈夫?!」

 

「あぁ、大丈夫だ、先生。」

 

「あわっ///あわわわっ///」

 

「どうした?ユウカ?」

 

 俺の腕の中で顔を真っ赤にして挙動不審になっているユウカを見て声を掛ける。

 

「な、ななな、なんでもないです!///」

 

「そうか、それならいいんだが。」

 

「…ヒョウ、いい加減離したらどうですか。」

 

 何故か冷たいスズミの声が聞こえスズミの方を見る。

 

 …笑っていた。笑っているけど。目が、目が怖いよ。何でそんな怖い目を向けるんだ。

 

 スズミに言われたのでユウカを離す。

 

「あ///…ありがとう///」

 

「おう、あんたのきれいな身体に傷を付ける訳にはいかなかったからな。」

 

「き、綺麗な?!…~~~///」

 

「…」

 

 あの…スズミ?だからその絶対零度の視線はやめてくれ。恐ぇから。

 

 すると、

 

「フフ……連邦生徒会の子犬たちが現れましたか。お可愛らしいこと。」

 

 銃のボルトアクションの排莢をしながら爆発跡の煙から、女が姿を表す。

 

 短めの和服に身を包み、先端に銃剣を付けた歩兵銃を構える、お面を付けたキツネ耳の女がいた。

 

「狐坂ワカモ!?」

 

「噂をすれば…ってやつか。」

 

「騒動の中心人物を発見!対処します!」

 

 すると、ハスミがスナイパーライフルを発砲する。狐坂ワカモは、建物の陰に入り銃弾を躱し、また顔を出して銃を向ける。

 

「ハスミちゃん!避けて!」

 

(あの威力の弾は流石にまずいな。貴重な後衛援護をもっていかせるかっ!)

 

 ボルトアクションを操作して排莢をしている隙を突かれたハスミは反応に遅れてしまう。

 

 俺はブリンクで狐坂ワカモの歩兵銃の射線に入り、ガンシールドで弾く。

 

「大丈夫か?」

 

「はい、助かりました。ありがとうございます。」

 

 そう言ってハスミは頭を下げる。

 

「大丈夫そうならよかった。後衛援護を持ってかれたらきつくなるからな」

 

「ありがとうヒョウ君、動揺して判断が遅れちゃったよ。」

 

「気にするな、それよりも目の前の問題を気にした方が良い。」

 

 そうして俺はただならぬ気配を醸し出す女に視線を向ける。

 

「皆さん!相手はあの狐坂ワカモです!くれぐれも気を付けてください!」

 

 インカムからチナツの焦った声が聞こえる。

 

「あぁもう……何で私がこんな目に……もうヤケクソだわ!ここまで来たらとことんやってやろうじゃないの!」

 

「狐坂ワカモを捕まえてもう一度矯正局に送らないといけません。気を引き締めましょう。」

 

 スズミとユウカが銃を構える。

 

「次は油断しません……!」

 

「面倒くさいのが増えたな。」

 

 そう呟くと。

 

「んだとぉ?!生意気な!」

 

「あいつからやるぞ!!」

 

 挑発したつもりはないのだが何故かこっちにヘイトが向く。

 

 俺はブリンクで弾を避けながらヘムロックを撃つ。

 

「ヒョウ君がいまヘイトを買ってくれているから攻めるなら今だよ」

 

 先生の指示に皆が不良どもを蹴散らしていく。

 

 閃光弾が前方で炸裂して、ユウカが電磁シールドを展開し不良どもを制圧していく。ハスミは狐坂ワカモの牽制をしながらユウカの撃ち漏らしを無力化していく。俺は相変わらずブリンクでの不規則な動きで弾除けとヘイトを稼ぎながら隙を見てマスティフかヘムロックを打ち込む。

 

しかし先ほどまでとは違い狐坂ワカモの狙撃に気を配らなくてはならなくなった。ほかの皆は先生の指示で避けることができるが。俺は最前線で常に動き回っているため先生の指示が来ても咄嗟には避けられない。だから虚空からの声に頼って狙撃を回避している。

 

 幸いにも狐坂ワカモのの使用する武装はボルトアクション式の歩兵銃だ。一発撃つと排莢が必要なため狙撃のタイミングは分かりやすい。

 

 少しずつだが前線が上がってきている。俺だけではなく他の皆も頑張っている証拠だ。

 

「閃光弾行きます!」

 

「怒りも悲しみも全部因数分解してやるわ!」

 

「集中して……」

 

「大丈夫ですか!」

 

「くたばりな、この雑魚」

 

 そう言って目の前に迫った不良にマスティフをぶっ放す。俺たちの圧に押されて不良どもが押されていく。

 

「もうシャーレの部室は目の前よ!」

 

 ユウカの声で全員の士気が上がる。

 

 後は建物を制圧するだけだ。

 

「撃てぇ!これ以上奴らを近づけるな!」

 

「邪魔だ。すっこんでろ。」

 

 叫んでいた不良にヘムロックの三点バーストを叩き込む。

 

「…そろそろ、潮時ですかね。後はあなたたちに任せますよ。」

 

 そういうと狐坂ワカモは逃走する準備をする。

 

「逃げられてるじゃない!追うわよ!」

 

「いいえ、生半可な行動をしてはなりません。私たちの目的はあくまでシャーレの奪還。このままシャーレのビルまで前進すべきです。」

 

「その通りだ。ここは見逃してでも目的を達成するべきだ。」

 

「そうですね、罠かもしれませんし。」

 

「はい。建物の奪還を優先で、このまま前進するとしましょう。」

 

「……まぁいいわ。あいつを追うのは私たちの役目じゃないってことね。」

 

これ以上時間を掛ける訳にもいかないしな。

 

「とは言え、逃がしても良いんですか?あいつを野放しにするとまたテロ行為されるかもしれませんよ?」

 

「悔しいですが、今はハスミさんの言う通りシャーレの奪還が最優先事項です。このまま進みましょう。」

 

 インカムから七神リンの指示が入る。

 

 俺とユウカを前線に、そのまま建物の入り口まで前線を上げていく。

 

「よし!建物の入り口まで到着!」

 

「あとは残った不良を倒して建物を制圧すれば……」

 

「みんな!最後まで油断せずに行こう!」

 

 先生がそう言った瞬間、突然周囲が大きく揺れ始める。

 

「な、何なのこれ!?」

 

「この音もしかして…?!」

 

ドガァアアン!!

 

 困惑しているとそれは瓦礫を乗り越えて姿を現す。

 

 黄土色の車体に、キャタピラと主砲を備えた鉄でできた車。

 

「せ、戦車ぁ?!」

 

 ユウカが叫ぶ。

 

 これは、流石に予想外だ。

 

「気を付けてください、巡航戦車です!」

 

 ハスミが苦い顔をする。不良が持っているということは今のご時世そんなホイホイ戦車が手に入るものなのか?!

 

「不法に流通されたものに違いないわ!PMCに流れたのを不良達が買い入れたのかも!」

 

「あり得ない話じゃないな。あの鉄くずどもはこういうことをする」

 

「なるほど?つまり……」

 

「ガラクタってことだから、壊しても構いません!みんな、行くわよ!」

 

「了解」

 

 そうして戦車との戦闘が始まる。…まさか生きてるうちに戦車と生身で戦うことになるとは思わなかったな。

 

 戦車の主砲が音を立ててこちらに向く。

 

 …やるしかないか。

 

「みんな、後ろに下がってくれ。このでか物は俺一人で十分だ。」

 

 みんなの前に一歩踏み出す。

 

「サルボのウォーロードの力を見せてやろうじゃないか」

 

 そう言って俺はニヤリと笑う。




どうやらヒョウ君には何か秘策があるようですね。楽しみだね。
良ければ感想とか書いていってください。泣いて喜びますので。(強欲の壺)

ブラックマーケットでの日常回も欲しい?もしほしいならどの学園の後が良い?

  • 欲しい!ミレニアムの後
  • 欲しい!百鬼夜行の後!
  • 欲しい!トリニティの後!
  • 欲しい!ゲヘナの後!
  • 欲しい!ワイルドハントの後!
  • 欲しい!山海経の後!
  • 欲しい!その他の学園の後!
  • 要 ら な い ☆
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