銃弾が飛び交う学園都市?!んでもって銃の耐性なし?!・・・やってやろうじゃねえかこの野郎!! 作:オーバジン
「あちゃー、大変だ、これはちょっと大変だね。」
突然のシスターフッドの介入によりこちらが優勢となる。ミカも先ほどまでの余裕の顔色から少し焦ったような顔色になる。
「ようやく旗色が変わりましたね?」
「ハナコもサクラコ達に救援を頼んでたのか?」「えぇ、そうですね。」
そこの打ち合わせはしていなかったのだがいい方向に転んでくれたようだ。
「うーん……まぁどうせホストになれば大聖堂を掃除しようと思ってたし……うん、一気にやっちゃおう!」
ミカは銃を構える。
「それじゃ、始めよっか?このまま「降参しまーす!」なんてわけには行けないでしょ?」
「ヒョウ君はどうしてか分からないけど、全部知ってるみたいだし……」
「知ってるなら分かるでしょ?もう私は行くところまで行くしかないんだから。」
ミカは濁った眼でこちらを見つめてくる。
「そうか……分かった……ドームシールド*1展開。」
ヒョウはナギサを寝かせドームシールドを置き、ナギサの安全を確保する。
「まぁなんだ、ここまで計画を狂わせちまったし、俺に勝ったらいいこと教えてやるよ。という訳でタイマンはどうだ?」
「……へぇー?良いよ、その提案乗ってあげる。私こう見えて結構強いよ?」
「あぁ、知ってる。」「ふーん……」
「じゃぁ、先生とサクラコ達は周りのアリウス兵たちを頼むぞ。」
「えっ……ヒョウ君本気で言ってるんですか?」
ハナコが正気を疑う目で見てくる、まぁそれもそうだろう、セイアから聞く話によると素手で壁を破壊できるらしいからな。
「まぁ、安心しな、負けるつもりは毛頭ない。じゃ、よろしくな。」
そう言って俺は前に出る。
「こっちから言っておいて待たせて悪かったな。」
「別にいいよー?ヘイローを持たない君がどのぐらい耐えられるのか考えてただけだから。」
ミカも前へと出る。
「そりゃ物騒だな。」チャキ 「キヴォトスだからね。」カチャ
お互いが武器を取り出す。
「そんなピストルでいいの?」「あぁ、問題ない。」
ミカはSMGを取り出す、ヒョウは小さなピストル、P2020を取り出す。
「あんたみたいなお姫様みたいな人にゴツイ銃を向けるのは性に合わなくてな。」
「ふーん?ならあなたの言うお姫様みたいな人と対立してるのはどうしてかな?」
「そりゃぁ、踏み外した道から、拾い上げてやらないといけないだろ?」
「そう……私みたいな人間でも?」
「俺に生き方の手本を見せてくれた人がいてね。その人の受け売りになっちまうが……」
「差し伸べる手が、相手を選んじゃだめだろう?」
「…優しいね……ヒョウ君は。」
「俺は優しくなんてないさ。」
「なら、そう言うことにしておこうかな……始めよっか?」
「あぁ。」
そうしてミカとヒョウは同時に踏み込み音を立てて走り出した。それを皮切りに先生たちと、アリウスの少女たちも動き始め戦闘が始まるのだった。
ドゴンッ!
一番最初になった音は戦闘の中心から聞こえてきた。
「ッ!……情報通り、すごい力だな。」
「ね?言ったでしょ、私は強いよって。」
ミカの拳をヒョウが受け止める。
「でもすごいね!私のパンチを受け止めるなんて初めての人だよ?その体のどこにそんなに筋肉が詰め込まれてるの?」
「それは俺も少し不思議に思ってる、体質なもんで。」
なんと初撃は二人は銃を使わずに肉弾戦を選ぶのだった。
「ふーん、不思議だね、じゃぁもっと行くよ?えいっ!」
ビュン!ビュン!ゴォッ!
「おっと、さすがに離れさせてもらうぞ。」
ミカが連撃を繰り出してくる。ミカが拳を振るう度、足を振る度に空気を切り裂くような音と風圧がヒョウの至近距離を通り抜けていく。それに対応するようにヒョウは距離を取る。
パパパパッ!
ヒョウは距離を取り、P2020で射撃を行う。
「威嚇射撃かな?当たってないよ?」「良いんだよそれで。」
「すぐに終わらせるつもりだから。」「へぇ?結構自信ありな感じ?」
「あぁ。」「それは楽しみだね!」
タタタタタッ!
ミカがSMGを発砲する。
「プロテクター*2!」
「さっきのもそうだけど不思議なシールドだ、ねッ!」
バリンッ!!
「マジか!?」「今のも避けちゃうの?」
プロテクトシールドを展開し放たれた銃弾を防ぐも直後にミカが突っ込んできてそのままシールドを上半分を破壊する、しかしその拳をギリギリ避ける。
「マイクロドローン*3……フォーカスオブアテンション*4!」
「なにその小さいドローン……ってうわわわ!?」
ミカの周りに小さなドローンが集まり、それが光と共に金色の結晶のようなものを放出してミカの身体に纏わりつく。
「うわっ!?まぶしいっ……なにこれ?動きにくいー……」
パンッ!パァンッ!ベチャ……
「うわっ、何この黒いの!?うーん!取れないー!!」グググッ……
ミカの動きが遅くなった瞬間P2020を発砲しミカの銃に当て、手から落とさせる。そしてミカの腕と足に黒い液体がへばりつき両腕を後ろに回し固まり、ミカが力を入れて取ろうとするもびくとも動かない。
「魔法だよ……と言いたいところだがそいつは磁性流体、磁力によって操れる液体金属だ。」
「こんなこともできるんだね……本当に魔法みたいだね……」
ミカはヒョウを見つめる、ヒョウの周りには先ほどミカの動きを鈍くした小さなドローンが飛んでいて、そしてヒョウの足元にはミカを拘束している磁性流体が脈打つように動いている。
「……なんで攻撃してこなかったの?」
ミカの身体は傷一つ付いていない、戦闘していたにも関わらず。
「わざと射撃も外してくるし、いくらでも隙はあったはずだよ?」
「さっきも言った通り、俺はお姫様みたいな人に銃を向けるのは性に合わないんだ。それに……」
「手を差し伸べる相手を傷つけるのは矛盾してるだろ?」
「……それも……そうだね……。」
周囲ではいまだに戦闘が行われているがヒョウは拘束しているミカの元を離れない。
「行かなくていいの?」
「先生がいるし大丈夫だ、それに何かと言ってあいつらは強い。」
「信頼してるんだね……。」
「まぁな。」
「ねぇヒョウ君……私は……どこで間違えて……何を見誤ったのかな……」
ミカが俯き消え入りそうな声でそうヒョウに問いかける。
「どこからズレちゃったんだろうね……どうして負けちゃったんだろうね……」
「……さぁな……俺は詳しいことは知らない、ミカがどんな計画を立てていたかも、どんな計算をしていたかも。」
「……そうだった……一番大きい変数を忘れたよ……シャーレの先生とヒョウ君……君たちを連れてきちゃった時点で私の負けだったんだね。」
「俺が変数か……まぁ……そうだな……だが……」
「そもそもこの計画を立てたこと自体が間違えだろうな。」
「ハハハ……正論だね……」
「私は、セイアちゃんを……殺しちゃって……言い訳になるけど……ほんとは殺す気なんてなくって……」
「ちなみに言っておくとセイアは無事だぞ。」
「そう、なん……だ……えっ?」
ヒョウはその事実を軽くそう言う、ミカは目を見開き理解ができないというようにヒョウを見る。
「セイアは自身が死亡していたと偽装していただけだ、安全のためにトリニティのあちこちで仮のセーフハウスで身を潜めている。」
「セイアちゃんが……無事……?」
「うーん……まぁ無事と言えば無事か……少々まだ傷が痛むらしいがミネと俺のペットが近くで護衛している。」
「ミネ団長が?」
「あぁ……セイアと会ったのは本当に偶然だった。まぁその偶然のおかげで勝てたんだがな。」
「そう……セイアちゃんがヒョウ君に教えたんだね……でも、良かったぁ……生きてたんだ……」
「降参、私の負けだよ……おめでとう君たちの勝ちだよ。」
そう言った時銃声が止む。どうやら周りの戦闘が終わったらしい。
しばらくすると正義実現委員会がこの場に集まってくる。
「ねぇアズサちゃん……貴方はこれからどうするの?トリニティはあなたを守ってくれはしないし……サオリ達も裏切り者を許すつもりは無いと思うよ?」
「分かってる、それでも私は最後まで足掻いて見せる。」
「……うん、そっか。」
ミカはアズサに今後のことに聞いて何か納得したような表情になる。
「ミカちゃん……」
「先生……今は何も聞きたくないかな……あーあ、シャーレを巻き込んだのが間違いだったなー。」
「でも……あの時聞いた言葉……本当にうれしかったよ。」
「じゃあね、先生……どうしたのヒョウ君?」
そうしてミカは正実の子に連れていかれる。その前にミカの方へ近づく。
「今度、面会にでも行く、後これも渡しておく。」
そう言うとヒョウはミカに何かを渡す。
「これは?」「お守りだ、持っておくといい。」
「いつか必ずミカの助けになるはずだ。」「ふーん、そうありがとうね……」
そしてミカは連行されていったのだった。
「あ、あうぅ……色々あり過ぎてもう……疲れました……」
「ようやく落ち着きましたね。」
このひと騒動が終わり全員がへたり込む。
「うぅ……なんだか疲れちゃって……」「それもそうですね、一晩中走りまわりたし」
「こ、これでようやく休め……」
「何を言ってるのヒフミ、ここからがスタートだ。」「あぁそうだ今からだぞ。」
その時全員の脳内に何故自分達が今回の事を起こしたのか思い出した。
「あー……」「そうでしたね、試験が……」「忘れてた……」
時計を見ると時刻は8時20分を指している。
「後30分しかない走ろう。」
「待ってください!?その時間じゃ無理なんじゃないですか!?」
「はぁ……ピュー―!」
ヒョウが口笛を吹く、すると……
地面に影が映る、全員が上を向くとそこには
「ギャーウ!」
「な、何あれぇ!?」「ど、ドラゴン!?」「?????」
「あ、なるほど。フライヤーさんですね。」
上空から大きな翼を生やした大きなドラゴンのような生物が降りてくる。
「え、ヒフミはこの生物の事知ってるの!?」
「えぇ、この子はフライヤーさんです、見ての通り大きな翼を持っているので空を飛べます、ヒョウさんのペットさんの1匹ですね。」
「フライヤー、この人数行けるか?」「ギャ!」
「そうか行けるか、おい皆、フライヤーの上に乗れ、連れていってくれる。」
「分かりました!」「これがUMA?すごい!」
「だ、大丈夫なのこれ?」「フフフ不思議なペットさんですね♡」
そうしてフライヤーの上にまたがっていく。
「じゃぁ私も失礼しま」「ギャウ!」ガシィッ!
「わあぁぁ!?」「ギャ!」バサッバサァ!!
先生もフライヤーにまたがろうとしたところ突然フライヤーが羽ばたき、浮いて爪で先生を掴む。
「えぇぇ!?ちょ!これ大丈夫なの!?」
「フライヤー?……ふむふむ……体型的につかんだ方が早い?」
「あー……先生我慢してくれ……フライヤーはその体勢の方が運びやすいようだ。」
「何でぇぇぇ!?」
そうしてヒョウと補習授業部、先生はフライヤーに乗って……一人は捕まれたまま試験場所まで向かって行った。
そうして数時間後、無事に試験を受けた補習授業部は全員合格をすることが出来たのだった。
「どうやら補習授業部は無事に全員合格することが出来たようだね。」
「あぁ、少なくともここで終わる可能性は一つ潰した。」
「そうだね、ハナコ、コハル、アズサ、ヒフミはこれからもこの学園で暮らしていくだろう。」
「ミカは……監獄に幽閉されてしまったね……ナギサは予定どうりエデン条約に移るだろう。」
「今回は成功と言っていいよな?」
「あぁ、でもこれからだよ。残っているものがあるだろう?それが世界を覆う曇天にならないようにするために。防ぐために。」
「あぁ、分かってる、変数としてできることはすべてしようと思っている……俺の命を懸けてでも。」
何処かで一人の少年と、キツネ耳の少女が紅茶を飲みながら話している。
「まぁだが、私たちが動くにはまだ時間がある。」
「そんな余裕でいいのか?」
「いや、出来ることが無いんだよ、今は。だから少し休憩するといい。」
「了解……つっても何をしようかねぇ……」
「なら私ともう少し話していこうじゃないか。」
「そうだな、そうするか。」
「カアァー♡」「ジッジッ♡」
二人はカラスとシマエナガが仲良く羽を羽繕いしているのを眺めながら会話をするのだった。
「訓練のSTEPをもう一段階上げます、もう少ししたらことが始まりますので。」
「ハァッハァッ!」
「うえぇ……まだ上がるんですか!?」
「……辛いのは生きている証拠だから……でもやっぱこれ以上はしんどいかも……」
「……」スッスッ
「ひ、姫ちゃんが手話で何かを……」
「……あの子がどうなった、って。気になるの、姫?」
「……」「どうでもいいでしょ早いか遅いかだけなんだから。」
「はぁ……その辺にしなさい。次の訓練STEPは明日からです、さっさと風呂に入ってきなさい、晩御飯の時間までもうすぐです。」
「は、はい……」「わ、分かりましたぁ!」
「了解、マダム……」「……」
そうして4人の少女は部屋を出ていく。
「全く……聖園ミカのクーデターが失敗し駒を持っていかれてしまいましたね……はぁ……残っている駒のレベルをまた上げないといけなくなりましたね……面倒くさい……」
「やはりクロに無理を言ってあの実験体を貰っておくべきでしたね……」
「シャーレの先生ですか……随分と厄介な相手ですね……警戒しておかねば……。」
残された赤い異形はそう呟きながらキッチンへと向かって行くのだった。
よければ感想とか書いていってください。
補習授業部編でカロリーを使いすぎたのでいったんエデン条約を置いておいて、少し後日談や日常を出そうと思います。
出来ればもう一つ書いてる方も投稿してる方も~。