銃弾が飛び交う学園都市?!んでもって銃の耐性なし?!・・・やってやろうじゃねえかこの野郎!! 作:オーバジン
「ねぇアリス、ヒョウはいつごろ来るって?」ガチャガチャ!
「恐らくもう少しで来ると思います!あ、それ反確です!」カチャカチャ
「あ、ちょっと待って!?ごめんって!そのコンボ長いしダメージ高いんだって!」
「ちなみにリーサルです!」ガチャチャ!
「え、嘘でしょ!?あ……」
Player2 WIN!!
「またアリスの勝ちです!モモイはまだまだです!」
「どうしてこうなるのぉ~~!?」
「モモイは攻めは良い感じだけど技の選択が甘くなってる、それに見た感じガードがまだまだだし、中段を毎回喰らってる。」
「そんなの自分でもわかってるんだよー!」
「ユズ!今度はユズに挑戦します!」
「いいよ、やろっかアリスちゃん。」
モニターの前でモモイ、アリス、ユズの三人が話しながらゲームをしている。
「先生、攻略対象のモデルが完成したんですけど見てみてくれません?」
「どれどれ?おぉ、すごい!もしかしてだけどこれの元になった人って……」
「もちろんヒョウさんです、あの時送られてきた執事服のヒョウさんを元に服とかに少しアレンジを加えてかき上げてみました!」
「……一つ聞いていいかな……このゲームは確か……」
「はいR18です。」
「……ということは?」
「もちろん、そのシーンもあります。」
「も、もしかしてもう?」
「いえ、残念ながらまだ下書きしかできてません、と言っても後は色を塗るだけなのですが…………見ますか?」
「見たい!!」
ミドリはタブレットを操作して該当シーン(ベッドイン)の下書きを先生に見せる。
「わ、わぁ~!前々から思ってたけどミドリちゃん絵うますぎない!?それにここのほくろも再現されてる……!?」お顔真っ赤
「先生、私はアリスちゃんから聞いた情報をもとに、私の想像力と妄想力でここまで仕上げました、今の私は、無敵です頭の中ではいくつものシチュエーションが浮かび上がってきてます。」迫真
「み、ミドリ先生……!」
先生とミドリはキャッキャと楽しそうにしている。
いつも通り(?)のゲーム開発部+先生の光景である。
「……ん?アリスちゃんから聞いたってどういうこと?」
先生は先ほどのミドリの発言に疑問を持ち聞き返す。
「?」
「いや、『?』じゃなくてね、何でアリスちゃんがヒョウ君の……その……裸事情を知ってるのかって。」
「アリスちゃんはヒョウさんの娘ですよね?」
「うん、そうだね。」
「なら、一緒にお風呂に入っるから知ってるに決まってますよね?」
「うん……うん?」
「家族だから知ってるんですよ、アリスちゃんもヒョウさんと一緒にお風呂に入ったときの話を楽しそうに話してましたよ?尊いですね。」
「……まって、待って?ヒョウ君とアリスちゃんって一緒にお風呂に入ってるの?」
「はいアリスちゃんがそう言ってました。」
先生はそれを聞いて絶句し身体をプルプルと震えさせだす。
「……」プルプル……
「先生、どうしたんですか?」
「アウト――!!」
「うわっ!?何々!?」「ピッ!?」
「突然先生が発狂してしまいました!?どこかでSANチェックが発生したのですか!?」
「ど、どうしたんですか先生!?」
突然の先生の大声に部室の全員が驚き先生に視線が集まる。
「おかしいよっ!?」
「な、何がおかしいのさ?」「ピ、ピィ……」ロッカーガタガタ
「あ、ユズがロッカーの中に隠れてしまいました。」
「おかしいよっ!!アリスちゃんは確かに娘だけど義理なんだよ!?それに歳もそんなに変わらないでしょ!?」
「あ、アリスの話だったのですか!?」
まさかの自分のことを言われていたことにアリスはびっくりする。
「普通に考えてまずいでしょ!?異性が一緒にお風呂に入るなんて!」
「えー、でもアリスだよ?大丈夫でしょ。」
「そうですよ、このアリスちゃんですよ?さすがにヒョウさんを襲うことは無いでしょう。」
「いやそうじゃなくて、アリスだからとかじゃなくて、世間的にマズいって!高校生どうしはマズいって!」
「?」
モモイとミドリは大丈夫と言うが先生は気が気ではない。アリスはみんなが何を言っているのか分からないといった感じのようだ。
「よく分かりませんが大丈夫です!それにいつも一緒に入ってるわけじゃないです!時々です!」
「……おかしいなぁ……父親と娘ってこんな感じだったけ……私はもっと反発してたはずなんだけどなぁ……」
「ダメだよ先生、アリスはいろんな意味で違うんだから。私も初めは驚いてたけどもう慣れちゃったんだよ。」
モモイはやれやれと言った感じに肩をすくめる。
「そういうもんなのかなぁ……?」
「私たちは、父娘の尊い話を聞けるのでいいじゃないですか。あわよくば私がアリスちゃんにママって呼ばれてヒョウさんのお嫁さんに……」
「ミドリちゃん?」
「あ、もしかして先生も狙ってるんですか?」
「う……そ、それは……」
ミドリの言葉に先生は鋭い視線と言葉を向けるがミドリはその先生の様子に逆に聞き返す。先生は少し言葉に詰まってしまう。
ヒョウはいろんな子から好かれているのだ、先生も例に洩れず少なからず好いている、右も左も分からなかった就任の日からともにいろいろな学園を巡り助けてもらったのだ、それに先生は齢二十〇歳本気で焦りだしてきている時期なのだ。
それもあり、自身の生徒で未成年ということを理解しながらも思いを寄せているのだ。しかしそこは先生そう言った感情は出来るだけ出さないようにしていたが気が抜けていたのかうっかり感情を漏らしてしまったらしい。
「ママ、ですか……」
その時アリスのつぶやきが耳に入る。
「ママというのは、家事をしてくれて、愛情をくれて、一緒に遊んでくれて、面倒をよく見てくれて、パパと仲の良い人でしたか?」
「まぁ、大体合ってるね、それがどうしたのさアリス。」
アリスの問いにモモイが答える。
そしてアリスはとんでもないことを口にする。
「なら、アリスのママはモモイです!」
学園間での戦争が勃発する可能性がある一言を。
「という訳です!」
「ふむ……もう小一時間言及したいが今回はアリスの可愛さに免じて無理やり理解しよう。んで、先生は何で俺の身体の事を知ってるんだ?」
何故アリスがモモイをママと呼んだ経緯を聞いたヒョウは無理やりに理解をした、そして先生にもアリスの言っていたことにも言及する。
「それは……」
(い、言えない……!シャーレでシャワーしてる時に覗いたことなんて……!)
「……このことについては後で聞くからな?……それで……アリスは何故モモイがママって言ったんだ?」
「それは私も気になります。アリスちゃん、出来るだけ詳しく教えてくれる?」(圧)
「み、ミドリが少し怖いです……り、理由ですね。」
ミドリに圧を掛けられ少しびくびくしながらアリスは話し出していく。
「モモイは、よくアリスの面倒を見てくれます!それに毎日アリスの部屋に来てご飯を作ってくれます!パパが作ってくれるご飯みたいにとても美味しいです!」
「そうなのか!?」
「えっと、まぁそうだね。」
「え……お姉ちゃんそんなことしてたの!?」
なんとミドリも知らない事だったらしい。ヒョウはアリスはご飯を学食で済ますか自炊しているものだと思っていたのだ。
ヒョウはアリスがミレニアムに通うための学費や寮費、食費などの生活費、娯楽のためのおこづかい(過剰)を渡しているのだ。
「ちょっと待て……モモイ、お前……飯の材料費はちゃんと徴収してるのか?」
「私が好きでしてることだから別に貰ってないよ?」
「……いつ頃からだ?」
「えーと、確か……アリスが寮に通い出してから一週間ぐらいかな?」
「嘘だろ!?それほんとに言ってんのか!?どうなんだアリス?」
「はい!ほんとです!それに服の洗濯とか、部屋の掃除とかもやってくれて、いろんなことも教えてくれます!」
「まぁ、これからアリスが暮らしていく上での知識を簡単にだけどね。」
「……」(絶句)
「確かにお姉ちゃん世話焼きだった……それに料理美味いんだった……それに教育まで……!?」
「モモイちゃんの作る料理美味しいんだ……今度私も食べてみたい!」
「先生も食べてみたいの?いいよー。」
嘘だろ……材料費を払わずに作ってもらってたのか?それに洗濯や掃除まで!?何なら常識の教育まで……あれ?もしかしてモモイって……
『アリスの面倒を見てくれる』→〇
『飯が美味い』→〇
『常識の教育してくれる』→〇
『人望あり』→〇
『アリスと仲も良く趣味も一緒』→◎
『おまけに同じ学校で同じ部活だから距離も近いからヒョウが依頼で居なくても大丈夫』→◎
『ヒョウと仲が良い』→◎
『面白れー女』→◎
……もしかしてアリスのママ適正、結構高い?そして嫁力も高い?…………モモイが嫁ってありなのでは?
唯一懸念点があるとすれば俺とモモイが結婚するのは絵面がちょっとマズイということぐらいか……
モモイの身長は143㎝でヒョウは179㎝とかなりの身長差がある、その差なんと36㎝差なのだ。モモイの身長に至ってはアリスよりも身長が低く見た目だけで言えば小学生である。考えてみてほしい、そんな二人が結婚する……どう考えてもヤバいだろう。
どれを踏まえてヒョウが出した結論は、
「モモイ……アリスのママになるつもりは無いか?」(錯乱)
「いいよー」(脳死)
『!?』(驚愕)
「モモイがアリスのママになるのですか?嬉しいです!」(純粋)
ん?俺今なんて言った?……やっべ……
「すまん、忘れてくれ……」
「……お、オッケー……」
自身の言った事に気付き、少々顔を赤くした二人が気まずそうにする。
「……何ですかこの雰囲気……何故あのお姉ちゃんがメスの顔を!?」イライラ
「ふ、二人とも……さすがにそれはまずいんじゃないかなー」激焦り汗ダラダラ
「あれ?違うのですか?」(純粋)
「すまん口が滑っただけだ、アリスも忘れてくれ。」
「うん、その方が良いと思う……私もで、出来るだけ早く忘れるから……ム、ムリかもだけど……」お顔真っ赤
((いや、絶対忘れることできないないでしょ……))
その場に少し気まずい雰囲気が流れる。
「……とりあえず今までの分の材料費とか口座に入れておくぞ。」
「いや、別にいらないよ?さっきも言ったけど好きでやってたことだし。」
「いや、こういうのはしっかりとやっておかないとだめだ。俺の気がすまない。」
「うーん、そこまで言うなら貰っておくよ。」
「すまんな、じゃぁ……今、モモイの口座に送ったから確認できるか?」
ピコンッ
「ありがとねー、どれどれ……ちょ、多くない!?」
モモイが口座を確認すると驚いた声を上げる。
「モモイ、ついでに頼みたいことがあるんだが……これからもアリスの事面倒見てくれないか?」
「私が?」
「俺は、こんな仕事をしてるもんだからかまってやれなくてな……教育とかもそう言った知識を教えることが難しいんだ。」
「うーん……そういうことならいいよ。私にまっかせてよ!」
「ありがとなモモイ。アリス、それでもいいか?」
「はい!もっとモモイと一緒に居れるのですね!」
そうしてアリスのことはモモイに任せることになったのだった。
その後ゲーム開発部室ではヒョウが来る前のワイワイとした雰囲気に戻っていた。
「……」ガチャチャ!「……」タタタタッ!
「す、すっご!?格ゲーでユズにここまで互角に戦えてるなんて!?」
「すごいですパパ!ユズがフルセットにまで持ち込まれるなんて!」お目目キラキラ
胡座をかいて足の上にアリスを乗せたヒョウとユズがモニターの前でヒョウはコントローラーで、ユズはアケコンで格ゲーをしている。
両者ともに集中しているためか無言で対戦をしている。モモイはヒョウの操作精度に驚いておりアリスは目をキラキラとさせて対戦を見ている。
「ね、ねぇミドリちゃん二人のコントローラーからすごい音が鳴ってるんだけど?」
「先生、あれは私にはついていけない領域です、すごいなぁぐらいに思っていた方が良いです。」
ユズとヒョウの指の動きがとんでもないことになっている、目に負えない程のスピードで動かしている。そのためか画面の中のキャラクターはとんでもない挙動をしている。
ガチャチャ!「あ、やべっ……」
「ッ!……」タタタタッ!
ユズは正確なガードで守っていたヒョウのキャラクターに崩しの下段が通りコンボに入る。
「あ!このコンボ、キヴォチューブ*1で見たコンボ難易度1から10の内の、難易度11の最も難しいコンボです!」
「このタイミングでそんなコンボ決めようとしてるの!?」
「コンボが完走できると体力の9割強持っていく高火力コンボです!」
「えぇっ!?9割強!?さっきの牽制合戦で削れた分を含めて……完走出来たらもう10割コンボじゃん!」
ダダッボッダダッダダッフッフッダーイ!
「あっ!コンボの一番難しい場所です……超えました!」
「えぇ……その技つながるんだ……」「猶予は1Fです!」
「えぇ……あっ、超必まで……」
ハイシンダー‼
K.O! Player 1 wins!
「あちゃー、そこ下段で来るかー……」
「わ、私も結構焦っちゃっいました……ヒョウさんガードが固くて差し替えしからの火力の取り方的確ですので気が抜けませんでした、コンボも火力を高いものを選んでいました。」
「やっぱ久しぶりにやったから腕が落ちてるな。」
「えっ……久しぶりって最後にやったのはいつ?」
「確か、三年前ぐらいだったか?案外身体がコンボを覚えてるもんなんだな。正直俺はこのゲームがこんなにも続いていることに驚いたな。」
「それほんと?どう見てもずっとやりこんでる感じだったけど?」
「なるほど、だからパパが使うコンボは少し古いものだったりコンボミスがあったのですね!」
「いやそれでもユズ相手にラウンドフルセットって普通に考えておかしいからね!?」
そうなのだろうか?俺自身はそんなに上手くないと思うのだが……俺の前の世界の友人は俺よりも強かったし、毎回ボコられてたし……それにここ三年間は忙しすぎてゲームなんてできる暇なかったからな。
「そうなんですか?その人はどのキャラクターを使って?」
「こいつだな。」
「まさかの1弱と呼ばれるこのキャラクターですか!?」
「俺も当初は驚いたよ、よくもまぁこんな1弱で最高ランクで世界1位とか……あいつ精神状態おかしかったのかよ……というか三年たってもこいつは1弱なのか……」
ヒョウは画面に映るキャラクターを見ながらそう言う。
「パパ!さっきやってたコンボ教えてください!」
「いいぞ、確かアリスはアケコンだったか?」「はい!」
「ヒョウってアケコンでもできるの?」
「まぁある程度は、コントローラーの方が得意なだけだ。」
ヒョウはアリスの手を取り言葉で教えながら手を動かす。
「ここまでは既存のコンボだ、だがここで少しだけディレイをかけることで有利フレームが増えて別の技が入りようになる……」ガチャチャチャ……
「ふむふむ、なるほど……こうですか?」ガチャチャチャ!
「一発で覚えるとは……たまげたなぁ。」頭ナデナデ
「えへへへ~」
ヒョウはアリスを足の上に乗せたままに丁寧に教えていく、あまりにも覚えが早く完璧にコンボを完走したので、素直に褒めて頭を撫でる、するとアリスは気持ちよさそうに笑う。
「どう思います、先生?」
「休日の娘と父親?」
「そうですね、あまりの尊さに私の脳は焼き切れそうです。」
「うん、なんとなく言いたいことは分かるよ、これが尊いっていう感情なんだね。」
「え、えっと……先生?ミドリ?」
「ユズちゃんも分かるでしょ?この光景を永遠と見ていたいと思わない?」
「え、あ、うん。」
ヒョウとアリスが醸し出す雰囲気は完成されたものだった、ヒョウから溢れ出る父性が天真爛漫なアリスを包み込むようにしている光景は、どんな絵画よりも美しいものだろう。
「それなのに……お姉ちゃんがママ最有力候補なのが納得いかない……!!」
「なんで急に私に飛び火するのさ!?」
「確かにお姉ちゃんは昔から世話焼きで、料理がおいしくて、家事が上手でコミュ力強者だけど……うわぁーー!!」
「モモイちゃん、これは死活問題なんだよ、あの二人がママ、もしくはお嫁さんをつくると……」
「つ、作るとどうなるの?」ゴクリ……
モモイは先生の雰囲気に少し緊張し唾を呑み込み次の言葉を待つ。
「最悪戦争が始まるよ。」「戦争!?」
その単語が出てきた瞬間モモイは驚き目を見開く。
「本人とアリスちゃん以外は知ってると思うけどヒョウ君は女たらしだよ。」
「え、そうなの?」
「お、お姉ちゃん?」「も、モモイ?」
「全然そんな感じはしないと思うけど?」
『……』
モモイのその言葉に三人は絶句する。
「……まぁこれは置いといて、ヒョウ君はいろんなところに仲のいい女の子がいるんだよ。」
「それも各学校に一人以上は絶対に、そして漏れなく全員結構重めの感情を寄せてる。最近で言うとトリニティの生徒会長の桐藤ナギサちゃん。」
「ついにトリニティの生徒会長まで!?」
「とまぁそんな感じで沢山の女の子を誑かしてきて、重い感情を向けられている。そしてそんな男の子が結婚したとするよ……どうなるかは、もう分かるね?」
「ど、どうなるの?」
「正妻戦争が始まるんだよ、お姉ちゃん。」
「聖杯戦争じゃなくて?」「そ、それは別のゲームだよモモイ。」
「とまあ、こんな感じで大惨事になっちゃうんだよ。」
「なんとなく分かったような、分からないような?」
「お姉ちゃんお願い、分かって、ほんとに壊すよ?」
「ミドリ!?怖いって!?何で目にハイライトが無いの!?」
そうして先生たちはモモイにその危険性を教えていくのだった。
皆何を話してるんだ?まぁ関係なさそうだしいいのか?
「どうしたんですか?パパ。」
「……なんでもない……いや聞いた方が良いな……アリスはママがいた方が良いのか?」
「ママがいた方が良いか、ですか?」
「あぁ、さっきの話で考えたんだ、俺とアリスは結構特殊な家庭だろ?だからママが実際にどんなものなのか知らないはずだ。だから俺個人では必要だと思っているんだがアリスの意見を聞かずに俺が勝手に判断してもいいのか迷ってな。」
「アリスがですか……そうですね、先ほどはモモイがママみたいだと言いましたが、本当のママ欲しいです。」
「……少し寂しいと思う時があるんです……」
「モモイやミドリ、ユズ、ユウカやミレニアムの皆がアリスの事を気にかけてくれています、嬉しいです。でも……それでも家族というものが分からなくて……そのパパはいつもはいなくて……これがアリスの我儘だって分かっているんです……ここまでみんなにいろんなことをしてもらってるのに寂しく感じてしまうんです。」
「もちろんみんなと居る時も寂しいと感じている訳じゃないです、毎日いろんなことがあってモモイやコユキ達と遊んで、ユウカに叱られて、いろんなことを知って、毎日が楽しいです。」
「……でもアリスの拠点に戻ると誰もいなくて、静かな休憩所だけがアリスを出迎えます。拠点には家族がいるものだと聞いています。モモイとミドリが一緒に拠点に戻って行ってるのを見て、羨ましいって思ったんです。」
「パパはミレニアムの人じゃないからアリスの拠点にいないのは分かってます、依頼があって一緒に居れないのも分かってます。それでも……帰っても迎えてくれる人がいないのは……寂しいです。」
ヒョウはアリスの小さな言葉を静かに聞いている。自身の娘の今まで聞けなかった本音を、父親として聞くべきだったことを。
「……ごめんなアリス」ギュッ
「パパ……?」
そんな小さな声で本音を吐き出したアリスをヒョウは抱きしめる。
「俺はどうやら……勘違いしていたようだ……アリスにはみんながいるから大丈夫だって、勝手にそう思ってた。」
「今まで悩みに気付いてやれなくて悪かった……アリスが寂しい思いをしてるって察することが出来なかった……」
「アリスが温かさを求めてたのにそれを理解してやれなかった……分かってやれなかった……父親として情けない……」
ヒョウは後ろからアリスを抱きしめたまま苦しそうな声でそう言う。
「だから……」「パパ……?」
「俺、頑張るよ。アリスのママになってくれる人、見つけてみせる。」
「アリスがこれから家に帰っても寂しくさせないように。」
「パパ……ありがとうございます!」
ヒョウがそう言うとアリスは花が咲くような笑顔になった。
「いやー。何か感動的だね、私たちが話してたことがどうでもよくなっちゃうぐらい感動だよ。」
「こ、これが『家族愛』ってやつかな……?」
先ほどまで戦争が何だと話していたモモイ達はヒョウとアリスのやり取りを見ていた。
モモイは感動しておりユズはこの光景を優しい目で見ていた。
「ア゛リ゛ズぢゃ゛ん゛!」(号泣)
「先生泣きすぎです、いくらこの光景が尊いからって……そんなに泣いてちゃ……すみません先生、わだじも無理でじだ……!」(涙ホロリ)
先生とミドリはあまりの感動に涙を流している、先生に至ってはとても人には見せられない程の号泣である。そうこうしている間にもヒョウとアリスの会話は続く。
「そうだ、アリスから見て誰がアリスのママになってほしい人とか居るのか?」
「え、でもこういうのはパパの意志が重要なんじゃ……」
「娘の幸せこそが父親の一番の幸せだ、だからアリスはもっと我儘を言っていいんだ。」
「そうなのですか?」
「あぁ、俺はそれを参考にさせてもらおうと思うしその人にアタックしてみようとも思ってる、今は娘の我儘を聞いてみたいんだ。」
『!?!?』
そのヒョウの言葉にアリス以外の全員が驚愕の表情を浮かべる、あのヒョウが自ら色恋沙汰に飛び込もうとしているのだから。
「そうですね……」
全員がアリスの言葉を待つ、ヒョウはアリスがどんな人をママとして求めているのか、先生たちはアリスが誰を選ぶのか。ちなみにここでヒョウ、アリス、先生たちで認識の違いができているのだ。
ヒョウはアリスの出す人名を聞いてアリスが求めているのはどんな人物像なのか。
アリスは今のところママになってほしい人。
先生たちはアリスが言った人がヒョウの恋人になるのだと。
そう言う認識の違いが生まれているのだ。
そうして全員がアリスの言葉を待つ。
ガチャ
「モーモーイー!必要な書類が……」
「やっぱりママになって貰うなら、モモイです!」
「は?」
アリスが答えたタイミングと同時にユウカが部室の扉を開けて入ってくるのだった。
その後アリスの発言でミレニアムでは一悶着あったそうな無かったそうな。
「ゔゔっ……い゛い゛話でずね゛ぇ゛……!!」
「部長、泣きすぎ確かにいい話だけど……それはさすがに……」
「……アリス……そんなことを抱え込んでいたんだ、もう少し顔を出してあげようかな……」(涙ホロリ)
「チヒロがママの顔になっていますね……」
「私こういうのちょっと弱いかも……」
『小鈎ハレの感情の高ぶりを確認、感動しているようですね。』
「アリス……寂しかったんだね……今度ゲーム開発部に顔を出さなきゃ……うん?」
マキが今度アリスのところに顔を出そうと決めたのだがまだ会話が続いていることに気付く。
『やっぱりママになって貰うなら、モモイです!』
『は?』
「また部長たちが荒ぶってる……」
「そんなに騒がれると盗聴できません……それはそれとして脳が破壊されたような気分ですね……」
『この場にいる全員の感情の急上昇を確認……クロナに連絡をしておいた方が良いと判断します。』
ミレニアムビルの上
「……あの光景を……破壊するのが本当に正解なのでしょうか……」
「私は……」
少女はアリスを抱きしめるヒョウ、二人を見てそう呟くのだった。
「やはりどれだけ漁っても一年前より前の記録が全く無いわね……」
「残っているここ一年間の記録を見ると……やはり危険ね……」
何処かの部屋で長い黒髪を揺らす背の高い少女が映像を見ながらそう呟く。
その映像には全身を赤黒く染めゲヘナの風紀委員会を蹂躙しているヒョウの姿が映っている。
「名も無き神々の王女にプレデター……いや厄災……」
「あなた達は、私たちが殺すわ。」
良ければ感想とか書いていってください。
これでアリスのママは?は終わりです。
今回は他学園を巻き込むことはしません。
途中のコンボですが本来はもう少し簡単らしいですが…作者が描きたかったから…ハイシンダー!