銃弾が飛び交う学園都市?!んでもって銃の耐性なし?!・・・やってやろうじゃねえかこの野郎!! 作:オーバジン
「失礼します。」
「そこまで硬くならなくてもよろしいのですよ?」
ヒョウはナギサに招待されティーパーティーの部屋にまで来ていた。
「いきなり呼んでしまい申し訳ありません。」
「いや、特に何もなかったから大丈夫で……」
「無理に敬語でなくても大丈夫ですよ。むしろ軽い感じで接してくれると嬉しいです。」
「あー……了解、今日は依頼は特に入ってなかったから大丈夫だ、というか俺よりナギサの方が忙しいんじゃないか?」
「確かにエデン条約の件で忙しいですが、前よりかは余裕を持てていますので大丈夫です。」
初めて会った誘拐(仮)の件よりもナギサの顔色は良くなっており目の下の隈もなくなっている。しっかりと寝ていることが分かる。
「そうか、あの時のナギサかなり疲弊していたように見えたからな。なんか心境の変化でもあったのか?」
「えぇ、おかげさまでしっかりと休むことが大事ということが分かりましたので。」
「まぁそうだな……俺がいえた事じゃないが……」
「どうやらヒョウさんもお忙しいようですね、こちらをどうぞ。」
「ありがとな……美味い。」
ティーパーティーの部屋、ほぼ社畜同然の二人が紅茶を飲み談笑している。
「それでどんな用件なんだ?」
「えぇ、今日はヒョウさんに御礼を言いたく思ってまして。」
「御礼?特に何もしてないと思うんだが?」
ナギサの言葉に本当に分からないといったように返答する。
「……薄々気づいてはいましたが……ヒョウさんはかなり鈍いようですね……」
「え?お礼を言われると思ったら急に刺されたんだが?」
ナギサはその一言でヒョウの本質を一通り見抜く、今までトリニティの政治で鍛え上げられた見抜く力が発揮されている。
「気にしないでください、これからが大変になるだろうなと……」
「そうか……良く分からんが頑張れ。」(割と傷ついてる)
「あの時は、ありがとうございました、私を守ってくれて。」
「あの時……あぁ、あれは別に礼を言われるほどのことじゃない、人として当たり前のことをしただけだ。」
「それでもです、あの時あの凶弾から守っていただけたことが嬉しかったのです。」
「それにあの時かけてくださった言葉、今までの誰よりも優しい言葉、嬉しかったのです。こんな裏の事情しかなかった
「ナギサが疑心暗鬼だったてのは先生からも聞いていたし、少し調べたら分かった。こういうやつには本音をぶつけた方が良い。」
「だから俺はあの時ちゃんと怒ってるってことをしっかり言ったうえで、そう言ったからな。」
「そうですね、皆さんには……申し訳ないことをしましたね……」
「ちゃんと謝ったのか?」
「えぇ、もちろん。」
「そうか、それならいい。」
場に沈黙が流れる。
「まぁなんだ……今までよく頑張ったな。」「?」
「疑心暗鬼になって精神的に追い詰められても、今後のために条約を勧めようと努力していたことだよ。」
「寝る時間も削って、常にだれかを疑うなんて、できるもんじゃない。」
「俺だったら、途中で折れてるかもしれねぇ、ナギサも折れそうな時が沢山あったんだろ?」
「それを乗り越えてきたナギサはすごいな、頑張ったな。」
「……」
「……俺はその努力を見ずに、知らずに勝手に決めつけてた、だから……その、謝罪をさせてほしい。」
「ナギサの気持ちも考えずに、勝手に悪者にしてしまってた、本当にすまなかった。」
そうしてヒョウは頭を深く下げる。
「顔を上げてくださいヒョウさん、それは仕方のないことです。私もそう思われるようなことをした自覚があります。」
「そもそもヒョウさんの謝罪はあの時にもう言ってもらっています。これ以上は必要ありません。」
「そうか……分かった。」
「フフフ……そろそろ辛気臭い話はこの辺りにしませんか?」
「……そうだな、いつまでもこの調子じゃ雰囲気が悪いからな……あ、そうだ、連絡先交換しないか?」
「いいのですか?」
「あぁ、交友関係は広ければ広いほどいいからな、それに困ったらいつでも頼ってくれ。」
「信頼はまだないかもしれないが、どんな些細な事でもいい、相談してくれたなら絶対に力になってやる。」
「あ、ありがとうございます……。」
(ヒョウさん……私はあの時助けてもらっってあの言葉を掛けてもらった時からあなたのことを信頼していますよ……いや……信頼以上の感情を向けているのでしょうね。)
「これからよろしくお願いしますね、ヒョウさん。」
「あぁ、よろしく。」
そうしてナギサとヒョウは連絡先を交換し雑談をしていくのだった。
「こちらです。どうぞ。」
「どうも。」
ナギサとのお茶会の後ヒョウはティーパーティーの生徒と共に牢屋へと向かって行く。
「なぜあなたはあの……ま、魔女の事をそこまで気にかけているのです?聖園ミカは正真正銘の裏切り者、そして聞いた話によればあなたにも銃口を向けたと聞いていますが?」
案内をしてくれている少女は前を向き、歩きながらヒョウに問いかける。ヒョウからはその少女の表情は見えない、一体どんな表情をしているのだろうか。
「俺はあのお姫様と約束したからな、踏み外した道から拾い上げるって。」
「約束したから……ですか?」
「あぁ、俺は約束を守る何があっても……信頼というものはそうやって勝ち取っていくものだ。」
「本当にそれだけですか?」
「……ミカは……自分のやったことに後悔している……あのままほっとくと近いうちに壊れてしまう。だから気にかけてくれる人間が必要だ。」
「まるであなたが経験したことのあるような言い方ですね。」
「まぁ実際あんなふうな状態になった経験があるからな。」
「……そうですか……」
ミカとは状況などが全然違うがヒョウは妹の愛が行方不明になったと聞いてもっと自分が気にかけて近くに居れば愛が行方不明になることは無かったんじゃないかと後悔していた時期があった。
ヒョウには今のミカの表情が、昔の鏡に映った自身の表情と重なって見えたのだ。ヒョウの場合は高校の友人達が気にかけてくれたため持ち直すことはできたが、ミカはどうだろうか。
このトリニティという学園はかなり陰湿な行為が蔓延っている。集めた情報によるとミカは裏では『魔女』と呼ばれ色々な事を言われ放題らしい、それに牢屋に物が投げ入れられているということも知った。
ミカの周りには味方がいない、いや全くいないわけじゃないのだろうが同じ派閥の人間だろうから接触禁止なのだろう。実質周りに味方がいないのと同義だろう。
先生やナギサは忙しくて構う暇が今のところ無いのだ、もちろん一般の生徒の面会の禁止というものもある。セイアは上層部や、今回の件に関わっている者以外には未だに死亡扱いなので面会をしようにもできないという状況。
ということは誰がその役割になるのか、言い方が悪くなってしまうが消去法でいくなら俺になるのだろう。
「聞きたいことはそれだけか?」
「貴方は……優しいお方なのですね……」
「いや、俺は今までしてもらった事を別の誰かではあるがそういった事を、誰かに返せればいいと思っている。」
「それが、たとえ道を踏み外した人間でも……あんな顔をしてはしくない。」
「昔俺を見ていた、友人もこんな気持ちだったのかねぇ……いや、そうなのかもしれないな、今の俺の顔はあいつらみたいなの顔なのかねぇ?」
ヒョウは自分の家に乗り込んできた友人たちの顔を思い出しながらそう言うと少女は立ち止まってしまう。ヒョウはそのまま歩き少女の目の前に立ち目線を合わせる。
「……やっぱり優しい人ですよ貴方は……そんなこと私にはとても……」
「……まぁ、きっかけだろうな、俺がこういう思考を持っているっていうのはそう言うおせっかいな奴らがいたからだ、君がどんなことを考えていてこういうことを聞いたのかは分からないが、人は変われる。」
「君がどんな人物なのかは知らない、けど、うしろ姿を見ると今の君は本当の自分を出せていないんじゃないかって思ったね。」
「まぁ、
「…………」
「これは俺の連絡先だ。」「え?なんで……?」
「いつでも相談するといい、周りにきっかけがないなら……俺がそのきっかけになってやるよ。」
ヒョウはその子に自身の連絡先を渡しにっこりと笑う。かつてヒョウがこれからの生き方に迷っていた時に話しかけてきてくれた友人の顔を思い出しながら。
「は、はい……ありがとう……ございます。」
「感謝は別にいらん、君も何か迷ってるような雰囲気だったからほっておけなかったからな。俺のエゴだ。」
「いえ、それでも私の中にあるしこりのようなものが少し取れた気がします。」
「そうか、それならいい。んじゃぁ案内してくれ。」
「フフッ♪もう何度も行っているから分かるのではなくて?」
「あー、しまったなぁー?牢屋までの道をド忘れしちまったなー?」(クソ棒読み)
「あらあら、それはしょうがないですね、案内をして差し上げなければ♪」
そうしてヒョウとティーパーティー所属の生徒はミカの収監されている牢屋まで歩いていくのだった。
「よう、来たぞミカ。」
ヒョウはミカが収監されている牢屋の前に着く、牢屋の中を見てみる、ミカの居る牢屋は思っているよりも小綺麗でしっかりとしたベッドや本棚、何ならテレビもある。ヴァルキューレの囚人牢屋とは違いお嬢様が住むような部屋だ。
「あ、いらっしゃーい!あれれれ?あの時みたいにお姫様って呼んでくれないの?」
「いや、さすがに毎回いう訳じゃない、それにちょっと小っ恥ずかしい……」(頬を少し赤くする)
「ゔゔん!?……ご、ごめんね?変な事聞いちゃったね……その顔はちょっと可愛いじゃんね……このギャップは反則じゃんね……」
「?どうかしたのか?」
「な、なんでもないよー……」
少し変な声を出したミカに疑問を投げるがなんでもないといって議題を終わらせる。
「ヒョウ君も物好きだねー、私みたいな裏切り者で自分勝手な我儘な人のところに面会に来るなんて、それに何度も。」
「私はヒョウ君が大事にしてるヒフミちゃんや先生を巻き込んじゃったんだよ?しかも君に銃を向けちゃったんだよ?ヘイローの無い君にだよ?普通なら顔も見たくない程恨んでいてもおかしくないはずだよね?」
「どうしてこんなに私に構ってくれるの?何で私にや察しくしてくれるの?ねぇ……どうして?」
ミカがヒョウにそう聞く。
「前にも言ったが、約束しただろ?踏み外した道から拾い上げてやるって。」
「それはあの時だけじゃなくて?」
「そんなわけないだろ。まだミカを拾い上げきれてない。」
「へぇ……どうしてそう思うの?」
「表情だよ、ミカの表情だ。」
「私の表情?」
「今のミカの表情、俺にはその可愛い顔にはまだ何か抱えてると思ってる。」
「か、可愛い顔!?」「事実だろ?」
「ふ、ふーん……そういうこと言っちゃうんだ……ふーん……♪」
ヒョウの言葉を聞いて少しミカは挙動不審になる。
「まぁ、話を戻すぞ。」「ふヘへ……あ、うん。」
「今のミカの表情、昔鏡で見た俺の表情と一緒なんだよ。」「一緒?」
「俺も一時期自分の選択に後悔してた時期があった。ミカの目の奥、その濁った何か……俺はそれを取り除くまで、約束が果たされることは無い。」
「俺はミカにそんな悲しそうな目をして欲しくない。だから俺はミカのためにこうやって会いに行く。」
「俺はミカを救いたい。」
「わ、私のために?そ、そうなんだ?ふーん……へー……」
(ヒョウ君の目、本気で言ってる。なんの打算も無しに私のために言ってくれてる。初めてだな……こんなに私ここまで思って言ってくれるなんて……)
「ありがとねヒョウ君、やっぱり優しいね、嬉しいよ。」
「感謝は全部終わった後でいい、そもそも言う必要はない。これは俺のエゴだ、優しさじゃない。」
「……フフッ♪……やっぱり君はそう言うよねー。そうだねそう言うことにしておこうかな。」
ヒョウが言い終わるとミカは少し楽しそうに笑う。
「それじゃぁ今日はどんなどんな話を聞かせてくれるの?」
「そうだな、んじゃぁ前の世界で友人とやってたバカな事でも話すかな。」
「おっ!待ってました!ヒョウ君の前の世界の話!」
「紅茶をお持ちしました。」
そうして先ほどの案内してくれたティーパーティーの子が持ってきてくれた紅茶を飲みながら、面会という名の雑談を始めるのだった。
良ければ感想とか書いていってください。
皆さん、言いたいことは分かります今後必ず言及しますので今は!今だけは!待ってください!