銃弾が飛び交う学園都市?!んでもって銃の耐性なし?!・・・やってやろうじゃねえかこの野郎!! 作:オーバジン
シャーレ部室
「という訳で遅くなってすまないが、皆、合格おめでとう!」
「おめでとー!」
パーン!!
シャーレ部室の机の上には様々な料理が並べられている、ついでと言わずクラッカーの音もする。
天ぷらや、だし巻き卵、炊き込みご飯などの和食、ピザやフライドポテト、ハンバーグなどの洋食、麻婆豆腐や餃子、エビチリなどの中華料理と色とりどりで、おいしそうな料理が湯気を立てて並んでいる。
「ありがとうございます!」
「おいしそう……!」お目目キラキラ
「フフフ♡壮観ですね、ここまで手広く色々なモノをお持ちとは♡」
「すごいわね、これもしかして全部手作り?」
ヒョウと先生が労いの言葉と視線を向ける先には、補習授業部の面々が居る。
ヒフミは純粋に返事を返し、アズサは並べられている料理に目を輝かせ、ハナコは意味深に笑い、コハルは素直に料理の多さに驚いている。
「いやー、一時期はどうなることかと思ったが丸く納まってよかった。」
「そうだねー、私、途中から何がどうなってるのか分からなかったもん。」
「え、もしかして途中から何も分かってなかったんですか?」
「うん!正直第二回の試験が終わったあたりから、もー全く分かんなかったよ!」
「えぇ……」
「しょうがないじゃん!無我夢中だったんだよ!」
「先生って、もしかして結構おバカ?」
「そ、そんなことないもん!私これでも○○大学を主席で卒業したもん!おバカじゃないもん!」
「……マジで?○○大学?うっそだろ?」
「え……その非常識さで?」
先生の言う○○大学というのはこの世界のキヴォトス外の名門大学なのだ。キヴォトスで卒業した生徒会長などのトップ層みたいな優秀な生徒が進学するようなマジで頭のいい大学なのだ。
ヒョウの元の世界で言うところのハーバード大学と同じような大学である、何故知っているかと言うとキヴォトスについて色々調べた時に出てきたのだ。
「なっ!ヒョウ君めちゃくちゃ失礼だよ!証拠もあるんだから!ほら!」
そう言うと先生は大学時代の写真を見せてくる。
そこには今の先生と比べて全く容姿の変わっていない制服姿の女性が写っている。
「……これもしかして先生ですか?」
「そうだよ!どこからどう見ても私じゃん!」
「私の目には今と全く変わっていないのですが……」
「フフン!すごいでしょ!私はいつまでも若いままなんだから!」
先生がどや顔でそう言う。
「確か先生って二十……」
ガシッ!!
「何か言った?」
「あ、なんでもないです。」
やめよう!女性への年齢言及!(n敗)
「あ、あはは……それはそれとしてほんとによかったです。」
「そうだな、いったん丸く納まってよかった。」モグモグ……
「あらあら♡もう食べちゃってますね、ほっぺたを膨らまして可愛いですねぇ♡」
「確かに……美味しい……」モグモグ……
アズサとコハルはすでに料理に手を付けている。
「まぁそうだな、とりあえず今日は楽しめ!この料理は全部俺が寄りを掛けて作ったから存分に味わってくれ!」
「わーい!ヒョウ君のご飯だー!」
なぜか補習授業部の四人よりも先生の方が嬉しそうにしている。……まぁいいか。
「なるほど、この前SNSで話題になったのはそう言うことだったのですか。」
「そうなのか?俺はあんまりSNSの方は見ないから知らないんだよな……」
「そうなんですか?ヒョウ君はそういうことをよく知ってそうな感じなんですが。」
「いや、俺は必要な時にしか見ないからな、見るとしたらアリスとの会話のレパートリーを増やすためにゲームの情報を見るぐらいだからな。」
他愛もない話をしながら食事をしていく。
「そう言えば今後補習授業部はどうなるんだ?」
「それ、私も気になってた!」
「そうですね、お二人はまだ知らなかったんですね。」
ヒフミは語りだしていく。
「補習授業部は名目上は試験が終わり、解散という形になりましたが。このまま解散してしまうのも味気ないと思いまして、ナギサ様にお願いして部として存続させてもらえることになったんです!」
「そうなのか、具体的にどんなことをするんだ?」
「いえ、特にこれと言って何かをするという訳ではないですが、放課後に集まってみんなでお話したり、名前の通りお勉強会を開いたりと、そんな感じですね。」
「なるほどな、これからも補習授業部は続いていくってことか。」
「そうですねこれからも皆さんと仲良くしていけたらいいなって。」
「そりゃいいことだ。それなら、時々俺も呼んでくれないか?」
「いいのですか?ヒョウ君は忙しいのでは?」
俺がそう言うとハナコが心配して聞いてくる。
「心配してくれてありがたいが、適度に息抜きは必要なもんでね。お前らと居ると退屈しなさそうだしな。」
「それは嬉しいですね♡」
どうやら補習授業部は存続という形になっているらしい。こいつらは四人そろってめちゃめちゃ面白くなる集団だからな、ヒフミがナギサに掛け合ったらしい、いい判断だ。
「それとエデン条約の件だが、今後は俺も一枚噛ませてもらうことになった。」
「そうなのか?」
「あぁ、セイアに頼まれたからな。」
「セイアに?」
「そうだ、エデン条約が上手くいくようにな。」
「例えばどんなことをするんだ?」
「うーん、そこんところは俺もまだ知らねぇな、セイアからの指示が出次第動くって感じだな。」
「確か先生もエデン条約に絡むだろ?そんときゃよろしくな。」
「知ってたんだ、それならよろしくね。」
「あぁ。」
そうしてそこからまた時間が過ぎ用意した料理も少なくなってきた。
ヒョウは少し離れた机で次の依頼の詳細を確認していた。他の皆は猥談……いや雑談をしている。
「ねぇ、ヒョウに聞きたいことがあるんだけど、いい?」
「ん?別にいいぞ。流石に企業秘密の事は言えないがそれ以外ならなんでも聞いてくれ。」
突然アズサがヒョウの元に来てそう言ってきて、ヒョウはそれを承諾する。
「なら、その……」
「……どうした?」
いつもと違うアズサの様子にヒョウは疑問を抱く。
「いや……聞いていいのか分からなくて……」
聞きにくいことなのだろうか?ここまでたじたじになってるアズサは初めて見る。
「本当に気にするな、聞きたいことを聞いてくれ。」
「……分かった、そこまで言ってくれるなら……」
アズサは少し息を吸い呼吸を整え口を開く。
「ヒョウの家族って、四人家族だったりする?」
「……どうしてそう思う?」
「あの件が終わって、今までのことを振り返っていて思い出したことがある。」
「ヒョウと初めてあった時、私がなんて言ったか覚えてる?」
「……たしか……『どこかで見た気がする』だったか?」
「うん、それでもう一つ聞きたいことがある、ここ最近で身長は急に伸びた?」
「そうだな、ここ一年で、バカみたいに伸びたな。」
「……そうなのか……それならこの写真は……」
「……いまいち話が見えてこないんだが……あ、それと俺の家族は俺含め4人で合ってるぞ。」
そう言うとアズサはさらに表情を険しくしてしまう。
「……ヒョウ、この写真と指輪に見覚えはある?」
「これ……はっ!?」
アズサが一枚の写真と指輪を机の上に置く。それを見たヒョウは目を見開き大きく動揺する。
「な、何でこの写真が!?それにこの指輪は……!」
アズサが机の上に置いた写真には4人の人が写っており、指輪は0.3カラットほどの大きさのダイヤモンドが施されている。
「これ……俺が小4の時に撮った家族写真……それに、この指輪は母さんがつけてた結婚指輪………ど、どこにあったんだ!?」
ヒョウは珍しく感情を顕にしてアズサを問い詰める。
「お、落ち着いて……この二つは私がまだアリウスで過ごしてた時に、落ちてたのを拾ったものだ。」
「アリウスに……?」
「うん、訓練の途中で抜け出した時にたまたま入った路地裏のような場所でぽつんと地面に落ちてた。」
「……なんでだ?なんでそんなところに落ちてたんだ?何故?何故何故、何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故?」
「ひょ、ヒョウ……?」
少し様子のおかしいヒョウにアズサは声を掛ける。
「何故…………っ!す、すまん。取り乱してた。」
「び、ビックリしたぞ、急に同じ言葉を繰り返し呟くんだから。」
「本当にすまない……」
「いや、いい……恐らくだが、ヒョウにとって家族はとても大切な存在なんだろう?」
「まぁ、そうだな……。」
「ということは、この写真に写っているのはヒョウの家族なんだな?」
「あぁ、この写真は昔撮った家族写真でこっちの指輪は母さんがいつもつけてた結婚指輪だ。」
落ち着いたヒョウは懐かしむように写真を撫でる。
「この時の俺、平均身長だったからな少し小さく見えるな、父さんは相変わらず全身真っ黒だなどういうファッションセンスしてんだか。」
「母さんはほんとに年取ってんのか?俺の一番新しい記憶と全く姿が変わってないし、それに……愛……俺のたった一人の妹……懐かしいな、このころは確か、俺の後ろにピッタリついてきていた頃だな……」
「……守るって……誓ったはずなのにな……」ポロッ……
「ヒョウ……」
ヒョウの目から一つのしずくが流れる。
ヒョウは自分の家族に関するものを全くもっていなかったのだ、何の事前準備も無しにいきなりキヴォトスに飛ばされたのだ、自身の私物や服はもちろん、家族の遺品すら持っていなかったの。
ヒョウ自身は、自分の気持ちを整理できたと思っていた、新しい地で昔のことを忘れ、心機一転新しい人生を楽しんでいると勝手に思っていたのだ。
しかし、ことあるごとに昔を思い出してしまうのだ、イブキちゃんやジュンコちゃんと会う時は妹のことが頭を過り、黒服と会う時は父親のことを思い出してしまう、そしてアリスと一緒に居る時は母親の事を思い出す。
そんな精神状態ということもあり、もう手元に戻ってくることは無いと思っていた家族の遺品が出てきたことにより、様々な感情が押し寄せてきたのだ。
そんなヒョウをアズサは見つめることしかできない、なんと声を掛ければいいのか分からないのだ、しかしアズサの身体は考えるよりも先に動いた。
ギュッ……
「……っ……」「……」
アズサはヒョウを抱きしめる、体格差はかなりあるがそんなものは関係ないとばかりに優しく抱きしめる。
「私は、こんなときにかける言葉が思いつかないから、だからこうすることしかできない。」
「…………」
「ヒョウとヒョウの家族に何があったかは知らない、でもこういう時は人のぬくもりが一番いいと聞いた。」(ᓀ‸ᓂ)フンスッ!
「…………フッ……ハハハ!ありがとな、温かい、しっかりと冷えた体によく効くよ。」
「そう?それなら良かった。」
「あぁ、それともう大丈夫だ、落ち着いたよ。」
「うん、分かった。」
そうしてアズサはヒョウから離れる。
「なぁ、この写真と指輪貰っていいか?」
「もちろん、むしろヒョウが持っておくべきだと思う。」
「ありがとな、アズサ。」
ヒョウは指輪を改めて手に取る。
「……もう絶対に……手放さない……。」
ヒョウは力強くそう誓うのだった。
数日後……
「あれ?ヒョウ君、首に下げてるのは……えっ!?」
「ん?これか?」ジャラ……
ヒョウがシャーレの仕事の手伝いに来た時、先生はヒョウの首に下がっている者に気付き声を掛ける、するとヒョウはそれを持って先生に見やすいようにする。
「え……そ、それ……ゆ、指輪……」カタカタ……
「あぁ、指輪だな。これは、俺にとても大切なものだ。」
ヒョウの付けているネックレスには指輪が引っかかっている。
「これは肌身離さず持っておくって決めたからネックレスにしたんだ。」
ヒョウはそれを優しい眼つきで見つめる、まるで宝物を見るように。
「……どうした先生?」
そうこうしているとヒョウは先生がカタカタと震えていることに気付く。
「ひょ、ヒョウ君が結婚しちゃった……」
「してないぞ?おい?先生、先生?」
この後なるべく自分の家族のことを隠しながらも何とか誤解を解いたのだった。
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