その為、この短編の様に成りました。
かつて、帝国海軍が艦名の命名基準を設定した時、明治天皇はおっしゃったそうである。
「沈んだりしたら故人に失礼」
その結果、日本海軍(海上自衛隊も継承)では、人名を艦名に使用して来なかった。
欧米では、むしろ故人を讃える意味とかで、人名を使用して命名する場合が多い様だが。
片や日本では、人名を使用しない事もあって、女性名としても違和感の無い艦名が多い。
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艦魂。それは「フネ」を愛するものたちの語り継ぐ伝説。
彼らは彼らの愛する「フネ」に命と心が宿ると信じた。
故に「それ」ではなく「彼女」と呼んだ。
故に彼らは信じる。目に見えないだけ、耳に聞こえないだけ。
1パイの「フネ」には、必ず1人の「彼女」が居る。
若く美しい乙女の姿をした、心優しき精霊。
もしも「フネ」を愛するものたちの想いが生み出したのなら、
もしも「名」という「言霊(ことだま)」を受け継ぐときには、その命と心は受け継がれるのだろうか。
だとしたら、あの「フネ」は…
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欧米では、むしろ故人とかを讃える意味で人名を使用して命名する場合が少なく無い。
その場合、その名前を呼ぶ方は、どんな言霊を込めているのだろうか。
特に、その故人が男性だった場合。
まさか、輪廻転生を否定するがゆえに「彼女」を「彼」の名で呼ぶ、と言う事なのだろうか。
「その」矛盾を回避するため?
日本海軍は、女性名でも違和感の無い艦名を選択し、故人の名を選ばなかった。
現在の海上自衛隊でも、例外は南極探検艦「しらせ」位だろう。
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今年も、南極から「しらせ」は帰国して来た。
そして、南極が夏へと向う北半球の秋までを過ごす母港へと戻って来た。
その「しらせ」を出迎える「戦友」たち。
この探検艦を運用する海上自衛隊の自衛艦に宿る乙女の姿をした艦魂たちが「しらせ」の艦上に転移して来ていた。
果たして、誰かに「それ」が見えていただろうか。
しかし「彼女」たちを愛する者たちは「彼女」たちの存在を信じる。
その乙女たちに囲まれて、黒1点とも言える“男性”が照れていた。
何故か、明治時代の陸軍中尉の姿をした「彼」。
白瀬矗
日本における南極探検の先駆けと成った陸軍中尉。
南極探検艦に相応しい名前が広く募集された後、最も相応しいとされたのは、白瀬中尉の名であった。
その「彼」が、今ここに存在している。
言霊に込めた想いが、蘇(よみがえ)らせた。
今「彼」は新たな仲間たちと成った乙女たちに囲まれて、再び南極に挑んでいる。
それは「彼」自身の想いでも、あっただろうか。
ご意見ご感想をお待ちしております。
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旧サイトに此の短篇を投稿した際には、前書きにも書いた様に解釈しました。
この後に投稿予定のエピソードには「前世」男性で、美少女化した艦魂に転生するキャラクターが登場します。