先生やってる兄貴の女性関係が終わってんだが? 作:グラビトン
ブルアカの二次創作書きたいなーと思いまして………二番煎じとなる先生に兄弟を生やしました。
今回はプロローグ的なお話になりますが、良ければご覧になってください。
学園都市《キヴォトス》
ここはあらゆる非常識が常識であり、非科学も空想も形あるものとして存在するような超巨大都市。
犬や猫は服を着て立って歩いて話す、自立稼働のロボットは珍しくもない、超が着くほどの銃社会であり、学生と呼ばれる女性達を始めとした住人達は当たり前の様に銃火器を持つ………そんなイカれた場所である。
そこに根付く文化、地理は通常の世界と変わらない部分もあるが………やはり、外の人から見ればその世界は狂っているものと思われるだろう。
………そんな世界に生徒から先生という大人としてやってきた男が1人、彼を始めとしたヘイローを持つ生徒達との青春の物語は……数々の傷みや問題を乗り越えてきた。
故にその間にできた絆も強固なものとなり…………生徒達からすれば、そういう大人はそういう対象になっているのも必然だと言える……かもしれない。
色んな貞操観念すら無視されかねないその状況に………また、ある男がこの学園都市にやってきた。
「………ここが、キヴォトスね」
ターミナルから荷物を詰めてるであろうキャリーケースを転がし、学ランを身にまとった1人の若い男は……辿り着いた非常識な世界を見渡していた。
「………犬猫歩いてるし、ロボット居るし………うわ、めっちゃ当たり前かのように銃持ってんな………あれは学校の生徒か、頭のあれなに……天使の輪的な………てかみんな可愛いなオイ、それでも普通の人間よりつえーんだろ、こんなとこで教師とかイカれてんなアイツ………んーーっ」
一人で何かを呟きながら、男は長旅の身体を伸ばす、そして………腹の音が大きく鳴った。
「……あー、そういや全然食ってねぇな………とりあえず兄貴にはもっかい後で連絡すりゃ良いか、んじゃまぁ」
男は空腹な自分の腹に手を当ててスマホを取りだし、検索を始める…………男は美味い店はどこかなーと探り出す、そしてある1つの店が目に止まった。
「おお………よし、行きますかい」
そして男はキャリーケースを引っ張り歩き出す、犬猫が歩き、銃を当たり前のように持っている群衆の中へと紛れて行った。
これは、透き通る青春の世界にやってきた男が…………生徒と先生の乱癡気騒ぎに巻き込まれてゆく………そんな物語である。
◾︎◾︎◾︎◾︎
砂漠が近隣にあるこの地区は、アビドスと呼ばれている。
以前はオアシスも存在しており、中心たるアビドス高等学校の存在もあり観光客や生徒、住人達で賑わっていた場所だが………数十年前の砂嵐により状況は一変し、環境の荒れで名物であるオアシスが枯れてしまい、進みゆく砂漠化対策も多額の借金を残して失敗してしまい、好転の望みなしと見切られて多くの生徒、住人達がその場から去り………今では少ない住人達がそこで暮らしていた。
………まぁそんな暗い話にはなってしまったが、それでもここが好きだという住人達は数多く存在しており、いつの日かまたかつてのような賑わいを目指して奮闘する者達は沢山いる。
…………その代表たる集団は今………柴関ラーメンという屋台でラーメンを食べているのであった。
「………ん、身に染みる」
「だね〜、さっきのヤンキー達を懲らしめた後だとね〜」
「セリカちゃんも一緒に食べましょうよ〜」
「いやいや、私はまだバイト中ですよノノミ先輩?」
「いいよセリカちゃん、ピークは過ぎたし座ってきな」
「ええ?あー、大将が言うならお言葉に甘えます……」
「ふふ、取り分けて上げるね」
アビドス高等学校に属し、借金問題を解決すべく活動をしているアビドス対策委員会、小鳥遊ホシノ、砂狼シロコ、十六夜ノノミ、黒見セリカ、奥空アヤネ。
数多くのトラブルに見舞われながらもアビドスの為に行動している5人の集団、彼女らの姿を見て希望を見出している者達も数多い………それはこの柴関ラーメンの店主も同じ事だった。
彼女らは問題を起こしていたチンピラ達を懲らしめ、その帰りにラーメンを食べにやってきた……そこでバイトしていたセリカも、大将の勧めで同伴するのであった。
「それにしても最近平和だね〜、特に面倒事も起きてないしね〜」
「さっきのは面倒事に入らないんですねホシノ先輩………」
「ん、あの程度運動にもならないから」
「ですね〜☆でも最近先生は忙しそうですし、顔見れてませんよね〜……」
「最近と言っても、会ったのは1週間前ですけどね」
「ふ、ふんっ……まぁ私達より忙しいし仕方ないわよ」
「おーセリカちゃん、寂しそうだね〜」
「べ、別に忙しいからって言ったじゃないですか!そういうホシノ先輩だって時々切なそうにしてたじゃ無いですか!」
「う、うへ〜そんなことは無いよ〜?」
「ホシノ先輩、時々スマホで先生とのツーショット眺めてむごご」
「はーいお口チャックねシロコちゃ〜ん」
普段は昼行灯なホシノを筆頭に、個性豊かな後輩達が先生に関する話題で盛り上がっている様を柴大将は微笑ましく眺めていた………しかしこうも考えていた。
「(シャーレの先生は相変わらず人気者だな、当然ではあるが………しかしこれ以上生徒達に好かれたら、本当にいつか刺されそうで怖いな……)」
シャーレの先生………連邦生徒会直下の組織にいる大人と呼ばれる、キヴォトスにおいて唯一無二の男。
数少ない大人として生徒達の問題に飛び込み解決する敏腕だが、それ故に心を奪われた生徒たちも数多い、対策委員会の生徒達も例外なくだ。
好かれてること自体はいいと思う、しかし度が過ぎると必ず身を滅ぼしかねないような事態になりそうだと、大将は少し冷や汗をかいて考えていた。
「……ん、でも会えないのは寂しい、今からシャーレ行って襲「っちゃダメだからね〜?おじさんが許さないよ〜」………ん」
「(………頼むから大事にはならないでくれよ先生)」
彼が原因とはいえ、大将にとっても恩人には違いない為、間違いが起らないことを切に祈るのであった。
そして、そんな時だった。
「………柴関ラーメンって、ここっすか」
「おっとそうだよ、らっしゃい!」
一人考えていた大将の元に、この店が柴関ラーメンかどうかを聞きに来た声に答えて彼は向き直り……すこしだけ、じっと見つめた。
見慣れない制服………学ランと呼ばれるものだと直ぐに理解した、キャリーケースとスマホを持ちながら大将を見つめている、対策委員会達の年齢と差は無い………そして珍しい、女性ではない男性の生徒、そして……ヘイローが頭に無かった。
「……………」
「…………えっと、どうしたんだい?」
「……あ、すんません、食べに来ました」
じーっと柴大将を物珍しそうな目で見つめられ、困惑したところでその男はカウンター席に座った。
そしてその男は、スマホに映し出された画像を大将に見せるのであった。
「これを見て食べたいと思いまして、これってメニューにあるっすか?」
「えっと?…………え、これ?確かに前に出したけど、これを食べるかい?」
「はい、腹空いてるんで」
「………大丈夫なのか?」
「はい、残さず食うんで大丈夫っす、硬麺で」
「そ、そうか……分かりましたお客さん、少しお待ちを」
「あー後チャーハンと餃子1人前お願いします」
「………………お、お待ちを」
差し出された画像の品と更なる追加にギョッとするが、男の注文を大将は受け取り調理を開始する。
カウンターに置かれたお冷を飲みながらスマホを弄るその姿を………向こうのテーブル席に座っている対策委員会の5人もじっと見つめていた。
「…………誰だろ、見慣れない制服だけど」
「少なくともアビドスの人じゃない……ですよね〜?」
「観光客かな……先生と同じ男の人?」
「みたいだけど………それとも大将、何を見せられたんだろ……少し驚いてたけど」
「ちょっと怪しい…………かな〜……でも、なんだろ?」
誰かに似てる。
小鳥遊ホシノは眠そうな目をその男に向けながら、無意識に心当たりがあるかのように考えていた。
なんて事ないお客さんの筈なのに5人は彼に目を離せずにじーっと見つめていた、そして男は無表情でスマホを操作しながら…………目だけを対策委員会の席に向け、彼女らは慌てて目を逸らし、その様を男は眉を顰めた。
「…………?」
「へいお待ち!」ゴトンッ
「「「「「……え?」」」」」
そして大将がカウンター席の男の前に、大きなどんぶりを音を立てて置いた。
麺とスープの上にチャーシュー、もやし、その他トッピング………まさしくてんこ盛り、とても1人前とは思えない程の量の柴関ラーメンがそこにあったのだ。
「(あ、あのラーメンは……!?)」
セリカは一人内心で戦慄を感じながら思い返した、柴関ラーメンが店舗として構えていた時……便利屋と呼ばれる集団が金欠という事に配慮した大将が粋な計らいとして、1人前と称して4人前のラーメンを出した時の物と同じだ。
その後も裏メニューとして出そうかなと言って一時期出したが、やはりと言うべきか頼まれず、頼む人が居たとしても食べ切れないという事態になってしまい、やがてメニューから消えた幻のラーメンだったのだが…………まさか男が見せたのは、そのラーメン!?
「それともチャーハンと餃子1人前お待ち!」
「つ、追加注文もしてるんですか〜!?」
「?」
「「「「「……(プイッ)」」」」」
「……いただきます」
割り箸とレンゲを手に取り、男はまずスープを1口のみ、次に麺を啜る、もやしとチャーシューを口に含んでスープと麺を食し…………食べるスピードは徐々にペースを上げていった。
「………」ガガガガガガガッ
「は、はやい…………」
「嘘でしょ、4人前以上を一人で食べてる……!?」
「う、うへ〜………」
シロコ、アヤネ、ホシノはその光景を見て戦慄する、無表情だが美味しそうに食べる彼、そして合間合間にチャーハンと餃子も忘れずに食する、そして何よりも早い、味わっているのか分からないがとにかく早い、山のように積まれたもやしとチャーシューは既に半分以下となり、男は1度その箸を止めて、大将に顔を向けた。
「すんません、替え玉バリカタで」
「あ、あいよっ」
「嘘でしょ……!?」
大将は驚きながらも替え玉の準備をして、男はお冷を飲んだ後餃子とチャーハンを交互に食べる。
あれだけの量でも足りなかったと言うのだろうか、しかし確実に量は減っていた。
「替え玉、どうぞ」
「あざっす………美味いっす」
「あ、ありがとう」
そして男は食べ進め………………大量のラーメンも、餃子とチャーハンも皿の上から綺麗さっぱり無くなっていた。
「…………ごっちゃんです」
満足気に手を合わせ、男は何杯目かのお冷を飲んでゆっくりしていた、対策委員会の5人と大将は、ずっと驚きを顔から隠せずにその光景を見つめていた。
「い、いやいや………このラーメンを4人に出したことはあるけど、まさか一人で食べ切るなんて凄いね、オマケに替え玉と餃子にチャーハン………君フードファイターだったりする?」
「…………よく言われるんすよねソレ、人より大喰らいってだけっすよ、さっきも言いましたけどここのラーメンが美味かったんすよ」
「ははっ、それは良かった…………ところでこの辺りじゃ見ない顔だけど、どこから来たんだい?」
「あー…………外です」
「外………まさか、そういう事かい?」
「へい」
「(外…………先生と同じ?)」
その話を聞いたホシノは、彼が先生と同じく外の世界から来た人間だと言うことを知り、考える。
それだけなら特に気にするような事もないのだが、どうにも気になってしょうが無かった、彼の正体が気がかりになってた。
「とりあえずまた来るんで、会計を」
「あぁ、少し待って下さい」
そうこうしていると彼は会計を済ませようとする…………そして、彼女らのうちシロコとホシノは気づいた。
彼の後ろに置かれてるキャリーケースに、誰かが手を伸ばしていたことに。
「……ッ!」
「……ぁ?」
「あっ」
「ありゃっ」
ヘルメットを被っていた黒い生徒は男のキャリーケースを手に持って素早く逃走する、ここら一体で問題を起こしているヘルメット団の一員…………観光客の荷物を目当てにうろうろしていたのか、男の荷物を掻っ攫って逃走しようとしていた。
「シロコちゃんっ!」
「んっ!!」
対策委員会と大将は突然の盗難に驚くが、ホシノは素早くシロコに呼びかけて、シロコは自前の銃を手に持って追いかけようとする。
「(一瞬出遅れた、間に合うか……!?)」
思いの外逃げ足が早く、撃つにしてもこの銃で当てられるか分からない距離、荷物に穴が開くかも知れないし犯人に当たったとしても怯ませられるかどうか…………。
そう考えて行動しようとする、そしてふと先程荷物を取られた男の方へ視線を向けて…………
彼がそこに居ないことに気づいた。
「……あれ」
「ぎゃぁぁあっ!!!?」
一瞬呆気に取られていると、窃盗犯が逃げた方向で大きな悲鳴が上がり………シロコとその周りにやってきた対策委員会と大将はその方向を見つめ…………驚く。
自分の荷物を盗られた男は、その窃盗犯の背中にキックを入れていたのだから。
「い、いつの間に……!?」
シロコは声を上げて驚いていた。
盗まれる前、座って大将に集中していたから反応は私達よりも遅かった筈なのに…………いつの間にか私達よりも早くあの窃盗犯に追いついて止めていた、それも飛び蹴りをするくらいのスピードで。
蹴りを入れられた窃盗犯は余程衝撃が強かったのか、倒れてそのまま動けずに居た。
「……ったく、普段女に蹴りとか入れないけど、これはおあいこだよな?」
「て、てめぇ……ぅぐっ!?」
「銃はダメ、死ぬし」
「おっとと」
ヘルメット団の一員は銃を取り出そうとしたが、男がもう片方の脚でそれを踏んづけて抑え、近づいてきたホシノがそれを取り押さえた。
見たところその他には手榴弾等のものはない、荷物の窃盗をするくらいには懐が素寒貧だったのだろう、これで危険は無くなったと言える。
「………おっと、すんませんわざわざ」
「いいよいいよ、気にしないで〜……一応弾は抜いておこうかな」
「うわ……映画とかでよく見るヤツ」
ホシノが念の為に銃から弾を手馴れた様子で取り出す様を男はマジマジと見つめていた、そして周りの対策委員会の仲間達も取り囲んでいた。
男はその光景に集中しながらも、窃盗犯に乗せている脚から体重を載せて動かせないようにしていた。
「よし、それにしても君……あそこから追いつくとか凄いね、走ってひとっ飛びじゃん」
「まぁ、はい、キヴォトスに住む人はめちゃくちゃ頑丈だと知らされてたんで、少しくらい加減しなくても大丈夫かと思って普段より力入れまして」
「……あのー、さっき話が聞こえたんですけど外の世界から来た人なんですよね?えっと、観光………ですか?」
「あー………ある意味観光っすね、前々からキヴォトスには興味あったし……ある人の様子も見に来たかったんで」
「……ある人?」
「ちょ、退いてくれ……もうしないから………」
シロコがある人とは誰なのか疑問を問い掛ける、男は頭をかいて困ったような顔で語り始める。
「そいつ自分からろくに連絡もしないんで、親もずーっと心配してるもんだから、これを機に俺がここに来てどんな様子か見に行くってなったんすよ、多分皆さんも知ってる人だと思うんで」
「えっ、私が知ってる……ですか?」
「だって有名っすよね、アイツ……」
「……いや、本当に来たんだお前」
そんな時だった、対策委員会と未だにヘルメット団の一員を下敷きにしている男の元に1人の男の声が差し込み、全員その方向へ振り返る。
そこに居たのは成人男性で、死んだ目の上に眼鏡を掛けており、白い白衣のような連邦生徒会の服装と首に下げた直属の一員であることを表すタグを首から下げている。
対策委員会はその人をよく知っている、何度も救ってもらった恩人で………意識して止まない人なのだから。
そしてその男と後から来た大人と目が合う、そして………。
「兄貴」
「ヘッドロックとバックブリーカー、どっちがいい?」
「どちらも御免こうむるよ、もう………とりあえずその子から脚を退けて、事情は何となく分かったから」
「はいよ………んじゃどっちもということでいいな?」パキッポキッ
「やめてって!わざと連絡してなかったわけじゃないから!!」
「うるせぇ、連絡忘れてたのは事実だろーがクソ兄貴、灸を据えろっつー父ちゃん母ちゃんのご達しだ、とりあえず腕行っとくか」
「待って洒落にならない!!落ち着いて!!」
男はシャーレの先生を兄貴と呼称し、指の骨を鳴らしながら近寄り先生は言い訳を述べながらそれを手で制する。
その光景を対策委員会全員が、ポカーンとした表情で見つめていた。
男が先生を呼んだ言葉が、兄貴だったからだ。
「……え?」
「あに、き?」
「今先生のこと、あの人兄貴って……」
「言いました、ね?」
「ってことは、つまり………」
「「「「「先生の、弟!?」」」」」
「(……ん、義弟!)」
かくしてキヴォトスに先生の弟がやってきた。
そしてこの先………先生を巡る生徒達の闘争に、弟は巻き込まれてゆくことなるのを、彼はまだ知らずにいた。
「(………あの人ら、この兄貴に多分気があるな)」
「うぎゃぁぁぁぁぁあっ!!?」
………いや、もう予感していたかもしれない。
弟
今作品の主人公、キヴォトスとそこで教師をやる兄に興味を抱いてやってきた、兄弟でフィジカル担当。
先生
我らがシャーレの先生。
弟には顔が上がらないが関係は良好、正直危険だからあまり来て欲しく無かった模様、兄弟でイオリの脚担当。
対策委員会
突然の弟襲来にビックリ、しかしこれはチャンス?
次回からガッツリ行こうと思います、よければ感想お願いします。