選択権無しのマリネット   作:ルスト

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11話 あたしはそんなものどうでもいいんだよ!

 夢の跡地から帰って来た後、あたしはさっさとサンヨウシティを出ようとした。

 ……が、またしてもあのボケジジイに阻まれた。

 

「おい、サンヨウジムのバッジならここにあるだろ!

 なんでまだ道塞いでやがるんだ!?」

「ああ、サンヨウジムのバッジは確かに取ったようじゃな。感心感心。

 ワシのおかげで貴様は逃げずに勝ち抜けたと言うわけじゃ、感謝せい」

「何がテメエのおかげだよ! テメエが居なくても3番道路のポケモン取ったら戻ってきて挑んだっつーの!」

 

 この傲慢ボケジジイ!

 いちいち人が苛つく言い方してきやがる!

 

「というか、お望み通りバッジ取ってきてやっただろうが!

 これで満足だろ! 道開けろ!」

「何を言っておる! 貴様はまだマコモの依頼を終えておらんじゃろうが!」

「はあ!? あたしの想定とは違った結果だったが、ちゃんとゆめのけむりはあいつの手に渡ったぞ!」

 

 これで問題ないだろうが!

 

「その後の結末を見届けておらんじゃろ!

 最後まで見届けてこそポケモントレーナーじゃ!

 もう一度来いと言われたなら素直にマコモの所に行け!

 それにしても、とことん礼儀知らずの小娘じゃ!

 ワシがこの場で手を出さなかっただけ有難いと思え!

 ワシの気が変わらんうちにさっさと行くがいいわ!」

「ちっ……!」

 

 このボケジジイは絶対、いつかぶっ潰してやる……!

 何が『最後まで見届けてこそポケモントレーナーじゃ!

 もう一度来いと言われたなら素直にマコモの所に行け!

 ワシがこの場で手を出さなかっただけ有難いと思え!』だよ!

 このボケジジイ! とにかくあたしを苛つかせる事ばかり考えてんじゃねえのか!

 何様だよマジで!

 あたしはテメエの都合のいい人形じゃねえ!

 

 

 

 

 

 

「じゃじゃーん!

 アナタのおかげでゆめのけむりが入手できて、いろんなトレーナーのレポートを集められるようになったわ!

 本当にありがとうね!

 感謝の気持ちとしてC-GEARを使えるようにするね!

 これは通信に関係するデバイスよ」

 

「通信? 何に使えって言うんだよそんなもん」

 

 使い道ねえだろ。

 というか、ライブキャスターとかいう迷惑通信機を既に押し付けられてるんだけど、あたし?

 通信用の機械そんなに要らねえよ。

 

「そんな事無いわよ。最近流行っているブラックシティのポケモン通販は知っている?」

「ああ。あたしはそのうちあれで強いポケモンを買おうと考えてんだよ。

 それがどうかしたのか?」

 

 今はまだ良いけど、絶対必要になる。

 だから、その時に備えて金はなるべく溜め込まねえとな。

 

「このC-GEARがあったら、あの通販会社からポケモンを購入する事が可能になるわよ。

 というより、これが無いと連絡取れても買えないわ」

「は!? 連絡取れても買えなかったのかよ!

 それ、マジか!?」

 

 これが無いとあの通販でポケモン買えなかったのかよ!?

 つまり、仮にあたしがあのボケジジイをぶっ潰すためのポケモンをくれって通販会社に問い合わせて代金を払えたとしても、結局手に入らねえじゃねえか!

 

「まあ、それは二度手間のお詫びも兼ねたお礼よ。

 それはさておき……ゲームシンク……!

 トレーナーのレポートを集めるシステムについて説明したいの!

 もうちょっとつきあってくれる?」

「ゲームシンクなんてあたしは心底どうだっていいし興味もない。

 壁にでも話してろよ。じゃあな」

 

 帰ろうとしたら再び腕掴まれて帰れなくなった。

 何しやがんだ! 離せ!

 

「ごめんなさいね! 私は完成して凄く嬉しいから誰かに説明したいの!

 悪いけど拒否権はないわ! 聞いてちょうだい!」

「ざけんなこのボケ!

 あたしはそんなもんどうだっていいんだよ!

 腕離せ! 帰らせろ!」

 

 あたしの意思を無視するな!

 勝手な都合ばっかり押し付けるな!

 

「だってアナタのおかげで物凄いことが出来るんだもの!

 ゲームシンクって、ゆめのけむりを利用して眠っているポケモンの記憶を取り出せるようになったの!

 そう! 世界中のトレーナーのレポートを集められるの!!」

 

 ああもう! 腕離せ! 帰らせろ!

 

「更に凄いことが分かって……!

 ゲームシンクで眠らせたポケモンは寝ている間に夢を見るの!

 で、ゲームシンクで眠らせたポケモンを起こすと、そのポケモンが見た夢はイッシュ地方の中心にあるハイリンクという空間で現実になっているのよ!!

 ゲームシンクって凄いでしょ! どう興味出た?

 興味が出たらアナタもレポートを送信してみてね。

 詳しい事はそこにあるパソコンにまとめているから良ければチェックしてね!」

「どうでもいいから、この腕! さっさと離せよ……っ!」

 

 どれだけ身勝手なんだよこいつ!

 言い終えて満足したのか離したけど、掴まれた場所赤くなってんじゃねえか!

 

 

 

 

 

 

「ああもう! 最悪だ! 力が無いからこんな事になる!

 ボケジジイをぶっ潰せたら、こんな目に遭わなくて良かったってのに!」

 

 あのボケジジイを倒す事が出来てたら、あたしはこんな所で無駄に足止めを食らわずに済んだはずだ!

 確かにひでんマシンや通販のポケモンを買うために必要な物は貰ったけど、だからって聞きたくもない話を力ずくで聞かされる必要なんか無かった筈だ!

 

「くそっ! さっさと出てくぞこんな街!

 って言いたいけど、一応夢の跡地で修行だけしていくか……」

 

 この先どんな目に遭わされるか分かんねえ。

 ボケベルみたいに身勝手にあたしを盾にする奴等が出てきてもおかしくないし、あの強盗共との戦いでもポークは足手まといになってきていた。

 少し修行、するか……。

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