選択権無しのマリネット   作:ルスト

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34話 ここを拠点に修行するか!

 翌日。カイリューに頼んでカラクサタウンまで連れてきてもらったあたしは、そのまま1番道路に戻ってきた。

 水路が続いているんだけど、その先に行く手段は当時無かった。

 カイリューに乗せてもらって、この先に行ってみたい。

 

「カイリュー、なみのり頼めるか?

 この水路の先に進みたいんだ」

「リュー」

 

 カイリューは水路に入り、空の時と同じように背中を示す。

 ロープももちろん空の時と同じように渡された。

 カイリューに跨り、ロープを握る。

 

 

 

「っと、よし。持ったぞ。カイリュー、頼む」

 

 あたしの声を合図に、カイリューは水路を進み始めた。

 カイリューは1番道路の水路の先へとゆっくり泳いでいく。

 行ったことの無い場所、果たして何があるのか。

 誰にも干渉されない、止められる事もない、あたしの冒険。

 地図によると最終的に18番水道で行き止まりになっていた。

 それでも、ほんの一時かもしれないけど、あたしが望んでた冒険が出来そうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「カイリュー、ありがとな。

 さて……って、この感じ……結構、敵、強いのか……?」

 

 上陸した途端、体が震えた。

 流石にアスラほど強い奴は居ない気がするけど、今のあたしの手持ちと互角の戦闘力はありそうだ。

 

「下手に戦うと、不味いかもしれないな……」

 

 要警戒、要注意。

 とりあえず、敵は避けることにするか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へえ……海ってこんな感じなんだな……」

 

 17番水道。

 見渡す限り水しかなく、歩けそうな場所は全て浅瀬だ。

 敵が見えるし、通るのは気をつけた方がいいな。

 とりあえずこっそり進んでいくか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「って、こんなところにわざマシン落ちてるじゃねえか!

 水に沈んでないからか、使えそうではあるけど……」

 

 途中、浅瀬に光るものが見えたから寄ってみたらわざマシンが落ちていた。

 中身は……どくどく?

 とりあえず持っていくか。

 

 

 

「それにしても、海ってあちこちに変なの浮いてるな。

 なんか弱そうだし、1匹捕まえていくか」

 

 

 

 ポークのスモッグで弱らせて……とりあえず捕まえた。

 プルリルって名前なのか。

 みずタイプ居たほうが良さそうだし、鍛えるかな。

 

 

 

「って、この見た目でゴーストなのかよ……」

 

 どう見てもゴーストには見えないけどな。

 まあゴーストならタブンネ相手にはかなり役に立ちそうだ。

 タブンネも簡単に狩られたくないからか、ライモンシティの周りでは割と激しい抵抗を仕掛けてきた。

 特に『ひみつのちから』『メロメロ』が滅茶苦茶厄介だ。

 メロメロで媚びて命乞いして手を止めさせた上で、ひみつのちからで逆に殺しに来やがった。

 メロメロは無理だけどひみつのちから対策に使えるかもしれない。

 

 

 

「お、陸地が見えてきた。

 よし、気をつけて進んでいくか」

 

 長い階段がある、起伏の激しい島らしい。

 しかし、まだ戦いは避けていきたい。

 タブンネの気配を感じたら戦いに行くけど、この辺の野生と真っ向勝負するとかなりキツそうだからな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんだ、こんな所に小屋がある……」

 

 途中で見張っていた男を避けつつ先に進むと、小さな小屋があった。

 なんでこんな所に小屋が?

 

 

 

「あらお客さん?

 って、ちょっとちょっと!

 貴方のポケモンちょっとへたばってない?」

 

 家主と思われるエリートトレーナーが話しかけてきた。

 ……そう言えば、エリートトレーナーを実際に見たの初めてだな。

 

「まあプルリルはさっき捕まえて、そこから回復せずに連れてきたしなあたし……」

 

 仕方ないけど強行軍している。

 この辺にポケモンセンター無いしな……。

 

「やっぱり! 休んでって良いわ!

 ほら! 遠慮せず休みなよ!」

「あ、ああ……」

 

 回復させてくれるのは助かるが、圧が凄いな……。

 まあ、ここは素直に休ませてもらおうか……。

 

 

 

 

 

 

「それにしても、こんな所に来るなんて珍しいわね!

 貴方、新人?」

「……ああ。一応バッジは3つ持ってるけど」

 

 カミツレに挑んだとしたら、4つになってたんだろうか。

 

「へえ〜! それでここまで来るなんてなかなかやるじゃない!

 皆ライモンシティやホドモエシティの方に行くんじゃないの?」

「そうなのか?

 あたしは自由に冒険したかったから、ライモンシティで通販から足になるポケモン買って、カラクサタウンまで引き返してそのままここまで来たんだよ」

 

 結構捻くれてるとは我ながら思う。

 けど、自由に生きたいって気持ちはどうしても抑え込みたくないんだよな……。

 

 

 

「ん〜……でもそうなると、結構窮屈な旅をしてきたんじゃない?

 私もイッシュ巡りを8年前にやったけど、ほとんど一本道だったからね」

「そうなのか?」

 

 確かにマップは円形に配置された街だったし、右側に行けないなら必然的に一本道になるけど……。

 

 

 

「私はライモンジムを突破した後にワンダーブリッジ方面に行ったのよ。

 ワンダーブリッジの先でボコボコにされたわ!

 野生ポケモンもトレーナーも軒並み化け物だったもの!

 私に出来たのは煙玉でひたすら逃げ続ける事だけだったわ。

 当時はポケモン通販はやってなかったから、私の時にもホドモエシティ方面しか選択肢は存在しなかったわね」

「マジかよ……」

 

 ってか、野生ポケモンもトレーナーも軒並み化け物って……。

 じゃあ、仮に点検中じゃなかったとして、あたしが踏み込んだら……。

 

「ゴーストタイプのポケモンでタブンネの相手をするくらいしか出来ないわね、きっと。

 タブンネを倒し続ける下積み時代を経て皆強くなるのよ」

「結局タブンネなのか……」

 

 何処まで行ってもタブンネを倒す生活なんだな、あたし達。

 

 

 

「あら、もしかしてタブンネハントの経験者?」

「まあ、あれだけ美味しいわけだし」

 

 経験値の塊だからな。

 

「ふーん、今のトレーナーとしては珍しいわね。

 皆通販でポケモン買って、乗り換える旅するのに」

「足になるポケモンは買ったけど、通販に頼り切りは流石にな……」

 

 ここまでなんだかんだでこいつらと来たし。

 

「……その割にはムンナ、悲惨なことになってるわね。

 シンクロノイズなんて覚えちゃって……。

 他のポケモンも上から4つ! スタイルだわ」

「どうやったら対処できるのか分からなくて……」

 

 ムンナが抵抗したけど結局押し流されてしまったんだよな……。

 

 

 

「あら、ポケモンとの信頼関係さえあったら簡単よ。

 技を覚えた時に意図的に忘れてほしい技があったなら『代わりに◯◯を忘れろ!』って命令するの。

 もし覚えてほしくない技を覚えようとしてたなら『◯◯は覚えなくていい!』って命令すれば大丈夫」

「それだけで良かったのか!?」

 

 ……って、言うのは簡単なんだけど信頼関係ってなると難しくないか?

 

「そこなのよね……。今のイッシュのトレーナーって通販でポケモン買って戦う人が多いから、やり方分かってても出来ない人が多いわね。

 通販で買ってるからレベルは高いけど、中身は野生ポケモンと全く変わらないようなポケモン使う人ばっかり!」

「なるほど……」

 

 とりあえず、ここを拠点にタブンネ相手に修行しながら色々試してみたいけど……。

 

「なあ、しばらくここを拠点に使っていいか?」

「もちろんオッケーよ! 小屋の前に橋があるでしょ!

 あそこの岩をかいりきで落とした先!

 そこに大きめの草むらがあるわ!」

「ありがとう、しばらく世話になるよ」

「ええ! 存分に修行していきなさい!

 私に分かることなら教えてあげられるし!」

 

 家主のエリートトレーナーはあっさり許可をくれた。

 とりあえず、徹底的にポケモンを鍛える!

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