選択権無しのマリネット   作:ルスト

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54話 季節の研究、ねえ……

 ベルを倒したあたしはそのまま6番道路へと踏み込んだ。

 さっそく川の向こうに何か落ちてるのが見えたのでカイリューに乗って回収する。

 ……完全に孤島のようになっている空き地に落ちていたのはわざマシンだった。

 前に拾ったわざマシンもだけど、一体誰がこんな所に置いてるんだよ。

 

「一体誰が置いてるんだか……あたしはもちろん助かるけど、誰かが宝探しゲームでもしてるのかね?」

 

 考えるだけ無駄なんだろうけど、どうしても気になる。

 今回の場所は明らかに「なみのりが使えなければ入れない」場所だった。

 

 

 

「フムウ! 君は興味深い! 実験を手伝っておくれよ!」

「一方的な襲撃を実験とは言わねえだろ!」

 

 陸地に戻って進み始めると、すぐに敵に襲われた。

 とりあえず処理する。

 ……いきなり襲ってきたけど、こいつも大して強くない。

 あたしのポケモンはもっと危険な場所でも通用するって事らしいな。

 

「フムフム、このやり方では結果を出すのは難しいと」

「何の実験だよ……」

 

 頭のおかしい奴だったか?

 

「風が吹けばタネが飛ぶ、タネが飛べば花が咲く、花が咲けばまたタネが出来る。

 すべては繋がっているのだ!」

「いや、いきなりあたしに襲い掛かってきたことの答えになってねえよ……」

 

 力の差も関係なく、誰彼構わず襲い掛かってくるトレーナー。

 ホント難儀な奴等だよな。一応金は稼げるとはいえ……。

 さて、次に行くか。

 橋の傍に人影が見えるけど、敵か?

 

 

 

 

 

 

「かんそうはだのポケモンはみずタイプの技や雨が好きなの♪

 これ、ポケモンの特性のお話ね!」

「かんそうはだ……ねえ。で、好きって言うけど具体的には?」

「みずタイプの技を受けると元気になる、雨が降っていても元気になる、凄いでしょ?」

「なるほどな……」

 

 橋の傍に立っている金髪の女に『かんそうはだ』という特性の事を説明された。

 雨を降らせて強力なみずタイプで攻めてくるチェレンのメタには使えるのか?

 ……でも、キングドラとガマゲロゲを今後も使い続ける保証は無いんだよな。

 通販で買ったポケモンなんかどんどん買い替えていく可能性もあるだろうし。

 一応頭に入れるだけ入れておこうか。先に進もう。

 

 

 

「草むらを抜けても襲われないのは良いよな。

 快適に歩けるし買って正解だったよ。

 ……ま、敵トレーナーはシルバースプレーでどうにもならないんだけどさ」

 

 シルバースプレーのおかげで野生ポケモンは襲ってこないし快適に歩ける。

 ……向こうから襲い掛かってくる敵トレーナーが居なければ、という言葉が付くけど。

 どいつもこいつも、絶対に勝てないくらいの力の差があるのにどうしてあたしに挑んでくるんだ?

 途中に居たパラソル持った女なんかオタマロ4匹も持ってたぞ。

 2匹続けて一発でやられた時点で「勝ち目がない」って分かるだろうに。

 降参もしないで玉砕上等で挑んできた。

 ベルもそうだけど、最後の一匹まで戦って玉砕するのがポケモントレーナーにとっては誇りか何かなのかね?

 強盗相手の戦いみたいに負けるとどうなるか分からない、って状況ならあたしだって最後まで抵抗するだろうけど、ここでやってたのは普通のポケモン勝負だ。

 負けたからってポケモンを奪われるような勝負は誰もしていない。

 だから、勝ち目がないならさっさと諦めて降参した方が良いと思うんだけどな。

 アヤさんにもし会えたら聞いてみようか。

 

 

 

 

 

 

「……っと、なんだここ?

 季節研究所?」

 

 そこそこ大きな建物だった。

 季節研究所……。

 季節……ねえ……。

 天気じゃないならあたしにはあまり役に立ちそうにないか?

 とりあえず入ってみるか。

 

 

 

「季節研究所にようこそ」

 

 入ると研究員が出迎えてくれた。

 他にも何人か居るけど、研究に集中しているのか誰もこっちには気づいていない。

 

「旅の途中でたまたま立ち寄っただけなんだけどさ、何してるんだここ?」

「その名の通り、季節に関する研究です。

 機械を使って気温や湿度を調整して疑似的に四季を再現して植物を育てるような研究をしています。

 他には……イッシュの四季と、四季に関係した変化をするシキジカというポケモン……その関係を。

 ……最も、シキジカ関係は多忙で全く手が回らないのですが」

「植物を? それって、例えば何の役に立つんだ?」

 

 やっぱり、食事に出るような野菜か?

 年中育てられるって事だろうし。

 

「そうですね……食べられる野菜の生育は勿論ですが、それ以上に重要なことがあるんですよ。

 例えば……ポケモンに持たせる『きのみ』ってありますよね。

 イッシュではまともに育てられる方法が確立されておらず、手に入れる手段も『野生ポケモンから奪い取る』という方法が日常化しています」

「え、野生ポケモンから奪い取る? マジなのか……?」

 

 ポケモン相手なら『人じゃないから大丈夫』って事なんだろうか?

 そう言えば地下水脈の穴で『どろぼう』のわざマシン拾ったよな。

 それはそうと、プラズマ団が間違いなく怒りそうな案件じゃないかそれ。

 ポケモン相手とは言え強盗するんだし。

 

「マジなんですよ。なんせ、きのみを育てようにも育てられないのですからね……。

 それなのに野生ポケモンはきのみを持っている。

 野生ポケモンは一体どのようにきのみを手に入れているのか。

 土が悪いのか、気候が悪いのか、それとも他に根本的な原因があるのか……。

 季節を研究しているのは、それを解明するための研究の1つでもあるんですよ」

「なるほどな……」

 

 そう考えるとここの研究って将来的に大事になる事やってるんだな。

 今のイッシュじゃきのみなんか超貴重品だし。

 

「いつかはイッシュでもきのみを一般流通させられると良いんですがね……。

 そうすれば、きのみ目当てに狩られるポケモンも減るでしょう。

 それでは、私も研究がありますので失礼します」

「ああ、色々聞かせてくれてありがとう」

 

 

 

 なんとなく入っただけだけど、結構大事な研究してる場所だったんだな。

 ……きのみって貴重すぎて下手に使えないんだよな……。

 洞窟で掘り出せるジュエルの方が安いんじゃないだろうか。

 さて、先に進むかな。

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