白く染まる世界   作:快晴Ⅲ

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第三十話

佐世保鎮守府

「敵の別働隊が進路を変更した!?」

「はい、目標はおそらく、九州南方で行われている戦闘の援護に向かい、迎撃艦隊を挟撃する可能性が高いと思われます。どうしますか?」

「ここで追いかけたら佐世保が手薄になる。確か、呉の増援艦隊が向かっているんだよな?」

「はい。呉鎮守府の艦隊が九州南部に、舞鶴鎮守府の艦隊が九州西部に、それぞれ展開します。」

「舞鶴からの増援はまだ時間がかかるか。呉の艦隊は今どこら辺にいる?」

「すでに豊後水道を出ています。もうすぐ合流するかと。舞鶴の艦隊はあと30分ほどで対馬海峡を通過します。」

「分かった。艦隊の一部を分離、敵艦隊を追いかける。残りは55km線まで後退。戦線を減らす。敵の目的がわからない以上、警戒を緩めるな。新たな敵が現れても耐えるぞ!」

「了解!」

 

***

 

横須賀鎮守府 第三倉庫

「今は何をやってるの?」

「新型エンジンの36時間稼働試験だ。」

「あと誰ぐらいで終わる?」

「14時間。」

「まだかかるか。試作五号機は?」

「機体製造自体は終わってる。あとはこのエンジンの試験が終わって、もう一度新しく作ったものを載せるだけだ。」

「いつまでに完成する?今の状況的になるべく早くしたいんだけど。」

「明日には完成する。」

「分かった。ありがとね。」

これで備蓄を使い切った。早く第三整備場を復旧させたいけど、今は第一、第二整備場で手いっぱいだ。・・・少し相談してみるか。

***

「提督、失礼します。」

「今度は瑞鳳か。」

「うん。少し相談があって。今復旧してる第二整備場の一部施設を使いたいんだけど、いいかな?ホントは第三を使いたいんだけど、全然使えないから。」

「全然かまわないぞ?というか、第三が使いたいなら、先に言ってくれれば良かったのに。優先して復旧させるぞ。なにがしたいんだ?」

「航空機を増やしたくてさ。今の充足は二人で6割ぐらいだし。横須賀に残ってる航空機は旧式のものしかないからね。」

「分かった。ただ、完全に復旧してるわけじゃないから、そこは注意してくれ。」

「ありがとう。」

***

「案外あっさり行けたな~。」

でも、問題は解決していない。アルミがない。それが作れないことには、航空機を増やせない。防弾板、防漏タンク、自動消火装置に関しては作れるようになるだけマシか。あとは機銃とその弾薬、爆弾に魚雷か。

「はぁ・・・。」

溜息が出る。

「暇だなー。」

足を倉庫へ向ける。空から航空機の音が聞こえる。瑞鶴が試験飛行を開始したな。少し準備してから行こう。

***

第二整備場

意外と進んでる。最近修復を始めたばかりなのに。だいたいの設備は使えるようになってる。意外と早く復旧するかな?

「あれ?珍しい人が来ましたね。」

「そんなに珍しいかな?ここに残ってた貧弱な設備じゃどうにもならないから来ただけだけど。ま、第三が復旧しない限り状況は全く変わらないけど。」

「そうなんですね!何をしたいんですか?」

「防弾板、防漏タンク、自動消火装置。ひとまずはこれだけでいいかな。あとはどうにもならない。」

「わかりました!何か手伝いましょうか?」

「いい。」

「なんで!?拒否するの早くないですか!?」

「これは私たちの問題だから、首を突っ込む必要はないよ。」

「いやいや、同じ鎮守府の仲間でしょう。」

「ただここに駐留してるだけじゃないの?」

「いや私はですね!ちゃんとここに着任してるんですから!」

「でも、手伝いがいらないのは確かだから。」

「私も暇なんですよ~。何か手伝わせてくださいよ~。」

「・・・」

もう、無視して作業しよう。あ、そうだ。

「私と瑞鶴の艤装、あまり触らないでほしいな。いろいろと改造してあるから。」

「えぇ?何ですかそれ・・・。」

さ、早く始めよっと。敵がこっちまで進行してくる前には今ある航空機の分をそろえたい。今までは余ってたものとか、古いものを使ってた。それを早く更新したい。いつ来るかわからないから早く終わらせよう。周りに飛んでいる妖精さんに指示を出して、自分も作業に加わる。

「よろしくね。」

「おう、まかせとけ。」

***

しばらく時間が経って、だいたい半分くらい終わったから、完成品を持って一度倉庫に向かう。もう日が傾いている。

「あ、瑞鶴、お帰り。終わったの?」

「うん。瑞鳳はなにしてたの?」

「第二の設備を少し借りて、いろいろ作ってた。」

「そうなんだ。」

「急いで取り付けるよ。明日には終わらせたい。」

「わかってる。ちょっと待ってて。」

倉庫の一角に作った簡易的な設備だから、一度にできる作業量は多くない。それに、一つは新型機に占領されているおかげでさらに効率が落ちる。それは仕方ないけど。一機ずつ出して作業する。ひとまずは防漏タンクと自動消火装置だ。防弾板に関しては、防弾性能はある程度あるから後回しでいい。妖精さんと協力して取り替えていく。量産性を全く考えていない設計だから、結構面倒くさい。

「今ある分は今日中に終わらそ。」

 

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