今の俺の状態じゃ、そんなに長くはもたない。早めに終わらせるか。すぐに勝負に出る。まずは、魚雷を4本、わずかにタイミングをずらしさらに4本、相手を取り囲むように発射。砲撃が機て、海面に着弾。海が爆ぜて、その勢いを利用しながら上へ飛ぶ。そして、発射した魚雷が一斉に爆発。相手の周りの海が真っ白に染まる。さらにおまけの爆雷を4個落として、爆発。相手の行動を封じてから、空中で体をひねって回転し、抜き放った刀で着水しながら切りつける。轟音と共に巨大な水柱が立ちあがる。手ごたえはない。よけられたか。やっぱり、大振りな技は当たらない。水煙が張れると、相手の顔が硬直していた。
「どうした?顔が面白いことになってるぞ。」
***
何なんだ今のは。速すぎて剣先が全く見えなかった。それに、今の衝撃波は何なんだ。レーダーや通信機がすべてだめになった。確実によけたはずなのに。まさか、音速を超えた?ソニック・ブームというのか?こいつに、そんなことが可能なのか?撃ってきた。横に飛んでよける。
ガアァン!
当たった⁉なんでだ?確実によけただろ!なんでだ!
そして、再び前に出てくる。後ろに下がりながら、武器を斧から取り回しの良い剣に変えて応戦する。速い。今までの奴らとは比べ物にならない。流石はあれだけのことをしてるだけある。戦っていて、気が付いた。溜めている。気づけたのは奇跡だろう。後ろに下がる。わずかに遅れて、激しい突風と衝撃波に襲われる。やはり、剣先は音速を超えているのか。だが、これで分かった。こいつも簡単には音速を出せない。そして、わずかに溜めを作るということを。それがわかったところで、こちらも反撃に出る。そしたら一瞬で距離を取られた。
「逃げるのも速いんだな。」
「お前の攻撃を喰らったら一発だよ。そりゃ逃げる。」
こいつの反応速度はどうなっている。剣を少し振り上げただけで逃げやがった。追いかけるために踏み込んだ。奴は、半身になり、剣先をまっすぐこちらに向けた構えをしている。直感的に理解した。何かが来ると。案の定というか、砲弾が飛んできた。この砲弾も飛翔速度が速い。そして、一度撃つごとに複数発を発射している。爆発で視界が奪われ、何も見えなくなる。無理やり前に出る。衝撃、そして、腹部に鋭い痛み。
「クソがぁ!」
そう叫んだのは、俺ではなく、奴。振り返ると、何本かの砲身が割れていた。
***
なんで・・・なんでこのタイミングで割れる・・・!そろそろ限界だとは思っていたが、こんな戦闘中に!すべての砲身が割れたわけではないからまだいいが。ただその主砲も損傷が激しい。ここ数年、まともな換装をしてこなかったのが祟ったか。相手を見ると、腹から青黒い液体が噴出している。確かにダメージは与えた。だが、これ以上は俺も限界だ。仕方ない。あれを出すか。後退しながら距離を取る。そこに砲弾を撃ち込んできた。ギリギリで回避し続けるが、至近弾と副砲で少しずつ損害が増えていく。
「少しきついが、やるしかない。」
70口径20.3cm滑空法を顕現させ、砲撃し、吶喊する。滑空法をしまい、抜刀。全力で振りぬき攻撃。当たらない。すべてよけられる。やはり大振りすぎるか。離れてもすぐに追いつき、刀を振り続ける。再び滑空法を出し、至近距離で砲撃して、大きく踏み込んで、蹴り上げる。狙いは鳩尾。踏み込みが大きかったおかげで、何とかかすらせることには成功、相手は離れていく。
「調子に、乗るなあ!」
周囲の海水の赤色がさらに濃くなったと思ったら、大量の深海棲艦が出現した。まさか、深海棲艦の召喚までできるとは。その深海棲艦が妨害してくる。目の前のやつを片づけたら、奴が目の前に迫ってきていた。狙いは頭部。咄嗟に上に飛んで狙いを外す。激しい衝撃、よけきれなかったか。そのまま蹴りを出す。よけられ、さらに召喚される。
「多すぎるだろ!なんでこんなに湧いてくるんだ!」
すべての深海棲艦を一瞬で片づけたつもりだが、奴にとっては相当な時間だったらしい。すでにいなくなっていた。
「ひとまず、どっか行ったか・・・。」
呼吸を整え、目をつむり、心を落ち着かせる。目を開いて、あたりを見渡す。海は真っ赤に染まり、特にここら辺は濃すぎて黒くなりかけている。強い風が吹き、激しい雨が降っている。視界が悪すぎる。よく見ると、その雨も赤く染まっている。浸水もひどくなってきた。早く終わらせないとな。頭の左側についている、雪の結晶の形をした髪飾りを外し、顔の前に持ってくる。再び目をつむり、集中する。何も聞こえない。何も感じない。どこまでも続く、青く美しいかつての海をイメージし、心の奥底へと意識を映し出す。
「取り戻せ、海よ。かつての青を。生命をはぐくみ、我らを包み込む海よ。」
腕を伸ばし、精神を髪飾りに集中させる。
「海よ、青き輝きを、生命の抱擁を、取り戻せ。」
そう言って、それまで集めていたエネルギーを解放する。気温が急激に下がり、それまで降っていた赤い雨は白い雪に変わり、海も白く包まれる。そして、髪飾りから強い光が放たれ、すべてを覆いつくす。光が収まると、そこには、恐ろしく美しい青を取り戻した海と空が広がっていた。
「帰るか。」
はい!これで第1章地獄の終わりと戦いの始まり、最終話となります。長い間お疲れ様でした。次回からは第2章、始まりです!
白「あのさぁ、第1章だけでこんな長くなるやつ見たことないよ?大丈夫?終わんの?あと、この作品を読んでくださっている方々のこと考えてんの?多分これが第1章だってこと忘れてるよ?覚えてたとしても、章の概念忘れたんかって思ってるよ?」
作「自分で悩んでた部分を全部えぐりにくるのやめてもらえませんかねぇ?」
白「まぁとにかく、これで第1章終わり。」
作「第2章以降。そして、今後もこの作品をよろしくお願いします!めっちゃ長くなるので!失踪しないようには頑張ります!応援、よろしくお願いします!」