白く染まる世界   作:快晴Ⅲ

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第二話

2045年 10月2日

 横須賀に来てから10か月か・・・、結局ここも同じだった、というかよりひどかったな。リンガ泊地よりも資源量が多いから、無駄遣いがひどかった。あいつはとにかく沈めまくる。駆逐艦から戦艦まで。修理にかかる資源よりも建造にかかる費用のほうが多いことがわからないのか。しかも、この規模だと、必要な人間の数も多くなる。100人ぐらいか、リンガ泊地の五倍近いな。さすがにこの数だと一度に始末するのは難しい。誰か一人を殺したら、他の艦娘に危害が及ぶ。外部の何かしらの組織が介入すれば、一気にできるか?もう、毎日、怒鳴り声が聞こえるし、誰かが泣いている。いい加減うんざりだ。静かにならないかな。…これ以上放置すると、この国ごと崩壊する。敵の大規模攻勢の予兆が確認されているというのに、全く対応しようとしない。聞く耳を持たない。外部との通信もできないことはないが、監視されているおかげで満足にできない。ソロモン諸島における、複数の港湾施設の建設、これの意味することはたった一つ、本土侵攻の準備。フィリピンが陥落し、台湾とマリアナ諸島への攻撃、本土への足掛かりになる場所だ。同じ人間を守る意思があるのか、現横須賀鎮守府提督、古風 屋久斗、お前はなぜ提督になれた?それほどまでに中央、大本営が腐敗しているのか?俺はお前たちが死のうが関係ないが、お前たち自身はどう考えている?何をしたい?

 ボロボロで、無機質な廊下を歩く。今向かっているのは提督室だ。顔も会わせたくない。コッコッ

「入れ」

「白霜、入ります。」

敬礼をする。脇をしめた海軍式の縦型敬礼。まず目に入るのが大きな机、そしてソファ、机の向こうには椅子に座っている男性と、その斜め後ろに立っている女性、重巡洋艦 羽黒、秘書艦を務めている。よくやってられるよ。そしてなぜか、ソファには毛布にくるまった、航空母艦 翔鶴、まあ、なんとなく想像はできるよ。性欲処理に使ったんだろうな。そして必要ないくらい豪華な椅子に座っている人物こそ、現横須賀鎮守府提督、古風 屋久斗、こいつ、自分の生活圏だけはきれいにしてるんだよな。艦娘を使って。気持ち悪いから顔を見せないでくれ。というかとっとと死んでくれ。使えないから。

「何か御用でしょうか。」

「いや、お前は特にわしの鎮守府で頑張っているからな。ねぎらってやろうと思ってな。」

別に、頑張っているわけではないんだけどな。周りが弱すぎるだけであって、それにねぎらいなんていらんわ。時間の無駄だ。

「それは…、ありがとうございます。」

一応言っておく。不機嫌になったら面倒くさい。それにしても、これのためだけに呼び出したわけじゃないだろうな、だとしたらますます時間の無駄になるから、早く解放してくれないかな。

「他には、何かあるのでしょうか?」

「まあ、ちょっとな、いつものことだが。このリストに書いてある者と一緒に出撃してほしいのだが。」

「了解しました。」

…やっぱりな。

「よろしく頼むぞ。」

「…はい。失礼いたしました。」

出る直前に羽黒の顔を見る。・・・はぁ、・・・ありゃ、相当恨んでるな。

さて、リストには…、駆逐艦 天霧、早潮、軽巡洋艦 天竜、夕張、重巡洋艦 加古、の五人。チッ、思わず舌打ちをする。このリストには、提督がいらないと判断し、最後の出撃をさせる者の名前が書かれている。要するに、出撃させて、沈めろ、ということだ。そして、その艦娘を率いる艦隊の旗艦を務めることが多いのが俺だ。

沈めるための出撃か、何とかならないのか。

何とかなるわけないか。

そう考えながら放送室に入り、マイクのスイッチを入れる。

「今から呼ばれた者は、本日13:30に出撃ドッグに集合せよ。駆逐艦 天霧、早潮、軽巡洋艦 天竜、夕張、重巡洋艦 加古。繰り返す。駆逐艦 天霧、早潮、軽巡洋艦 天竜、夕張、重巡洋艦 加古、は本日13:30に出撃ドッグに集合せよ。」

マイクを切り、放送室を出る。後3時間か。少し歩いていると、誰かが走ってきた。・・・陽炎だな。

「非常時以外廊下を走るな。後、変更はできないぞ。」

「まだ何も言ってないじゃない!」

「じゃあなんだ。」

「早潮を艦隊から外しなさい!」

「さっき、変更はできないといったはずだけどな。そういうのは提督に言ってくれ。」

「ッ!」

「要件はそれだけか?こっちも暇じゃないんだが。」

「ッあんたはそれでいいの!?ただ命令されて仲間を沈めて、それを目の前で見て!何も思わないの!?」

「・・・強ければ、不要と判断されることはない。お前らが強くなればいいだけの話だ。」

「私からもお願いします。天霧さんを艦隊から外してください!」

「人の話聞いてたか?」

「今ここに来たばかりです!」

「嘘つけ、陽炎と話し始めたころからそこの角から様子をうかがっていただろ。雪風と羽黒も出てこい。」

「私からも!お願いします!」

「私からも、お願いします。艦隊の皆さんを・・・沈めないで・・・。」

「無理なものは無理だ。何度も言っているだろう。命令は提督に言って変更してもらえと。じゃあもう行くから。お前たちの願いは聞き入れられない。軍で命令は絶対だ。部下による勝手な変更は許されない。」

「ちょっと、待って!」「待ってください!」「お願いします!」

あ”あ、うざったらしい。いい加減わかってくれないかね。どうせ、怖くない方に言ってるのだろう。何もしてこない方に。提督から罰を受けるのが怖いから提督に言わない。ほんっとうにうざい。もう無視して行こう。建物の玄関を出たところで、走って振り切った。

 

13:30

全員そろったな。一応言っておく。

「わかっているだろうが、お前たちに課された命令は沈め、だ。わかったな?」

「・・・」

沈黙か。まぁいいか。

「行くぞ。」

そういって、五人に背中を向けた瞬間、天竜の大剣が動いた。

「深海棲艦を殺すのならば、それで十分だろう。だが、俺を殺すには遅すぎる。」

「・・・クソッ」

 

艤装を展開し、海の上に立つ。

「全艦、抜錨、出撃せよ。」

じゃあな、みんな。

 

 

 




また長くなってしまった。
艦隊に選んだ5人に特に意味はありません!嫌いというわけでは断じてありません!ファンの皆様、許してください!本当にごめんなさいm(_ _)m

次からは多分本編開始します。
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