白く染まる世界   作:快晴Ⅲ

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第四十九話

11月15日 

大本営 陸海軍統合参報本部

「どうだ?高雄くん。」

「全然だめですね・・・。何度やっても、結果は変わりません。」

「そうか。原因はやっぱり・・・」

「はい。戦力が少なすぎることです。連日の大規模戦闘で、日本が保有していた艦娘の25%を喪失しました。ミサイルや無人機の備蓄も二割を下回っています。さらに、汚染海域が拡大して、電波障害もひどくなっているおかげでGPS誘導ができなくなっています。25式地対艦誘導弾が使えません。ハープーンもですが。」

「今日も、深海棲艦による襲撃を受けている。九州への補給が追いついていない。しかも、今日は・・・」

「一部防衛線が突破されました。」

「おかげで対馬にも敵が来ている。大鳳くんも動けない。何とか押し返してもらわなければ、身動きが取れない。」

「ですが、シミュレーション結果は、何度やっても変わらず、戦略的勝利も得ることができません。」

「最悪、戦術的勝利を捨ててもいいが・・・、仕方ない。山城くんを九州に派遣しろ。それで幾分かはマシになるはずだ。」

「ですが、北方の守りはどうするのですか?」

「横須賀の艦隊を動かせ。あそこには円卓の騎士もいるし、他の拠点に行って合同演習もできるだろうし、あの新しい提督の人脈づくりにもなる。それに、北方も優先度も低いし、ロシアとも連携がとりやすい。何とかなるはずだ。」

「分かりました。山城さんを九州に配置転換するとともに、北方の守りに、横須賀鎮守府を加えます。横須賀の円卓の騎士はどうしますか?」

「横須賀にとどめておいた方がいいだろう。調整はしておく。高雄くんは山城くんを加えたうえでの作戦を立案、検証してほしい。」

「分かりました。ですが、山城さん一人ではさすがに厳しいと思います。」

「今横須賀にいる円卓の騎士の中で、異動させても問題なさそうなのはいるか?あそこの戦力も厳しい。むやみに異動させると、北方のことも考えて穴をあけるのはまずい。」

「樹希大佐の報告では、一緒に訓練をしているようでして・・・。」

「そうか。分かった。俺の方から、異動させても大丈夫な艦娘はいるか聞いておこう。あとは、建造を進めさせる必要もあるな。」

「そうですね。いつまでも円卓の騎士を横須賀ばかりにいさせるわけにはいきませんから。よろしくお願いします。」

「任せておけ。異動させる艦娘は、軽巡か駆逐艦の方がいいかな?」

「そうですね。山城さんの援護を考えると、その方がよいかと。」

「分かった。高雄くんは円卓の騎士二人を異動させたうえで、シミュレーションを行ってくれ。」

「分かりました。」

「だが問題は、そのあとだな。」

「そうですね。中国、先日上陸されて、非常に厳しい状況になっていると聞きました。」

「ああ。沿岸の都市のほとんどを失い、人口も工業生産も大きく減少している。無人機と短距離ミサイルを中心に反撃をしているが、在庫が減り続けているらしい。補充に生産が追い付いていない。」

「深海棲艦がどれだけの物量を持っているか、よくわかりますね。」

「そうだな。済まない。話が長くなった。俺は八代提督と相談して異動させる艦娘を決める。君は、それを踏まえて、シミュレーションを続けてくれ。」

「分かりました。」

 

***

 

「もしもし。横須賀鎮守府提督の八代です。」

「ああ。志喜屋だ。昨日はご苦労だった。深海棲艦を撃退してくれてありがとう。」

「艦娘のみんなが頑張ってくれましたから。」

「そうだな。それで、今日電話したのは、中国に対する援助のことで、少し話すことがあるからだ。」

「確か、昨日、新たに上陸されてしまいましたよね。」

「ああ。それで、大本営は今、中国の、せめて黄海入口あたりにいる敵だけでも攻撃しようという話が出ているが、戦力が圧倒的に不足している。そして、対馬海峡の防衛のために大鳳が戦っていて動けない。そこで、円卓の騎士二人を九州に異動させることにした。司令長官の許可はもう取ってある。一人は、択捉島単冠湾泊地にいる山城くんを。そしてもう一人は、今横須賀にいる、軽巡洋艦か駆逐艦のどちらか一人を異動させたい。誰がいいか、それを聞きたい。」

「その前にいいですか?」

「なんだ?」

「山城を異動させて、そこに空いた穴はどうするのですか?」

「ああ、北方の守りについては、君たちを派遣したいと考えている。もちろん、明日明後日なんて急な話ではない。そして、大湊警備府や苫小牧基地と連携して防衛にあたってほしい。新しい提督とも交流することができるし、一緒に訓練もできる。きっといい経験になるはずだ。」

「分かりました。艦娘と相談して、誰が異動するかを決めたいので、少しお時間を頂いてもよろしいですか?」

「もちろんだ。しばらくは会えなくなるだろうから。決まったらそちらから連絡してくれ。急ぐ必要はない。」

「分かりました。それでは。」

黄海か・・・。あそこはまだ、汚染はされていないよな・・・?だとしたら、現代兵器でも攻撃はできるか。あの魔女は白霜が撃退したから、しばらくは出てこないだろうし、その魔女がいなければ、海を赤く染めることはできない。駆逐艦か軽巡といっていたよな。誰がいいだろうか。戦力が足りない今、作戦に失敗したら、反撃どころか防衛も危うくなる。慎重に決めなければ。

 




予告していた日に間に合わず、本当に申し訳ありませんでした。あのあとも、低気圧や急な暑さで体調が安定せず、執筆が止まってしまいました。また、自分が納得できる文章を書けず、自信を持てなかったことも、投稿が遅れた原因です。今後も、投稿ペースはなるべく維持していきますが、遅れてしまったり、できなくなってしまうことがあります。ご理解のほどよろしくお願いします。
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