11月16日
横須賀鎮守府 第一整備場 建造工廠
「ていとく、きょうはどのかんしゅをけんぞうしますか?」
「昨日、あの後少し考えて、この艦隊には対空能力が足りないなと思ったんだ。現状、まともな対空能力を持つ艦娘は瑞鶴と瑞鳳、それに大淀ぐらいなものだ。五十鈴と摩耶を防空巡洋艦に改造したり扶桑に対空砲を大量に載せたりと、できることはあるのだが、いかんせん練度が足りない。だから、まず駆逐艦の秋月型が欲しい。それか軽巡洋艦の阿賀野型だな。次は、うーん・・・戦艦戦力の増強かなぁ?まずは足の速い金剛型が欲しい。ああそうだ、戦艦の護衛艦も考えないといけないから・・・、そうだな、秋月型を二人、艦隊型駆逐艦を二人、金剛型を一人、といったところだな。資材は予想以上にあったから、それなりに使っても大丈夫だ。白霜も使っていいって言ってたし。」
「わかりました!では、さっそくはじめますね!」
妖精さんが散らばり、作業を始める。ここ横須賀鎮守府には、建造工廠、いわゆるドックが6基ある。そのうちの一つが、あの信濃を建造したとされる10万tドックだ。流石に今回は使わないが。
「これでいいでしょうか?」
投入された数値を確認し、許可を出す。
「ああ。いいぞ。始めてくれ。」
資材の量で、建造される艦娘の艦種が、ほとんど固定される。姉妹艦の中で選択するのは非常に難しいが。なぜ、このようなことが分かったのかというと、大本営が頑張ったからだ。各種資材の量を調整して、建造。それを、何度も何度も繰り返す。3分の2が失敗したらしい。だが、この調査によって、ほしい艦娘をある程度狙って建造しやすくなった。調査を始める前は、提督の勘に頼っていたため、新人の提督は失敗が続き、大量の資材を無駄にしていた。そのため、建造される艦娘を固定、選択できる方法の確立を全国から依頼された。結局、完全に固定、選択できる用にはならなかったが、艦種を固定することは、ある程度できるようになった。ただ、中でどのようにして艦娘が建造されているのかは、まったくわかっていない。完全にブラックボックスと化している。おかげで、ほしい艦娘を、一人ひとり固定、選択することはできていない。
「こうそくけんぞう、やりますか?」
「んー、どうしようかな?高速建造材はどれぐらいある?」
「たいりょうにありますね。あのひとがたいりょうにあつめてくれましたから。」
「良し、使おう。」
「よっしゃー!おまえらいくぞ!」
さらに複数の妖精さんが来て、工廠の中に入っていく。
「かんたいがたのくちくかん、けんぞうおわりました。」
「早いな。良し、出てきてくれ。」
「夕雲型駆逐艦四番館、長波サマだよ!さーいくぜ、オーッ!」
とても大きく、そして元気な声。一人目は夕雲型駆逐艦、長波。
「どうも!夕雲型の最終艦、清霜です。到着遅れました、よろしくお願いです!」
こちらも、とても元気な声。二人目は同じく夕雲型駆逐艦の清霜だ。
「長波に清霜か。俺はこの鎮守府で提督をやっている八代樹希だ。なんて呼んでくれても構わない。これからよろしくな!」
「おう!よろしくな!」
「はい!」
さて、そろそろ秋月型駆逐艦の方も終わるだろう。
「あきづきがた、おわったよー。」
「あけるよー!」
工廠の扉が開かれ、再び、二人の艦娘が出てくる。
「ん?なんだ?見たことない艦娘だな・・・。誰だろう?」
「さぁ…、私にもわからん。」
二人とも、かなり落ち着いた雰囲気を出している。
「こんにちは、私は、改秋月型駆逐艦の清月です。」
「同じく、妹の大月よ。よろしくね。」
「聞いたことない名前だなぁ・・・。」
「ああ、そうですね。私たちは先の大戦において、建造されることはありませんでしたから。知らないのも、無理はありません。」
「そうなのか・・・。二人は、他の姉妹たちの記憶とかは?」
「流石に、姉妹である秋月型は全員知っています。ですが、他の艦種ともなると・・・。」
「そうか。じゃあまず、この二人からだな。まず、髪が黒い方が夕雲型の長波で、銀色の髪をしている方が清霜だ。」
「清霜たちもさっき建造されたばかりなんだ!一緒に頑張ろうね!」
「はい、よろしくお願いしますね。」
「ちなみに、私の髪は外側は黒だが、中はピンクなんだぜ。」
「私も中は青だよー。」
「そうなのか?気付かなかったな。」
「髪の毛の内側なんてちゃんと見なければ分からないからね。」
「さて、そろそろ戦艦の建造も終わるな。みんな、一緒に行くか。」
「戦艦⁉そうだ、ねえねえ提督!清霜も戦艦になれるかな?」
いきなり、とんでもない質問が飛んできた。
「うーん、今までそういうことは聞いたことがないなぁ。だけど、努力すればなれるんじゃないか?前例がないだけで、なれないとは限らないだろうし。」
「そうなの?やったあ!清霜、戦艦になれるように頑張るぞぉ。」
「あ、きたきた、ちょうどおわったからいまあけるねー。」
いいタイミングに来たようだ。
「マイク音量大丈夫・・・?チェック、1、2・・・。よし。初めまして、私、霧島です。」
・・・まぁ、覚悟はしていたがな・・・。
「霧島か。よく来てくれた。俺はこの鎮守府で提督をやっている八代樹希だ。今日からよろしくな。」
「はい。よろしくお願いします。」
「さてと、じゃあみんな新規建造の登録をするぞ。ついてきて。」
なぜこの5人かって?それは作者の好みだ!あと、横須賀にいない艦級で、印象が強かったのがありますね。
清月と大月は、計画上、秋月型と同じ艦級でそれぞれ十四、十五番艦というのは知っていますが、あえて改秋月型としました。理由は、実際に建造された艦の艦娘と区別したかったのと、特別感を出したかったからというのがあります。混乱してしまったら、ごめんなさい。