白く染まる世界   作:快晴Ⅲ

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第五十三話

「提督、お待ちしておりました。書類はすでに五人分用意してあります。」

「おう、ありがとな。それで、この五人が今日建造で来てくれた艦娘だ。」

「長波ちゃんに、清霜ちゃんに、霧島さんに・・・、申し訳ありません、このお二人は・・・?」

「ああ、この二人は清月と大月だ。二人とも、先の大戦では建造されずに終わってしまったらしい。改秋月型だ。」

「そうなんですね。清月ちゃんと大月ちゃんですね。私は、軽巡洋艦の大淀と申します。現在はこの鎮守府で提督の補佐をしております。よろしくね。」

「はい。清月です。よろしくお願いします。」

「妹の大月です。よろしくお願いします。」

「ところで、改秋月型といっていたが、秋月型とは具体的に何が違うんだ?」

「一番の違いは機関ですね。島風型に採用された新型の高温高圧缶を採用し、配置は松型と同じで、タービンとボイラーを交互に置いています。それによって、速力の強化と抗耐性が向上しました。これにより、全長が2m程、基準排水量が300t程増加しています。」

「船体が大型化したおかげで、搭載できる装備にも余裕が生まれたから、電探系統や機銃が変更されて、一号三型電探に加えて、二号三型電探を二基装備しているわ。機銃は、それまでの25mmではなくて、米艦艇を参考にした40mmと20mmに変わってて、射撃管制も変わってるわ。あと、主砲はB型ね。」

「だいぶ変わったんだな。これで空は怖くないな!対空は頼んだぜ!」

「ええ。お任せください。」

「じゃあみんな、この用紙を配るから、一番上の欄に自分の名前を書いて。あとは俺がやっておくから。羽黒、この五人に鎮守府を案内してあげて。」

「分かりました。・・・皆さん、書き終わりましたね。それではついてきてください。」

 

「・・・行ったか。さて、じゃあ始めるか。」

「そうですね。それにしても、なぜ存在しなかった艦の艦娘が建造されたのでしょうか?」

「うーむ、分からん。まぁ、白霜とかいうとんでもない前例がいるから、そこまで驚くことではない・・・か?」

「いやいや、普通驚くところですよ。ところであの人って、いつどこで建造されたんです?」

「まったくわからん。以前いたリンガ泊地での建造記録はないそうだ。それに、あそこに最初の艦隊が到着したころにはすでにいたらしい。」

「では、円卓の騎士みたいに・・・?」

「かもしれないな。」

「それで、あの五人の訓練はどうしますか?」

「そうだなぁ・・・基本的には、円卓の艦娘に任せようと思うが、ここにいた子たちにも、教えてもらいたい。他人に教えることで、さらに理解を深めることにもつながるしな。」

「そうですね。ところで、清月ちゃんと大月ちゃんの対空訓練はどうするんですか?今の鎮守府に対空が得意な艦娘はいませんよ?」

「あ・・・、そうだった。あぁぁ、そうだ、秋雲が円卓の艦娘の中で一番得意だったんだ。どうしよう・・・。」

他の艦娘と比較して、突出した能力を持っている、新世第一世代艦艇、それは日本にいる艦娘も例外ではない。ただ、先の大戦における艦としてもそうだが、日本の艦娘は基本的に対空能力が不足している。そして、第一世代艦艇も。その中で、最も対空能力が高いのが、秋雲というわけである。そして、秋雲は近日中に、九州での作戦のために、横須賀鎮守府を離れる。

「誰か、対空が得意な子はいるか?」

「練度が高い瑞鶴さんと瑞鳳さんがいますが、航空機の方で忙しいですし、そもそも空母ですからね。」

「大淀はどうなんだ?」

「それが・・・恥ずかしながら、司令部としての機能を持っていた都合上、あまり前に出ることはできなくて・・・、あまり戦闘は経験していないんです。」

「そうか・・・すまん。さて、どうしようか・・・。秋雲が出発するまでに、頑張ってもらって、それからまた考えるか。」

「今は、それがいいでしょうね。」

そこで、ドアがノックされた。

「はいっていいぞ。」

「失礼します。」

「瑞鳳か。どうしたんだ?」

「明後日に、新型機の兵装試験と模擬空戦をしたくて。その許可をもらいに来たの。ほら、何も知らせなかったらどこかに被害が出ちゃうかもしれないから。」

「分かった。どこでやるんだ?」

「基本、海上でやるよ。今回は対地装備の試験はしないから。まあでも、少し離れたところでやろうかな。」

「分かった。全体に知らせておく。瑞鳳も、周りに被害が出ないように注意してやってくれ。」

「はーい。じゃあ、失礼しました。」

「・・・すごい熱心ですね。」

「まぁ、艦だった時に、苦い思いをしたからだろうな。なかなか新型機が補充されなくて、七面鳥と揶揄されたほどなんだから。」

「マリアナ沖海戦のことですね。そのあとも、機体や練度の不足に苦しめられていました。帝国海軍と世界最強の栄華と、終焉と壊滅を、最後まで身をもって見届け、示してきた二人だからこそ、二度と、繰り返したくないのは、私たちも理解しなければいけませんね。」

「そうだな。だからこそ、あのようなことがないようにしなければならない。決して油断せず、準備を怠らず、最高の環境を整える。大淀、俺が約束する。二度と、あのような絶望を繰り返さないと。」

「はい、よろしくお願いします。」

 

 




やっぱり、艦これってほのぼのしているほうがいいよね。…これをほのぼのと言えるのか?
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