赤色信号弾が打ちあがる。演習開始の合図だ。すぐに、彩雲を発艦させ、索敵を始める。
「全機、いつでも上がれるようにしといて。」
昨日と違って、両者が視認距離にいるわけではない。まずは、索敵だ。戦力は、だいたいわかる。正規空母と軽空母が一隻ずつ。それは、こちらも同じだ。問題なのは、搭載機と機数だ。赤城の搭載数は意外と少なく、補用を含めれば90機は搭載できるが、元が巡洋戦艦、そして三段空母であったため、実質常用は60機程度しかいない。だが、赤城はこの姿になってからは長い。おそらく、改装で、複雑な艦内構造は修正され、搭載機数も増えているだろう。おそらく、90~100程度。龍驤も増えているとすると、二人で150はいるかもしれない。機種も、常に最新鋭が配備されているはずだ。戦闘機は、烈風改二か陣風改。攻撃機は、流星改二か南山改二。このあたりだろう。紫電改四がいる可能性もある。陸軍機は、流石にいないだろう。ギリギリ対抗可能か。だが最近、海軍航空技術廠が、新型戦闘機の開発に成功したと発表した。それが配備されている可能性もある。その性能は未知数だ。対してこちらは、主力が、仮称彗星改が36機、仮称天山改が18機、仮称紫電改二改が12機の66機しかいない。そして、現在開発している機体は、仮称彗星試製改二一型が5機、仮称試製改ニ型が5機。仮称天山試製改二一型が5機、ニ型が5機。試製新型戦闘機一型が6機、ニ型が5機の、合計31機。そして、横須賀の飛行妖精さんの改造零戦が7機。全て合わせて、104機だ。三分の一。性能的には、新型機は分からないが、主力は確実に劣っている。特に、改造零戦は、まともに戦えないだろう。これで、本当に勝てるのか。
「こちら彩雲二号機!空母赤城、龍驤を発見!方位0.5、距離420!現在直掩機に襲われている!」
「分かった。振り切れそう?」
「雲が分厚いから、何とか可能だ。」
「分かった。座標を全機に共有。攻撃隊は、全機発艦準備。これより、プランAを発動する。」
「電探に反応!2時の方向、数1!距離142、高度3,800!」
「偵察機ね。直掩機、発艦せよ!すぐに撃墜しなさい!」
「了解!」
「こちら、彩雲四号機、赤城、龍驤を視認した。攻撃隊を発艦させている。注意されたし。」
「もしかして、もう見つかってる?電探、精査。」
「いや、反応はないな。もしかしたら、発艦させているだけかもしれないな。」
「そうね。でも、そろそろ行かないと。攻撃隊、全機発艦せよ!指定の経路に従い飛行し、敵艦隊を殲滅せよ!」
空に向けて矢を放つ。六回。少しずつ、進路をずらす。複数方向からの時間差攻撃を行う。
・・・これで、今私たちにできることは、無くなった。
「対空警戒を厳となせ。」
航空戦って難しいんですよね。特に搭乗員目線だと。結構似たような展開が繰り返されちゃって。