白く染まる世界   作:快晴Ⅲ

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第六十三話

さて、お二人の攻撃隊が、こちらの防空線を突破しましたか。流石に数が少なすぎましたね。

「龍驤さん、あとどれだけ残っていますか?」

「うちが軽空母っての、分かってるやろ?もう残っとらんわ。」

「そうですか。では、基本、私が迎撃に出ることになりそうですね。」

「そうやな。頼んだ。」

空に矢を放つ。18機。再び、迎撃機を空に飛ばす。被撃墜判定6に、撃墜判定2ですか・・・。流石に、甘く見過ぎていたようです。あまり使いたくはありませんが、準備はしておきましょう。あの新型戦闘機を。

「赤城、あの二人が強いのは分かっとるやろ。油断したら、こっちが負けるで。」

「ええ、分かっていますとも。ですが、いつもと何も変わりません。確実に敵を落とし、撃破する、それだけです。」

「そうやな・・・。あれの準備はしときな。」

「もう始めてますよ。」

「敵機、距離100kmを切った。もう来るぞ。時速590kmだ。」

「こちら敵機と接触したが、もう突破された!奴ら、爆弾を抱えたまま空中戦をしてる!」

「近くに、超低空を飛行する別の攻撃隊を発見!海面すれすれだ!電探で見えているか⁉」

「まさか!そんな低空で来るとは・・・。」

「もう発動したほうがええんちゃうか?」

「いえ、今回は事前に発見できました。時間制限もあるので、慎重に使わなければ。」

「距離50kmを切った!もう来るぞ!」

「対空戦闘用意!高度は⁉」

「高度は7,300、爆撃機だ!数は24、速度変わらず!」

もう少し。はやる気持ちを抑える。急降下爆撃はあまり好きではない。あの時、沈められた記憶がよみがえる。

「赤城ぃ!もう来るぞ!」

「対空砲、射撃はじめ!」

私は大丈夫だ。改装をした。電探を搭載し、より高性能な対空砲に変えた。大丈夫。必ず撃ち落とせる。そう、言い聞かせる。

「なんだ⁉全然当たらないぞ!」

「もっと腰を据えて撃て!」

機体は、遥か上空にいる。雲で全然見えない。

「電探との連動を確認してください!」

「連動状況確認!異常なしだ!敵が空で動き回って当てられない!」

「八機急降下開始!回避急げ!」

「回避機動、取り舵一杯!」

高度差6,700m。こんな急降下なんて、見たことがない。時間もかかるし、速度超過で、途中で分解するに決まっている。そう思っていた。

「降下速度、時速840km突破!加速止まりました。」

「来るぞ、気をつけろ!」

雲が低く、視認しづらい。

「見えた!おーもかーじ!」

「おーもかーじ!」

進路を一気に、反対側に切る。近くの海面に、爆弾が落下。巨大な爆発がして、水柱が上がる。衝撃波が水中を伝わり、体を揺らす。至近弾だ。

「まだ来るぞ!赤城を狙ってる!」

「とーりかーじ!」

再び、近くに爆弾が落ちる。また至近弾だ。

「‼左十時の方向、低空に雷撃機!」

「直掩機、急降下!急いで!」

「14機接近、高度10m以下!・・・なんだ?6機が高度を上げた?いや!敵雷撃隊、散開した!」

「気付かれましたか。仕方ありません。追撃してください。」

「先に離脱した6機が突っ込んでくる!」

「機銃、全力射撃!叩き落としなさい!」

「おい!何か発射したぞ!」

発射された物体は、数秒して爆発。直後、異変が生じる。」

「な、なんや!急に電探が・・・。」

「電探に何も映らないぞ!故障か?」

「一体何が・・・。」

「分からん!急に電探が故障した。」

「待って、攻撃隊の連絡がつながらなくなってる!通信機も故障⁉こんな同時に!」

「いや、まさか・・・、電波妨害弾⁉そんなのが⁉」

「なんやて!クソ!目視照準に切り替えや!はよ急いで!赤城!こんな状況や!早く発動せい!」

「分かっています!赤い城、発動!」

赤い城、赤城の固有能力は、半径10kmの球状に展開される、特殊空間を言う。この範囲内では、電探や聴音機がなくとも、全ての物体を感知し、それを、同じく範囲内にいる味方に位置や数、距離、速度といった基本情報と、単純未来予想などを伝えるというもの。艦隊防御に特化した能力だといえる。

「左方向九時の方向、数6、距離8km、速度は時速600km!超低空を飛ぶ雷撃機です!」

「もうそんなところまで入られてたんか!」

まだ間に合うか?

「ジェット機を発艦させます!」

「今⁉危険や!やめろ!」

「今しかありません!」

ジェット機は四機だけ、ギリギリ間に合うか・・・

「十一時の方向、魚雷3!」

「くッ・・・取り舵急げ・・・!」

このタイミングでこの角度はまずい。完全に側面をさらしている。

「高角砲、撃てぃ!」

目の前が爆発する。魚雷にも誘爆した。

「取り舵一杯!」

敵機が、魚雷を投下する。取り舵で艦首を向け、魚雷の間に入り込む。何とか回避した。

「今度こそ!ジェット機発艦せよ!」

海軍航空技術廠が開発した、最新鋭戦闘爆撃機、日本初の、ジェットエンジンを搭載した、航空機、橘花。レシプロとは全く違う轟音を響かせながら、飛んで行った。

 




今後は、土曜日から月曜日深夜までに、週一で投稿できるように頑張ります…。事情があって投稿出来ない時は、前の週に報告するか、火曜日以降に投稿します。
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