「なあ、ちょっといいか?」
「なんだ?」
「敵の迎撃についてなんだけどさぁ、俺達に先陣を切らしてくれないか?」
「・・・なぜだ?」
「いや、俺達の機体ってさ、敵の攻撃機にも追いつけないかもしれない、それぐらい遅いと思うから、多分最初の一撃離脱以外、何もできないと思うんだ。傲慢なお願いだとはわかってる。嫌だったら、断ってもいいが・・・。」
「別にいいぞ。なぁ?」
「うん、そうだね。」
「そんな気にすることないと思うぞ。」
「え?・・・いいのか?」
「ああ。そもそも、俺たちはこの機体に乗り始めて、多分10時間ぐらいだ。だからまだ、全然慣れていない。俺達でも、この機体でいきなり一撃離脱は危険だと思ったんだ。それに、お前らは、これが久々の戦闘だろ?派手に暴れてこい。」
「そうか・・・感謝する。よし、派手にやってやる。久しぶりの戦闘だ!」
「元気がいいな。・・・来たな。全機、突入準備。」
敵編隊の上空まで来たところで、前の7機が急降下する。敵はまだ気づいていない。完璧な奇襲だ。
「行くぞ!全て叩き落とせ!」
敵機が散開するが、逃げ遅れた三機が、たちまち撃墜判定がとられる。流石に練度は申し分ない。毎日の出撃にも、劣悪な機体で耐えてきたエースばかりだ。あんな連中にそう簡単に負けるわけがない。
「そろそろ行くぞ。今見えている戦闘機はあと15機だ。全て叩き落とせ。」
そういって、降下。散らばった戦闘機隊に、戦闘を仕掛ける。すぐに4機の撃墜をもぎ取る。それからは格闘戦になった。すごいな、この機体は。かなり重いが、曲がり始めたらすぐに曲がる。それに、速い。すぐに敵に追いつける。また一機、撃墜判定が入った。
「そろそろいいだろう。下に行くぞ。攻撃隊を殲滅する。」
雲の下に行くと、激しい戦闘が行われていた。すでに多くの攻撃機が、爆弾や魚雷を投棄したのだろう。激しく動き回っている。目の前を通り過ぎようとした一機に射撃し、一瞬で撃墜した。火力も、あきれるほど高い。主翼に20mm固定機銃を六門、胴体に13.2mmを二挺。さらに、主翼下にも、装弾数は少ないものの、20mmが十二門、搭載されている。雨のような弾幕を展開できる。多少、照準からずれていても、当たる。次々と撃墜していく。だが、全てがうまくいくわけではない。敵だって、相当な手練れが操っている。早くも体制を立て直し、反撃に出た。後ろに付かれ、機銃を撃たれる。まだ慣れていないせいで、タイミングが難しいが、操縦桿を、思いっきり引いた。スロットルを絞りつつ、減速、後ろの敵機を押し出す。敵もそれに対応し、速度を落とす。そこで、スロットルを解放、一気に加速しつつ、新型機の機動性を十分に引き出し、宙返りをした。敵も、加速する。それによって距離が開いたが、機体性能は、こちらの方が上。すぐに追いつき、射撃。撃墜した。
「少し逃げられたか。・・・あー、あー聞こえるか?少し取り逃がした。警戒されたし。」
「あーあ、全部落とせなかったよ・・・。」
「十分でしょ。たった13機で、30機ぐらい落としたんだし。」
「そうだな。敵は、五個十八機航空隊で、合計90機だろう。ここで三分の一墜とせれば十分だ。早くいくぞ。防空に参加する。」
「了解。まだまだ行くよ。」
ギリギリ間に合った…。いきなり遅れるのは流石に不味いですよね〜。