白く染まる世界   作:快晴Ⅲ

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第七十四話

 

「もしかして二重に包囲されてる?」

「どういうことだ?」

「二時と六時の方向は15km弱、四時と八時の方向は25km前後の距離で潜望鏡を確認しました。艦隊から15kmと25kmのラインで展開しているのかもしれません。」

「分かった。先ほどからどれぐらい移動しているだろうか?」

「おそらく3km程度でしょう。」

「分かった。半径12kmと22km付近の円だな。赤城、聞こえるか。」

「はい。聞こえます。」

「この艦隊から半径12kmと22kmの円周上にさらに潜水艦がいるかもしれない。哨戒をお願いできるか?」

「分かりました。まだ余裕はあるので出しておきますね。」

「艦隊正面より接近する艦娘がいます。」

「誰だ?」

「分かりません。」

その時、通信機から激しいノイズが響いた。

「すまん。通信の出力上げ過ぎた。この距離ならもう通じるみたいだな。」

「白霜か?」

「そうだ。前衛と本体との間で電波妨害がされているから直接こっちの状況を伝えに来た。」

「そうか!それはありがたい。そっちはどうなっている?」

「よろしくはないな。駆逐艦の初風が大破し、長門が損傷している。長門の損傷は大きな被害にはなっていない。あと、潜水艦は追い払ったが空襲を受けている。かなりの規模だから本格的な戦闘が予想されるな。それに、水上艦隊も現れている。まだ規模はそこまで大きくはないが、後々大変になるだろうな。」

「分かった。ありがとう。そうだ、こっちに来るまでに潜水艦とかいなかったか?」

「いないな。前衛艦隊は本体の真正面にいるから、少なくとも本体の十二時の方向には何もいない。」

「電波妨害については何か分かったことはあるか?」

「何もわからん。」

「そうか・・・。」

「こちら赤城、敵艦隊を発見!十時の方向、戦艦6隻を含む大艦隊です!距離は45km!かなり近いです!」

「そんなところまで入り込まれていたのか!赤城、龍驤、攻撃隊はどれぐらい出せる?」

「うちはもう出せへんで。ほとんど対潜に使ってもうた。」

「私もそんなに残っていないです。打撃を与えるには数が少なすぎます。」

「仕方ない。摩耶、鳥海、最上、時雨、夕立、村雨、春雨が向かってくれ。」

「はぁ⁉これだけの戦力でどうしろってんだよ!」

「これは時間稼ぎだ!赤城、龍驤、できるだけ航空隊を呼び戻して攻撃隊を編成してくれ。なるべく急いで。今すぐに出せるのは全て出せ。摩耶たちは何とか艦隊の進攻を遅らせるんだ。不用意に近づく必要はない。魚雷発射体制をとれば敵は回避機動に入るはずだ。それを繰り返すだけでもいい。」

「・・・分かった。できる限りやってみる。」

「ありがとう。」

「それじゃあ、行ってくる。」

「待ちなさい。」

「⁉な、何ですか・・・?」

「君は忘れたのかね?詳細に、護衛艦は輸送艦から話すな、とあったと思うが。」

「・・・今は非常事態です。これだけの戦力、練度で多数の潜水艦を相手にしながら複数の戦艦を含む艦隊を相手にするのは不可能です。ならば、なるべく接近を遅らせて、円卓の艦娘の攻撃隊の準備が終わるのを待ってから攻撃するのが最善手でしょう。」

「そしたら輸送艦の護衛が減るじゃないか。もしや、君は私に死ねといっているのかな?」

「そんなことはありません。私はこの輸送艦とあなたを守り抜くためにできるだけの手を打ちます。決してこの輸送艦には触れさせません。」

「それが保障されるのかね?」

「新手は今は近くにいません。二人の航空隊が哨戒を行っています。たとえ新たな敵艦隊を発見しても、本体に到達するまでには時間がかかります。その間に艦隊を集結させればいいでしょう。」

「そういうことを言ってるんじゃない。減少した護衛艦でこの輸送艦二隻を守り切れるのかといっているんだ。」

「ですから、艦娘を適切に派遣して、適切な箇所に配置をすれば、この輸送艦を守ることができます!」

「やれやれ、君は我々の命令を遂行する気が一切ないようだね。はぁ。命令に違反した君は、現時点をもってーー」

「参謀本部へ、意見具申をしてもよろしいでしょうか?」

「し、白霜?」

「何だね?」

「私が行きましょうか?」

「はぁ、横須賀の艦娘は話を聞くこともできないのか・・・。あきれたよ。」

「どういう意味でしょうか?あなた方も艦隊配置をご覧になっているでしょう?私、駆逐艦白霜は前衛艦隊に配置されています。もしかして、目を通されていないのですか?」

「うるさい!お前は何を言いたい。」

「電波障害により、本体に接近して状況を伝達しに来た私が、前衛艦隊に帰るついでにその新たな艦隊を撃滅してきます。そうすれば、輸送艦の護衛を減らさずに脅威を排除することができます。これならあなたも満足できるでしょう?」

「一人で大丈夫なのか?」

「問題があると思うか?お前は一昨日何を見たんだ。」

「まぁ・・・そうだな。」

「できるのかね?」

「手を抜いてもできますよ。」

「そうか、なら君に行ってもらうとするか。」

「了解。行ってくるよ。」

「・・・チッ。良かったな。横須賀提督。」

「・・・・・・はい。」

 

 




今回はなんと!戦闘が発生しませんでした!

白「そんな無理してテンション上げなくてもいいぞ。後書きのネタに困っているのは明白だからな。」
作「痛いところ抉らないでくれません…。」
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