白く染まる世界   作:快晴Ⅲ

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第七十五話

「まったく。相変わらず参謀本部には頑固な馬鹿どもが多いな。さっさと死ねばいいのに。」

「一人で大丈夫なのか?支援砲撃ぐらいは・・・。」

「お前の独断で艦隊を離れると、それこそあいつが解任されるぞ。」

「うっ・・・。」

「お前らは輸送艦から離れるな。赤城たちは知っているだろうが、参謀本部がどんな組織かが分かっただろう。勝手な行動はするな。」

「・・・分かった。」

さて、あまり時間はかけてはいられないな。さっさと終わらせるか。

***

「あ!やっとつながった!」

「どうした?」

「ちょっと急いで戻ってきてほしいの!今敵艦隊と戦闘してて、数が多すぎてさばき切れなくなってる!敵の横っ腹を蹴とばしてほしいの!」

「あいにく今は別の艦隊と戦闘してたところだ。時間がかかる。」

「そんな・・・。分かったわ!何とか耐えてみせる。本体の方は?」

「よくはない。一時間前に向こうに行って、それから時間が経っているから変わってはいるかもしれないが、潜水艦に囲まれているらしい。赤城と龍驤も対潜にほとんどの航空機を使っているそうだ。それに、参謀本部があまりにもクソすぎる。本体からの援護は不可能。離れるな、とのことだ。」

「また邪魔するのね・・・。分かった。なるべく急いで帰ってきてほしい。」

「こっちの艦隊は片付いている。なるべく急ぐ。」

さて、急がないとな、と思ったんだが、深海棲艦はそれを許してくれないらしい。電探には大量の航空機が。十時の方向体。ここの突破を許せば本体に向かうかもしれない。

「瑞鶴、悪い。すぐに行けそうにない。」

すぐに対空戦闘を開始する。本体との通信を試みるが、つながらない。仕方ない、発光信号を使うか。この距離なら見えるはずだ。

「発光信号を打て。『敵機接近中、警戒サレタシ』」

伝わるか。誰かが見てくれるか。賭けるしかない。

***

発光信号を打ってから数分後、戦闘機が来た。これで大丈夫だろう。自分は進路を変え、47ノットで前衛艦隊に向かった。

***

かなり時間がかかってしまった。瑞鶴と通信をして45分が経過し、前衛艦隊が見えてきた。空には照明弾が大量に打ちあがり明るくなっている。いや、照明弾だけではない。煙も上がっている。被弾して火災が発生したのだろう。

「状況は?」

「包囲されかけてる!どちらかでもいいから解放して!」

「分かった。」

近づくにつれて、深海棲艦の沈んでいない残骸が増えていく。かなりの艦隊であることは確かなようだ。自分の接近に気づいた駆逐艦や軽巡が襲ってくるが主砲ですぐに撃破する。

「右雷撃戦用意。使用魚雷8、目標、敵重巡4、発射。」

8本の魚雷は2本ずつ、4隻の重巡に直撃し、撃破した。高威力の61糎魚雷を日本も喰らっては重巡でもただでは済まないだろう。そして、さらに奥にいる戦艦に肉薄して、刀で刺し殺していった。

「お前らは艦隊左翼の援護に行け!こちらは一人でやる!」

「分かりました!助かります!」

艦隊右翼がある程度片付いたといっても、まだたくさんいる。あくまでも大きな脅威を排除しただけだ。制空も取り切れていない。時々爆弾が落ちてくる。対空も気が抜けない。とにかく、数が多い。こいつらがさばききれなくなるのも納得の多さだ。特に中央の敵が多い。完全に頭を押さえられている。ここで押し切れなければ、この輸送作戦は確実に失敗する。そうなればあの提督の追放もあり得る。

「お前ら!ここで出し惜しみをする必要はない!全力で迎撃しろ!この輸送作戦が失敗したら提督の地位が危ないぞ!」

「それはどういうことだ!」

「何も聞くな!今は戦闘に集中しろ!」

 




硫黄島への往路は次で終了です。第二章終了は何話先になるかなぁ?
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