「はぁ、はぁ、お、終わった・・・。」
「やっと終わった・・・。よかった・・・。」
全員疲れ切っている。まぁ仕方ないだろう。10時間ぶっ通しで戦ったんだ。あと二時間程度で夜明けが来る。自分も汗をかいているのを自覚している。
「それで、白霜、提督・・・樹希の地位が危なくなるってのはどういうことだ?」
「俺が一度本隊に行ったとき、新手の艦隊が現れた。その時あの提督が迎撃のために臨時の艦隊を組んだんだが、それを参謀本部が止めた。あの提督はもちろん反論したが、その時に提督が解任されかけたよ。俺が前衛に戻りつつ迎撃するってことになって何とかなったが。だがすでに目をつけられている。あの参謀本部のことだ。なにを言い出すかわからない。とにかく、今はこの輸送作戦を成功させなければあいつは間違いなくクビだ。」
「そうか・・・。クソ!どこまでも邪魔だ、あいつらは・・・。」
「今はそれを言っても仕方ないだろう。さっさと立て。まだ作戦は終わっていない。」
***
「や、やっと到着した・・・。」
出撃から37時間。ようやく硫黄島に到着した。一人なら24時間程度で着けるが、これほど時間がかかるとはね。
「よし、コンテナを下ろそう。みんなはその間に補給をしててくれ。あと、順番で周辺海域の警戒も。」
「了解。」
「それで、白霜、ちょっといいか?」
「ああ、いいぞ。」
***
「なぜ小笠原なんだ。硫黄島直通の航路からはかなり外れている。あそこになにがあるんだ。数年前に空襲で破壊されて放棄されているはずだぞ。」
「懲罰艦隊と関係がある。今はそれ以外言わないよ。」
「・・・小笠原諸島に何がある。答えろ。・・・これは命令だ。」
「・・・放棄された泊地の施設。これでいい?」
「ふざけているのか?」
「事実を言っているだけだ。」
「それは俺も知っていることだ。白霜があそこに何かがあるというなら、俺が知らないものがあるということなんだろう。それは何なんだ。それに、むやみに航路を変更することはできない。このまま何も理由ができなければ小笠原に行けないぞ。」
「理由ならあるさ。敵艦隊からの襲撃の回避のため、潜水艦隊の哨戒範囲に航路を変更する。これなら小笠原諸島の近くに行ける。あとは司令部に航路変更を打電して、その間に寄ればいいさ。」
「・・・すぐに終わることなのか?」
「さあね。ただ、補給の準備はしておきな。」
「・・・あそこに艦娘がいるんだな?」
「ご名答。それも、かつても横須賀所属の、な。」
「だから燃料を・・・。」
「そうだ。そろそろいい?」
「・・・・・・ああ、待て。」
「・・・なにかな?」
「お前が言い出したことだ。少しは協力してもらうぞ。」
「いいよ。それぐらいは。」
***
「と、いうわけで、帰りの航路を変更してもよろしいでしょうか?」
「ああ、そういう理由なら仕方ない。許可しよう。」
「ありがとうございます。潜水艦隊への連絡は私にお任せください。」
「頼んだよ。」
***
「みんな、準備はいいな?」
「ああ。全員すぐに出れる。」
「分かった。それでは、抜錨。これより横須賀に帰投する。」
「了解。全艦抜錨せよ。」
少し沖合まで来たら、針路を少し東に取った。
「白霜、何もなかったら覚悟しとけよ。」
次から帰り始めます。これが終わったら長ったらしい第二章完結です!
最近ストックがたまりすぎているので、一気に投稿しました。