白く染まる世界   作:快晴Ⅲ

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第七十六話

 

「はぁ、はぁ、お、終わった・・・。」

「やっと終わった・・・。よかった・・・。」

全員疲れ切っている。まぁ仕方ないだろう。10時間ぶっ通しで戦ったんだ。あと二時間程度で夜明けが来る。自分も汗をかいているのを自覚している。

「それで、白霜、提督・・・樹希の地位が危なくなるってのはどういうことだ?」

「俺が一度本隊に行ったとき、新手の艦隊が現れた。その時あの提督が迎撃のために臨時の艦隊を組んだんだが、それを参謀本部が止めた。あの提督はもちろん反論したが、その時に提督が解任されかけたよ。俺が前衛に戻りつつ迎撃するってことになって何とかなったが。だがすでに目をつけられている。あの参謀本部のことだ。なにを言い出すかわからない。とにかく、今はこの輸送作戦を成功させなければあいつは間違いなくクビだ。」

「そうか・・・。クソ!どこまでも邪魔だ、あいつらは・・・。」

「今はそれを言っても仕方ないだろう。さっさと立て。まだ作戦は終わっていない。」

 

***

 

「や、やっと到着した・・・。」

出撃から37時間。ようやく硫黄島に到着した。一人なら24時間程度で着けるが、これほど時間がかかるとはね。

「よし、コンテナを下ろそう。みんなはその間に補給をしててくれ。あと、順番で周辺海域の警戒も。」

「了解。」

「それで、白霜、ちょっといいか?」

「ああ、いいぞ。」

 

***

 

「なぜ小笠原なんだ。硫黄島直通の航路からはかなり外れている。あそこになにがあるんだ。数年前に空襲で破壊されて放棄されているはずだぞ。」

「懲罰艦隊と関係がある。今はそれ以外言わないよ。」

「・・・小笠原諸島に何がある。答えろ。・・・これは命令だ。」

「・・・放棄された泊地の施設。これでいい?」

「ふざけているのか?」

「事実を言っているだけだ。」

「それは俺も知っていることだ。白霜があそこに何かがあるというなら、俺が知らないものがあるということなんだろう。それは何なんだ。それに、むやみに航路を変更することはできない。このまま何も理由ができなければ小笠原に行けないぞ。」

「理由ならあるさ。敵艦隊からの襲撃の回避のため、潜水艦隊の哨戒範囲に航路を変更する。これなら小笠原諸島の近くに行ける。あとは司令部に航路変更を打電して、その間に寄ればいいさ。」

「・・・すぐに終わることなのか?」

「さあね。ただ、補給の準備はしておきな。」

「・・・あそこに艦娘がいるんだな?」

「ご名答。それも、かつても横須賀所属の、な。」

「だから燃料を・・・。」

「そうだ。そろそろいい?」

「・・・・・・ああ、待て。」

「・・・なにかな?」

「お前が言い出したことだ。少しは協力してもらうぞ。」

「いいよ。それぐらいは。」

 

***

 

「と、いうわけで、帰りの航路を変更してもよろしいでしょうか?」

「ああ、そういう理由なら仕方ない。許可しよう。」

「ありがとうございます。潜水艦隊への連絡は私にお任せください。」

「頼んだよ。」

 

***

 

「みんな、準備はいいな?」

「ああ。全員すぐに出れる。」

「分かった。それでは、抜錨。これより横須賀に帰投する。」

「了解。全艦抜錨せよ。」

少し沖合まで来たら、針路を少し東に取った。

「白霜、何もなかったら覚悟しとけよ。」

 




次から帰り始めます。これが終わったら長ったらしい第二章完結です!

最近ストックがたまりすぎているので、一気に投稿しました。
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