魔女が振り向いた。次の瞬間、目の前に魔女がいた。得物は、剣。
速い!さっきとは比べ物にならない!
このままではテンポがつかめない。戦い方も明らかに変わっている。特に、武器の切り替えが増えた。
攻撃する瞬間は基本、威力が高い斧。外れて振りぬいたらすぐに剣に変更して素早い攻撃を繰り出し、加速したところで、おそらくハンマーの類、メイスと言った方がいいかもしれないな。それを突き出してくる。重量があり、下手すれば剣に貫かれるよりもダメージが大きいだろう。
だが、そろそろ分かってきた。武器を変更する瞬間、ほんのわずかな時間がある。そこでカウンターも可能だ。行ける。降られた斧を受け流す。体がわずかに開く。そして、武器を軽い剣に変えた。今だ。だが、魔女の方が一枚上手だった。再び海面を撃ち、波を発生させる。そして再びバランスを崩した。爆雷、いや、近すぎる。すぐに前蹴りを放ち、距離を取った。だが、それも不正解。高速の突きが来る。避けきれない。せめて、致命的な臓器を避ける。
右胸を貫かれた。
すぐに力を入れて、圧力を高めて抜けないようにする。そして、刀を跳ね上げて腕を切断しようとしたが、遅かった。そのまま右上段に構え、重心を落とし、刀を強く握る。魔女は攻撃範囲の中にいる。届く。小さく踏み込み、超音速の斬撃を放つ。海面が爆ぜ、轟音とともに不快な音が発生する。装甲の一部が断裂している。届いた。そして、間髪入れずに畳み込む。魔女がまた海面を撃つが、同じことをしてももう意味がないぞ。すぐに飛び、空中で斬撃をためる。そして、左手一本で音速の斬撃を放った。今度は完全に装甲を貫通した。そこにさらに203mm砲を撃ち込もうとするが、魔女が艤装を大きく振り回してそれを妨害。距離を取った。
「邪魔だ、これ。」
右胸に刺さっていた剣を抜く。血が大量に出てきたが、そんなのは気にしなくてもいい。艦娘に出血死は存在しない。
「早くくたばったらどうだ!」
海をさらに赤くし、大量の深海棲艦を出現させた。さっきの発言と一緒に考えると、向こうにも余裕がなくなって来たのだろう。また逃げられる、いや、逃げていない。こいつらを片づけたら早く距離を取った方がよさそうだ。だが、片付ける前に突撃してきた。まさか、味方ごと巻き込むつもりか。大質量の艤装に突進され、吹き飛ばされる。砲身がつぶれ、装甲がひしゃげる。受け身を取りすぐに起き上がり、さらに離れる。そこに砲弾が着弾。魔女はさらに迫り、斧を振り上げている。カウンターでペースを取り戻す。狙いは腕の関節。斧の振り下ろしに合わせて、下から上に超音速で斬り上げ斧を破壊。そのまま振り下ろす。外れた。続けて踏み込んで第二撃を放つ。これが魔女の右腕を捉え、装甲を破壊しながら切り落とした。魔女が距離をとりながら武器を振り上げる。その瞬間に懐に飛び込み、超音速の斬撃を繰り出す。第一撃は外れ、第二撃も外れ。第三撃で切っ先が届き、第四撃で装甲を破断させた。青黒い液体が飛び散る。刀を振るうたびに、衝撃波が発生する。第五撃以降は続かなかった。海面が暴れ、軽い駆逐艦では波に簡単に揺さぶられる。すぐに海面を蹴り、距離を取るが、すぐに追撃される。突き出された左腕を左足で蹴り、そのまま一回転。右足で後ろ蹴りをあごに直撃させた。そこで、気が付いた。魔女の主砲が自分を向いていることに。
「しまった・・・!」
思考が高速で回る。今は上段を蹴った直後。体の重心は上方にある。しかも、海はまだあれている。ならば、これしかない。爆雷を投下し、魚雷八本を発射。その爆発で全力で飛び上がり距離を取る。
直後、世界が爆発に包まれた。
白霜さん大丈夫?死にそうだけど。
白霜「うるせぇよ。」