白く染まる世界   作:菊水晴雅

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第八十三話

 

「・・・・・・は?」

 

気付くと、海面に倒れこんでいた。一体、なにが起こった。魔女が炎に包まれている。あたりに轟音が響き渡る。

「F-5⁉」※フリーダムファイターではありません。

一機が何かを投下する。それは、パラシュートを展開して落下してきている。あれは・・・、潜水艦用の長魚雷だ。ある程度まで高度を下げると、パラシュートが分離し、着水した。静かに迫ってくる。そして、魔女に直撃、巨大な水柱を作り出した。魔女は、沈んでいく。だが、様子がおかしい。

「まさか。」

すぐに移動する。また逃げるのか。

「俺だってこんな状況で勝てると思っているほどうぬぼれてはいない。今回も逃げさせてもらう。お前はいつか必ず沈める。」

海に斬撃を叩き込むが、手ごたえはない。海中の流れを探るが、何もなかった。

「はぁ、まぁ、いいか。・・・今回は俺の負けだな。」

上空を飛ぶF-5に、感謝の発光信号を送る。それに、主翼を振って返してきた。

「白霜!大丈夫か⁉」

「一応な。そうだ、提督。前に言ったことを一つ訂正しておく。負けることはないと言っただろうが、あれは嘘だ。今回は、俺の負けだ。」

「そ、そうか・・・。・・・いや、そんなことは今はいい。白霜、本当にありがとう。負けとかはどうでもいい。生きててくれて、沈まないでくれて本当に良かった。早く合流しよう。」

「分かった。艦隊に合流する。先に言っててもらって大丈夫だ。後で追いつく。」

そして、通信を切った。

 

以前のように、髪飾りを外す。意識を研ぎ澄まし、精神を一つに集中させる。どこまでも続く、青く美しい海をイメージし、心の奥底へと意識を映し出す。

「取り戻せ、海よ。かつての青を。生命をはぐくみ、我らを包み込む海よ。」

腕を伸ばし、精神を髪飾りに集中させる。

「海よ、青き輝きを、生命の抱擁を、取り戻せ。」

そう言って、それまで集めていたエネルギーを解放する。気温が急激に下がる。海は凍り、流れが整う。風が吹き、空間の汚染を吹き飛ばす。そして、統一された流れが、海の汚染を洗い流す。髪飾りから放たれた光が収まると、赤く染まっていた暗い海は消え、明るく、広く、美しい青が広がっていた。

 

激しい疲労感に襲われ、思わず力を抜いてしまい、倒れこむ。やはり、浄化をすると体への負担が大きい。しばらく動けそうにない。

「少し休むか。」

流石に倒れこんだままでは、もし奇襲があったときに対応できないから、何とか立ち上がる。朦朧とする意識を立て直す。手を膝について呼吸を整える。こみあげてきた吐き気をこらえきれずに、腹の中の液体を吐き出す。赤い。吐血だ。体にも限界が来ている。これほどまでに追い込まれたのは初めてだ。F-5がいなくとも逃げ切れただろうが、多分しばらく動けなくなっていただろう。以前戦った時以上に追い込まれた。

 

 

さて、そろそろ移動するか。

 




二度目の魔女戦終了!
作「あれ?白霜さん助けられてる?」
白霜「ちょっと一回黙れ。」
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