白く染まる世界   作:菊水晴雅

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第九十ニ話

 

「到着したぞ。降りよう。おーい、みんな起きろー。」

「んぅ・・・あ、着いた?」

「そうらしいな。とっとと起きろ。」

流石に長かった。ずっと座りっぱなしも意外ときつい。

「やっと到着か。流石に長かったぞ。」

「白霜でも長いと感じるのか。」

「海の上なら色々考えることがあるが、ずっと座っているとな。」

「まぁ、確かに。艦娘の移動は基本海上だから。」

列車から降りて、プラットフォームに整列する。面倒だな。

「お待ちしていましたって、おい!久しぶりじゃないか!」

「海翔!お前ここに着任してたのか!久しぶりだなぁ!」

・・・知り合いか?

「いやー、まさかこんなところで再会できるとはな。ま、ここにいるのもあれだし、さっさと移動しようか。ああ、こっちの艦娘たちに自己紹介をしていなかったな。俺は単冠湾泊地で提督をしている上谷海翔。階級は少佐だ。しばらくの間よろしくな。」

「俺の士官学校の同期だ。こいつも優しいし、艦娘のことが好きだからみんな、安心していいぞ。」

別にそいつがどう思っていたって、俺が変わることはない。提督、紛らわしいから横須賀の方は八代提督、単冠湾の方は上谷提督と呼ぶことにしよう。

「さて、ではこっちについてきてくれ。エレベーターに乗る。180mを上がるからちょっと時間かかるぞ。」

「分かった。みんな、こっちだ。」

エレベーターに全員が乗り込む。かなり広い。

「このエレベーターは鉄道コンテナ四つを、平面に同時に詰め込める。これも迅速に貨物を上にあげるためだ。そして、二か所にクランクを挟む。もし最上部で爆弾が貫通されても、下まで落下してこないようにするための対策だ。」

「やはり考えられているな。180mの坂を掘るのにはかなりの労力がかかる。ただし、1本の竪穴だけでは下まで壊滅してしまう。クランクを挟むことによって損傷と修理を一部に限定できるということか。」

「そういうことだ。さ、着いたぞ。外はめちゃくちゃ寒いし風も強い。あおられるなよ。」

「とのことだ。みんな防寒着を着なさい。」

地表に到達した。正面の装甲隔壁が開く。まだ外というわけではないらしい。二重扉か。外と中を徹底的に遮断しているらしい。少しだけ気温が下がる。

「次の隔壁を開ければ外だ。輸送機はもう待機してて、コンテナの積み込みも始めている。急いで乗り込もう。寒いからな。」

「この時点でもう寒いんだが。」

「ここでそんなこと言ってると死ぬぞ。冗談抜きで。」

「それもそうだな。」

隔壁が開く。

「あの輸送機だ!両側から乗り込め!」

強い風と共に、冷たい空気が入ってくる。これは相当寒い。視界もあまりよくない。ここで電探が機能しなかったら奇襲の対処が大変だな。滑走路を歩いている途中、そばにF-3と、見たことのない機体が駐機していた。・・・いや、あれもよく見るとF-3ではない。だが、あの機体は明らかにステルス機。日本にはF-3とF-35しかいないはずだ。一体何だろうか。

「今回はあいつらが輸送機の護衛を行う。我が国が誇る最新鋭戦闘機、F-6、第七世代戦闘機。世界の常識をすべて置き去りにした戦闘機さ。そして、それに付随する第三世代無人戦闘機、UFG-7だ。今回はF-6が4機、UFG-7が20機、護衛に就く。安心して乗ってくれて構わないよ。」

「・・・あんなのが開発されていたのか・・・。これも、全て対ロシアに?」

「そうだな。深海棲艦相手に、現代のステルスはほぼ意味をなさない。あいつらの探知能力では、F-5すら探知できないからな。それに、維持費が高くて搭載量が少ないステルス機は役に立たないさ。だから、北方には最新鋭ステルス機少数を、関東以南には通常戦闘機を大量に。」

「なるほどな。」

それから、全員が輸送機に乗り込み、離陸した。外を見ると、護衛戦闘機が横にいる。なかなか見れるものではない。

「そろそろ着陸だ。もうすぐだからな。」

次第に高度を落とし、滑走路に着陸した。完全に停止してから外に出る。

「ようこそ。単冠湾泊地へ。」

規模は横須賀とは比べるまでもないが、リンガ泊地と同じくらいか?二つ大き目の建物があり、あとは小規模な建物が並んでいる。あそこが泊地として機能しているところだろうか。少し離れたところには、格納庫らしき、かなり大きな建物がある。あそこに航空機やら戦車やらが格納してあるのだろう。数人の作業員と戦車が見える。

風は相変わらず強い。そして、雪も混じっている。地面にはうっすらと雪が積もっていた。ここではどれくらい振るのだろうか。高い山はないからそこまでひどくはならないと思うのだが・・・。

 

・・・なんだ?この違和感は。

 

直感的な違和感。何かが充満している。まるで、あの赤色汚染海域のような、流れの乱れがあたりを埋め尽くしている。

 

海の中だ。海の中の流れが停滞している。

 

あとで出撃して確認するか。海図はすべて頭に叩き込んだ。海底地形と照らし合わせながら流れを精密に観測する。そうすれば、この違和感が何かが、ある程度は分かるだろう。再び、激戦が繰り広げられる。未知の敵、未知の海域。この戦争、必ず勝つ。

 




寒そうだなぁ〜。現地に住んでいる方がいましたら、どれぐらい寒いか教えてください。
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