役立たずの三輪   作:メカ丸ゥゥゥウウウ!

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死滅回遊で②

 どこまでも続く、純白の虚無。

 呪術高専の最下層、薨星宮(こうせいぐう)。全てを知る不死の術師、天元が座す絶対的な結界の内部は、時間の流れすら曖昧になるような、無機質で圧倒的な静寂に包まれていた。

 

 その純白の空間の中央で、虎杖悠仁は重く息を吐き出した。

 先ほどまで行われていた天元との対話。それは、彼らがこれから立ち向かうべき死滅回游という地獄のゲームの全貌と、獄門疆に封印された五条悟を解放するための唯一の手段を明らかにするものであった。

 あらゆる術式を消滅させる能力を持つ、千年前の術師天使。彼、もしくは彼女を見つけ出し、獄門疆の裏門の封印を解かせること。それが、彼らに与えられた明確な希望の光であった。

 

 しかし、天元は情報を開示する対価として、一つの条件を提示していた。

 羂索――かつて加茂憲倫と呼ばれ、今は夏油傑の肉体を操る黒幕。彼が天元自身を取り込み、日本中の非術師を同化させるという最悪のシナリオを防ぐため、特級クラスの術師二人を護衛としてこの空間に残すこと。

 

「俺と、九十九が残ろう」

 

 その条件に対し、真っ先に名乗りを上げたのは、呪胎九相図の長兄である脹相であった。

 そして、特級呪術師である九十九もまた、天元と個人的な因縁を清算するため、共に護衛として残ることを承諾した。

 

 護衛の二人が決まり、残された者たちの役割も迅速に決定されていく。

 乙骨は、死滅回游のルールの抜け穴を探り、情報を集めるために一足早く激戦区である仙台コロニーへと単独で向かう。

 真希は、来るべき死滅回游での過酷な戦いに備え、禪院家の忌庫から強力な呪具を回収するため、一人で実家へと足を運ぶことを決めた。

 

 そして。

 虎杖悠仁、伏黒恵、そして奇跡的な生還を果たした釘崎の三人は、現在停学中でありながら規格外の実力を持つ三年生、秤金次の助力を求めるため、彼が胴元をして潜伏しているという栃木の立体駐車場へと向かうこととなった。

 

「それじゃあ、私たちは行くわよ。……虎杖、あんたも早く来なさい」

 

 釘崎が、扉の方へと歩き出しながら、肩越しに虎杖に声をかける。その顔の左半分には、渋谷での惨劇の痕跡など微塵も残っていない。

 

「ああ……すぐ行く」

 

 虎杖は短く答え、伏黒と釘崎が先に歩き出すのを見送った。

 空間の奥では、九十九と天元が、過去の因縁について何やら難解な言葉で会話を交わしている。

 虎杖は、その場に一人静かに佇む脹相の背中を見つめ、ギュッと拳を握り締めた。

 ずっと、言わなければならないと思っていた。渋谷で彼が兄だと名乗り、命懸けで自分を守ってくれた時から、胸の奥底に重く、真っ黒な鉛のように沈み込んでいた罪悪感。

 

 虎杖は、意を決して脹相の背中に声をかけた。

 

「……脹相」

 

 その呼びかけに、脹相は静かに振り返った。彼の顔には、弟に対する深い慈愛の色が浮かんでいる。

 しかし、虎杖の口から紡がれた言葉は、その温かな空気を切り裂くような、残酷な真実であった。

 

「俺と、釘崎が……殺したんだ」

 

 純白の空間に、虎杖の震える声が響く。

 

「壊相と血塗。……お前の弟たちを殺したのは、俺たちだ」

 

 八十八橋での死闘。受肉した特級呪物であった彼らと命の奪い合いになり、虎杖の黒閃と釘崎の共鳴りが、彼らの命を完全に絶った。

 あの時、壊相が血塗の死に流した涙。それは、間違いなく人間と同じ、兄弟を想う痛切な悲しみだった。

 自分がその命を奪っておきながら、今になって彼らの長兄である脹相の庇護を受け、あまつさえ兄として受け入れることなど、許されるはずがない。

 

「……脹相は、いいのかよ。俺なんかを、助けて」

 

 虎杖は、顔を俯かせ、床を見つめたまま絞り出すように言った。

 

 だが。

 脹相の表情には、虎杖を憎むような怒りも、復讐の念も、一切浮かんでいなかった。

 彼はただ、ひどく静かで、悲しげな瞳で虎杖を見つめ返し、ゆっくりと首を横に振った。

 

「……俺が、弟たちを信じてやれなかったのが悪いんだ」

 

 脹相の口から出たのは、虎杖への責め苦ではなく、自らへの深く重い懺悔であった。

 

「特級呪物として、百五十年もの間、封印の闇の中で互いの魂の繋がりだけを頼りに生きてきた。受肉し、肉体を得た時……俺は、その異形の姿を持つ弟たちが、人間の社会に馴染めるはずがないと、勝手に決めつけてしまったんだ」

 

 脹相の脳裏に、壊相の背中の異形と、血塗の呪霊のような姿が浮かぶ。

 

「だから俺は、人間と敵対する呪いの側に流れるという、一番楽な道を選んだ。弟たちを守るためだと言い聞かせて……結果として、彼らを死地に追いやり、お前たちと殺し合わせる状況を作ってしまった」

 

 脹相は、自らの胸を強く握り締めた。

 

「俺が……俺の弱さが、二人を殺したようなものだ。お前が気負う必要はない」

「違う! 俺は確かに、あいつらの命を……ッ!」

 

 虎杖が反論しようと顔を上げた。自分自身の犯した殺人を、他人の責任に押し付けて逃げることなど、彼の魂が許さなかったからだ。

 しかし、虎杖の言葉は、彼に向けられた真っ直ぐで力強い掌によって制止された。

 

「行くんだ、悠仁」

 

 脹相の声は、どこまでも優しく、そして決して揺らぐことのない長兄としての威厳に満ちていた。

 

「お前の仲間が、待っている。……お前は、前を向いて歩き続けろ」

 

 その言葉の重みに、虎杖は息を呑んだ。

 脹相は、弟たちの死の悲しみを全て自分一人で背負い込み、その上で、残された弟の未来を切り拓くための盾となる覚悟を決めているのだ。

 ここで自分がこれ以上謝罪し、立ち止まることは、彼のその痛切な覚悟と愛情に対する冒涜にしかならない。

 

 虎杖は、奥歯を強く噛み締め、こみ上げてくる熱いものを必死に堪えながら。

 ゆっくりと、しかし力強く頷いた。

 

「……ああ」

 

短く、確かな返事。

 虎杖は深く一礼すると、踵を返し、伏黒や釘崎が待つ扉の方へと駆け出していった。

 その背中が純白の空間の彼方へと消えていくまで、脹相はずっと、愛おしそうに目を細めて見送っていた。

 

 やがて、虎杖の気配が完全に消え去った後。

 脹相は、一人静かに顔を上げ、何もない純白の天井を見つめた。

 弟を見送るという長兄としての役目を一つ終えた彼の脳裏に、ふと、渋谷でのある光景が、不気味なノイズのようにフラッシュバックした。

 

――そんなに警戒しないでくださいな。私は、あなたのお姉ちゃんなんですから

 

 血まみれの激戦の最中。

 自らの放った絶対の殺意である穿血を、まるで極上のワインでも味わうかのように喉を鳴らして飲み干し、口の周りの血を艶かしく舐め取った、あの水色の髪の少女。

 

 三輪霞という人間の肉体を乗っ取った、得体の知れない化け物。

 彼女は、確かに自分と悠仁に向かってお姉ちゃんだと名乗った。

 そして、自分たちの親である加茂憲倫のことを、お母さんと呼んで慕っていた。

 

(……なるほどな)

 

 脹相の優れた知性が、呪術の歴史と血脈の真実を論理的に結びつけていく。

 加茂憲倫――羂索は、他者の肉体を転々と渡り歩き、千年以上もの間、歴史の暗躍者として生き続けてきた存在だ。

 ならば、彼が加茂憲倫の肉体を乗っ取り、自分たち呪胎九相図を生み出す以前の時代。別の誰かの肉体に宿っていた時代に、同じように呪術的な手段で子供を作っていたとしても、何ら不思議ではない。

 あの少女は、羂索の血と術式を色濃く受け継いだ、自分たちの姉にあたる存在なのだ。

 

(そして……俺の姉は、加茂憲倫に協力し、この日本を未曾有のテロに巻き込むという決断を下した)

 

 脹相の眼光が、底知れぬ殺意と怒りを帯びて鋭く光る。

 あの時、彼女は虎杖の傷を反転術式で癒し、一見すると味方のような素振りを見せた。

 しかし、脹相の魂は理解していた。あれは、家族への愛情などという生易しいものではない。ただ自身の退屈を凌ぎ、強者との殺し合いを楽しむために、弟の命すらも盤上の駒として生かしているに過ぎない。

 あの底知れぬ空虚さと、他者の命を玩具としか思っていない狂気。彼女は、間違いなく羂索と同質の呪いだ。

 

 上の兄弟が、道を間違えたのなら。

 下の兄弟は、その道を反面教師として避け、正しき道を歩めばいい。

 

 俺が間違えた道を避けて、悠仁は正しく歩もうとしている。

 ならば、さらに上の姉が間違えた道を行くというのなら。俺が、弟の道を阻むその全てを、この命に代えても粉砕する。

 

「……加茂、憲倫。そして……」

 

 脹相は、己の体内に流れる呪われた血液を熱く滾らせた。

 いずれ、天元を狙ってこの結界の奥底にやって来るであろう、最大の怨敵。

 

 ここで確実に仕留める。そのために、自分はここに残ったのだ。

 純白の虚無に包まれた薨星宮で、脹相は長兄としての揺るぎない決死の覚悟を、その魂に深く、重く刻み込んだのであった。

 

 

ーーー

 

 

 栃木県某所、立体駐車場の屋上にて。

 

 激しい肉弾戦、そして命とイデオロギーを懸けた紆余曲折の熱い説得の末。虎杖、伏黒、釘崎の三人は、ついに現在停学中である三年生秤金次と、同じく三年である星綺羅羅を味方に引き入れることに成功していた。

 

 ボロボロになった服の埃を払い、虎杖が安堵の息を吐き出そうとした、まさにその時であった。

 

 ポンッ。

 何の前触れもなく、部屋の空中に奇妙な電子音が鳴り響き、死滅回游のプレイヤーに憑く式神コガネが姿を現した。

 

「ルールが追加されました! ルール9:泳者(プレイヤー)は、他泳者の名前、得点、ルール追加回数、滞在コロニーを参照することができる!」

 

 無機質で、ひどく事務的なアナウンス。

 しかし、その一言が持つ意味の重さに、伏黒の鋭い眼光がスッと細められた。

 

「……新しいルール。誰かがポイントを使って、情報の開示をシステムに組み込んだのか」

 

 死滅回游において、ルールを一つ追加するためには100得点という莫大な命の対価が必要となる。つまり、すでにその条件を満たし、ゲームの盤面を能動的に動かしたプレイヤーが存在するということだ。

 

「コガネ。今、このルールを追加したプレイヤーの名前を表示しろ」

 

 伏黒が命じる。渋るコガネを虎杖が言いくるめる。

 

 空中に浮かび上がったホログラムには、鹿紫雲一(かしもはじめ)という見知らぬ名前と、彼が滞在している結界が東京第二コロニーであること、そして所持得点が100点あることが示されていた。

 

「鹿紫雲一……。そいつがルールを追加したってことは、そいつは最低でも200ポイントを持ってたってことだな。てことは、今すぐそいつをぶっ飛ばせば、俺たちもルールを追加できるかもしれねぇ!」

 

 虎杖が、拳を握り締めて身を乗り出す。

 彼らの最大の目的は、伏黒の義理の姉である津美紀が殺し合いに参加させられる前に、死滅回游にポイント譲渡や離脱のルールを追加し、彼女を安全にゲームから救い出すことである。

 

「ああ。だが、100ポイント以上持っているプレイヤーが、そいつ一人とは限らない」

 

 伏黒は顎に手を当て、即座に次の手を打った。

 

「コガネ。現在、所持得点が100点以上のプレイヤーを、全てリストアップしろ」

 

 コガネの身体が明滅し、月明かりの下で、三つの名前と情報がリスト化されてホログラム投影された。

 

一人目。鹿紫雲一。所持得点:100点。ルール追加回数:一回。滞在:東京第二コロニー。

 

 二人目。日車寛見。所持得点:102点。ルール追加回数:ゼロ回。滞在:東京第一コロニー。

 

 そして。

 三人目。鬼切マン。所持得点:100点。ルール追加回数:ゼロ回。滞在:桜島コロニー。

 

「……は?」

 

 リストの三番目の名前を見た瞬間。

 虎杖、伏黒、釘崎、そして合流していたパンダと綺羅羅の五人は、全く同時に、信じられないものを見るような気の抜けた声を漏らした。

 

「……なぁ、伏黒。俺の目がどうかしてなけりゃ、なんか一人、絶対本名じゃない奴が混ざってんだけど」

 

 虎杖が、目をゴシゴシと擦りながらホログラムを指差す。

 

「鬼切マン……? なによそれ、ふざけてんの? 絶対に親がつけた名前じゃないでしょ」

 

 釘崎が、心底呆れたようにため息をついた。

 最高で二十人の術師を討ち取った強者の名前が、鬼切マンという、どう見てもギャグにしか見えないふざけた文字列であったのだ。

 

 伏黒もパンダも、この場違いすぎる名前に困惑し、眉間に深い皺を寄せて沈黙していた。

 しかし。

 その緊迫感と困惑が入り交じる中で、ただ一人。

 

「……マジかよ。まさか鬼切マンが、実在するプレイヤーとしてこの殺し合いに参加してるとはな」

 

 柵の土台に深く腰掛けていた秤金次だけが。

 なぜか、信じられないほどの熱量を帯びた声で、ホログラムの文字を食い入るように見つめ、一人だけ異様にテンションを爆上げさせていたのだ。

 

「金ちゃん? 何、知ってんの、そのふざけた名前の奴?」

 

 綺羅羅が、不思議そうに秤の顔を覗き込む。

 秤は、ニヤリと肉食獣のような笑みを浮かべ、バッと立ち上がった。

 

「知ってるも何もねぇよ。日曜の朝にやってる超王道の子供向けアニメの主人公の名前だろ」

「は? アニメ?」

 

 釘崎が素っ頓狂な声を上げる。

 

「ああ。おにぎりの頭を持ち、中身の具を入れ替えることで、様々なフォームチェンジをして悪の組織と戦う、熱いヒーローアニメだ」

 

 秤は、大真面目な顔で、一切の淀みなくそのアニメの設定を語り始めた。

 

「……ちょっと待って」

 

 釘崎が、耐えきれずに秤の言葉を遮った。

 

「なんで、バリバリの武闘派で地下格闘技の胴元なんかやってるガラの悪い先輩が、そんな日曜朝の子供向けアニメの詳しい設定なんて知ってんのよ。まさか、毎週欠かさず録画して見てるとか言わないわよね?」

 

 釘崎の、ひどく冷ややかな、ドン引きしたような鋭いツッコミ。

 しかし、秤はその視線を全く意に介さず、己の胸をドンッと叩いて、誇り高く宣言した。

 

「決まってんだろ。全国のパチンコホールで、絶賛稼働中の名機だからだよ! CR鬼切マン!! あれは、今の規制だらけのスロット、パチンコ業界において、最高の脳汁を約束してくれる神台なんだよ!」

「……パチンコ」

 

 虎杖、伏黒、釘崎、パンダ、綺羅羅。

 全員の顔から、完全に表情が抜け落ちた。

 

「子供向けアニメなのに、パチンコ台になってんの……? 大人の事情って、怖いね」

 

 パンダが、ボソリと真理を突いた呟きを漏らす。倫理観がどうなっているのか、現代の遊技機業界の闇の深さに、一同は戦慄を覚えた。

 

 しかし、一度パチンコ関連の話題で(フィーバー)に入ってしまった秤の暴走は、もはや誰にも止められなかった。

 彼は、誰も聞いていないにも関わらず、身振り手振りを交えて熱弁を振るい始めた。

 

「聞いてくれよ! あの台の演出バランスはマジで絶妙なんだ! 普段のリーチ演出は、基本形態である梅フォームや、ちょっと期待度が高いしゃけフォームに発展するんだが、これらは正直言って信頼度が低くて、まあ当たらねぇ!」

 

 秤の瞳孔が開き、完全にギャンブラーとしての狂気が顔を出す。

 

「だがな! リーチの途中で、役物の米粒がパッカーンと割れて、中から金色のオーラが出た時……それがいなりフォームへの発展合図だ! これが来たら、もう激熱なんてもんじゃねぇ! 信頼度80%超え!当たれば確変、ラッシュ直行ルート確定の、脳汁ドバドバの大大大チャンスなんだよ!!」

 

 ハァ、ハァ、と肩で息をする秤。彼の頭の中では、すでにパチンコホールの大音量のファンファーレと、確定ランプの眩い光が点滅しているのだろう。

 

「……もし、あの鬼切マンってプレイヤーの術式が、アニメの設定と同じように具材を入れ替える能力だとしたら……。あいつがいなりフォームになった時が、俺の坐殺博徒(ざさつばくと)の大当たりと完全にリンクする! 最高の熱を味わえる相手かもしれねぇ!!」

 

 秤が、見知らぬ相手に、勝手に奇跡のパチンココラボバトルを妄想して目を輝かせている。

 

「…………」

 

 部屋の温度が、氷点下にまで冷え切っていた。

 これ以上、この熱に浮かされたギャンブラーの脱線話に付き合っていては、夜が明けてしまう。伏黒は、深く、ひどく疲れたようなため息を吐き出すと、氷のように冷たい声で、強制的に話をぶった斬った。

 

「……先輩。その辺にしてください」

 

 伏黒のドスの効いた低い声に、秤がハッとして我に返る。

 

「コホン。……まあ、そういうことだ。で、どうするんだ、伏黒くん」

 

 何事もなかったかのように咳払いをする秤をジト目で睨みつけながら、伏黒はコガネの表示したホログラムを指差した。

 

「パチンコの演出がどうであれ、この鬼切マンがいる桜島コロニーは九州です。今の日本の交通網が麻痺している状況で、そこまで移動するのはあまりにも遠すぎますし、時間がかかりすぎる」

 

 伏黒は、極めて論理的かつ合理的な判断を下した。

 

「俺たちが狙うべき標的は、移動圏内である東京にいる二人。東京第一コロニーにいる日車寛見と、東京第二コロニーにいる鹿紫雲一です。この二人を、俺たちで分担して狩り、ルールを追加させる。……いいですね?」

 

 伏黒の言葉に、虎杖と釘崎が力強く頷く。

 くだらない脱線から一転、彼らの顔には再び、呪術師としての死線を潜る覚悟が宿っていた。

 かくして。

 死滅回游という巨大な理不尽の渦中へと、彼らは自らの命をチップとして、最悪の賭け場へと足を踏み入れていくのであった。




後半の話がわからなかった方へ。

ファンパレという呪術廻戦のソシャゲにある「偽りの英雄」の公式PVがようつべにあります。これを見ると……なにかがわかるでしょう。

偽りの英雄以外のファンパレの内容は盛り込みません。
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