デート・ア・ライブ 幻想の精霊   作:パオン・セブ・ガロウズ

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日常

 朝の陽射しがカーテン越しに差し込む部屋で、わたしは目覚まし時計よりも先に起きてしまった。いつもならギリギリまで寝ているのに、今日はなんだか体が軽い。そういえば昨日の夜は星空を見上げていたからだろうか。

 

「んー……今日もいい天気になりそうだな」

 

 窓を開けると、冷たい空気が頬を撫でる。まだ肌寒いけれど、太陽の光は確実に暖かくなっていた。冬が終わり、春に向かっている。そんな季節の変わり目を感じるのが好きだ。

 

「お姉ちゃん!早く準備しないと遅刻するよ!」

 

階下から弟の声が聞こえる。「わかってるって!」と返しながら慌てて制服に袖を通す。

 

洗面所で髪を梳かしながら鏡を見る。肩まで伸びた黒髪に少し癖があるのが悩みどころだけど、自分で言うのもなんだけど、そこまで悪くないと思う。

 

「行ってきます!」

 

玄関で弟に声をかけて家を出ると、ちょうど向かいの家の前で五河くんと会った。相変わらず爽やかな笑顔。

 

「おはよう、悠城」

 

「おはようございます!」思わず大きな声が出てしまう。五河くんの隣には十香さんが立っていて、「おはようなのだ!」と元気よく挨拶してくれる。

 

どうやら十香ちゃんは五河くんの親戚みたいで今は一緒に住んでるらしい…

同い年の男女がひとつ屋根の下っていうのは、なんだか凄く…その…〔不健全ってか?〕……まぁ、そんな感じ…

 

〔へぇーあのガキ共もお盛んなこってよぉ、マトモに男と付き合ったことない主人格サマからすれば羨ましいよなぁ〕

 

(そ、そんなことないもん!それに、五河くんは彼女いないって言って…噂で…)

 

急に話しかけてきたと思ったらなんかディスられた…別に十香ちゃんが羨ましいとかじゃなくて…普通に一緒住んでるのが疑問だっただけだもん…

 

「あー…その、悠城?大丈夫か?」

 

「…へ?」

 

「そうだぞ?急に黙り込んでしまうから心配したぞ?」

 

あぁ、マズイ!変な子だって思われちゃう…!何とか誤魔化さないと…

 

「あ…ううん問題ないよ!…あの、今日のお昼ご飯なんだけど……よかったら一緒しません?」

 

勇気を出して誘ってみると、二人はすぐに頷いてくれた。

 

「もちろん。悠城の弁当も見てみたいしな、あー……十香は、どうだ?悠城と昼一緒でいいか?」

 

「むぅ…鳶一折紙よりはマシか…うむ!歓迎するぞイロハ!」

 

や、やっぱり十香ちゃんも一緒なんだ…でも!しょうがないよね!一緒に住んでるんだし

 

学校までの道すがら、三人でおしゃべりするのは楽しくて、まるで家族みたいに感じる。五河くんといるとなんだか安心できるし、十香ちゃんといると元気がもらえる。

 

教室に入ると、いつものようにクラスメイトたちがワイワイと話し始める。わたしは自分の席に着きながら周囲を見渡す。みんな楽しそうで和気藹々としていてホッとする。

 

そう、ここは確かに平和で平凡な日常だ。でも……時々思うことがある。この街ではなぜか災害が多い。ニュースで見たりするとちょっと不安になるけど……誰もそれを特別気に留めることはない。不思議なものだ。

 

授業が始まると数学の先生が難しい方程式を黒板に書き始めた。うーん……正直苦手かも……

 

休み時間になると、3人組の女子が近づいてきて、

 

「ねぇ悠城さん!今日の放課後カラオケ行くんだけど来ない?」

 

「いつも行くとこ、値段安くて部屋が広いんだー」

 

「君の歌声を聞かせておくれよ…」

 

どうしよう…行きたいけど、五河くんと一緒に帰りたいな…っと決めあぐねいていると

 

「悠城、一緒に帰らないか?家も近いし、もっと話したいなって…」

 

五河くんが口を挟む

 

「えー?夜刀神さんだけじゃなく悠城さんとも一緒に~?」

 

「色気付いたと思ったら二股か〜?」

 

「傲慢で強欲じゃないか〜?」

 

「そういうんじゃないっつの!!ほら解散解散!」

 

3人はやれやれと言わんばかりのため息混じりで苦笑していた

 

「可愛い子二人捕まえちゃって〜泣かしたら承知しないからね〜」

 

「泣かしたら八つ裂きだかんね〜?」

 

「明日を拝めねぇようにしてやるぜ」

 

「アイツら…好き勝手言いやがって…悠城もあんまり気にしなくていいからな?」

 

「ふふっ……面白い人たちだね?」

 

彼女たちが離れていく姿を見てつい吹き出してしまう。確かに面白い人達だった。

 

「全く……ほんとに疲れる……それで、午後の授業はどうだった?難しかったか?」

 

「ちょっと難しかったかな……特に微分積分のところが……」

 

「あぁ、あれ難しいよな……良かったら放課後に教えてあげよっか?」

 

「本当!?嬉しい!ありがとうございます!」

 

「十香にはちょっと待って貰うことになるけど…」

 

「うむ、勉強は大事だからな!良い子にして待ってるぞ!」

 

「ごめんね、ありがと十香ちゃん」

 

無事に一日の授業が終わると約束通り教室で勉強会が始まった。

教科書片手に五河くんの解説を聞きながらノートに書き写していく。

 

「この公式を使って……こっちで置換して……」

 

「なるほど……こんな風に…」

 

「悠城は飲み込み早いな」

 

「そんなことないよ!五河くんの教え方が上手だから」

 

「はははっありがとな?そう言われると自信持てるよ。」

 

なんか青春してる気がするよ私…!

夕日が差し込む教室に2人っきりってなんか…〔ロマンチックだねぇ〜あ〜あ砂糖吐きそうだぜ…〕

 

……台無しだよ

 

〔ここで俺サマからのアドバイスだぜ、気を引きたいなら名前呼びしてみろよ〕

 

え?何?急に…まぁでも、確かに苗字呼びは距離を感じるよね…

 

「ねぇ、五河くん…」

 

「どうした、悠城?分からないとこでもあったか?」

 

「その…五河くんのこと…名前で呼んでも、いいかな?」

 

「へ?そんなことか、全然いいぜ」

 

「…//じゃあ…し、士道…くん?」

 

教室に夕日のオレンジ色が差し込む中、緊張しながら呼んでみた。胸がドキドキする。まるで魔法の言葉みたいに、その名前を口にするだけで体が熱くなる。

 

「な、なんかそんな感じで呼ばれると照れくさいな…//」

 

士道くんも頬を赤らめて目を逸らす。その反応にさらに恥ずかしくなって、私も俯いてしまった。

 

「わ、私のことも彩羽って…呼んでくれる?」

 

「おう…い、彩羽?」

 

士道くんが真っ直ぐに私を見つめて呼んでくれた。

 

「…!!」

 

思わずパァッと顔が輝いてしまったのが自分でもわかる。

 

「はは…お気に召したようで…///」

 

〔…いい進歩じゃねぇかよ主人格サマ〕

 

この先にもっと楽しい日々が待っているといいな……そんな希望を持ちながら、穏やかな気持ちでペンを走らせた。

 

放課後の静かな教室にはわたしたちの控えめな笑い声とシャープペンシルの音だけが響いていた。

窓の外では夕焼けが街を染め始めている。時間が経つのも忘れて夢中で問題を解き続けたけれど……ふと時計を見れば既に針は17時を指しており驚愕の表情をしてしまう

 

「うげぇ……もう17時か……ヤバ……帰りにスーパー行きたかったけど間に合うか……」

 

「あわわ……すみません、時間かけちゃって……」

 

荷物をバッグに詰め込んで立ち上がる士道くん

 

「悠城のせいじゃないよ。教えてたら時間が経つの忘れちゃった。……それにさ」

 

「それに?」

 

「こういう時間も嫌いじゃないし、寧ろ楽しいぐらいだよ。またわからないことあったら遠慮なく聞いてくれ」

 

「うん!ありがとう、士道くん!」

 

「おう!じゃあ行くか、彩羽!」

 

颯爽と飛び出ていった士道くん……いつのまにか日も落ちて来ていて暗くなってきたので小走りについて行った

 

廊下に出ると十香ちゃんがソワソワと待っていて、

 

「おお!終わったか!」

 

「悪いな、長引いちゃって」

 

「十香ちゃん待たせちゃってごめんね……?」

 

「構わん!」

 

そして靴箱で靴を履き替えたあと三人並んで帰路についた。

 

「あ!スーパー寄るなら私も買い物行きたい!」

 

「いいぞ、せっかくだしおすすめとか教えるぞ」

 

「え!?そんな、私ばっかり……申し訳ないよ」

 

「気にすんなって……ほら行こうぜ?」

 

「うむ!早くすーぱーへ行こうではないか!」

 

スーパーまでの道中も会話は尽きない。ふと立ち止まると士道くんが振り返って言った。

 

「そいえば引越し祝いしてないな、今度学校で十香と一緒にやるって話出てたけど…個人的にもやりたいし、もし良ければ今度うちで料理振る舞わせてくれよ」

 

「ええ!?それは流石に悪いよ!それに……料理得意なの?」

 

「うーん……まぁそこそこだと思ってる。大したもの作れないけどそれでもよければ」

 

「……うん!食べてみたい!」

 

「決まりだな。楽しみにしてろよ」

 

ニコッと笑う士道くん

 

「私も!私も食べるぞ!」

 

「当たり前だろ?一応2人の歓迎会って感じになるかな……」

 

「うむ!今から楽しみだ、シドーの作る料理はみんな美味しいからな!」

 

「わぁ…!士道くんのご飯食べてみたい!」

 

「はは…プレッシャーやめてくれ……まぁ、気合い入れて作るけどさ……」

 

「祭事となればいつもよりすごいはずだ!」

 

「ファイトです!士道くん!」

 

「あー……はいはい……努力しますよっと」

 

そんな賑やかな帰り道はあっという間に過ぎていった。

スーパーでは士道くんオススメの食材を選んで買っていった。




まぁ次回くらいから四糸乃編行きますか…
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