これがカードゲーム世界というやつか(多分違う)   作:初心者

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普通だとこれが1話目(それはそう)

 

「ずいぶんと、遠くまで来たもんだ」

 

「はい?」

 

「いいや。今、ゲームをしてて、ふと昔のことを思い出したんだ」

 

「はぁ」

 

 曖昧な相槌を打つロウク。

 

「いや、そこは『そうですね……』って言うところでしょ」

 

「知りませんよ。そもそも、その前世とやらのネタを振られても、対応できません」

 

「でも、前世のネタだってのはわかったんだろ?」

 

「ネタに乗るためには相手がネタ元を知らないと話にならないんですよ」

 

「たしかに」

 

 それもそうである。

 

「まぁ、それはともかく。俺たちのゲームも、最初から見たら、ずいぶんと変わったってのは事実だろ?」

 

「最初はゲームですらなかったですからね」

 

「そこからカウントするんだ」

 

「それはそうでしょう」

 

「ほ〜ん」

 

 ゆっくりと、過去の記憶が鮮明に思い出されていく。

 

「そう、だな。最初は、ゲームですらなかったんだよな」

 

 

 X X X X

 

 

 俺は転生者だ。

 

 前世の記憶とやらを持っている。

 

 前世と今世の世界は、基本的にあまり変わらなかった。ただ、『カードゲームが世界の中心ともよべるレベルである』という点を除いて。

 

 最初は、夢でも見ているのかとも思った。けれど、いつまで経っても目が覚める気配がないので、第二の人生だと思って生きることにした。

 

 そうして5歳の頃、一枚のカードに出会う。

 

 カード名は【人形機械・青型 ロウク】

 

 ある日、目の前でホログラムが形成され、その中から生み出されたのである。

 

 最初は、呆然とした。

 

 ファンタジーな世界からSFな世界に転移でもしたのかと思った。

 

 ただ、出てきたのがカードだったので、やっぱここはカードゲームな世界なんだなとも思った。

 

 ロウクとはすぐ仲良くなった。

 

 カードとの相性が良かったのだとロウクは言っていた。その頃はピンと来なかったが、人によって使いやすいカードと全く使えないカードというものがあるのだ。

 

 ロウクとは、主にパソコンを使って遊ぶようになっていた。

 

 ちなみに、家にあったこのパソコンは、父親が買ったのは良いが、親は仕事で日中は誰も使っていなかった。まだ学校にも通っていない頃だったので、好き勝手使わせてもらった。

 

 この時、ロウクはすごかった。

 

 ロボットだからか、プログラミング言語とやらをすぐに理解し、さまざまなことをしていた。

 

 俺はロウクに作ってもらったゲームで遊んでいたので、具体的に何をしていたのかは知らないのだが。

 

 そんな時に、閃いたのが前世にあったネットでしていたカードゲームである。

 

 これを、この世界でできないか。できたら、先駆者になれるのでは? しかも、ゲームだから働かないでも儲けられるのでは!? とも思った。

 

 これはナイスアイデア、とロウクに実現できるか聞いてみた。

 

 ロウクは、面白いですね、と言った。ただ、すぐにはできない、とも。

 

 この頃のネットで、膨大なカード情報と、それらを駆使してゲームをすることは、容量的にほぼ不可能だったのだ。

 

「無理かぁ」

 

「現在の市販では、ほとんど遊べないですね」

 

 それでも諦めきれなかったので、今できることをするにシフト。

 

「じゃあ、カードの説明サイトは?」

 

「それなら、簡単ですね」

 

 カードデータの収集は、今後本当にゲームを作るならば必要な項目である。今から始めても、早いことはない。

 

「まぁ、絵の方は容量的に難しいですが」

 

 そんなこんなで、カードのテキストを載せているサイトができた。

 

 ただ、ネットやテレビなどで入手できるカードのデータには限界があったため、類似のサイトと比べて下の方であった。

 

 一つだけ、他と比べて違ったのは、ロウクが機械族のカードを多く知っていたため、機械族カードの情報だけは豊富にあったことだろう。

 

 そんな中

 

「そろそろゲーム作れない?」

 

 と、ロウクに質問しては

 

「もう少しかかりますね」

 

 と否定される日々が、小学六年生ほどまで続いた。

 

 この頃になると、様々なゲームが生まれてきている。

 

 ロウクも、それは理解していたので、

 

「けれど、そろそろ叩き台ぐらいは考えないといけませんね」

 

 と付け加えた。

 

「それじゃあ、カードと一覧と試合の二つは必須だよね」

 

「ふむ。まぁ、わからなくもないですね」

 

「次に、初心者用の詳しいルール解説をするミッションだよね。あとは、AIと戦えるやつ」

 

「……容量的に無理では?」

 

「カードは、大会で使われてるのは最低限入れておきたいよね」

 

「……とりあえず、無理だということがわかりました」

 

 じっと見つめてくるロウク。諦めきれず、

 

「えぇ、じゃあ……少しずつ増やしてく前提で作れば良くない?」

 

 と言えば

 

「それなら……」

 

 ということで、ようやくゲーム制作がスタートした。中学1年の話である。

 

「じゃあ、まずは試合ができるようにすること、か?」

 

「そうですね。それがいちばんのメインですから」

 

「カードはどれくらいだったら入れられる?」

 

「さて、200ほどなら、楽にできますね」

 

「カードのデータを極力圧縮したら?」

 

「それなら、それなりの枚数はいけると思いますが」

 

「汎用カードは必須。そこに、去年の世界ランク1位から3位で採用されたカードをプラス、ぐらいならいける?」

 

「それなら楽ですね」

 

「それじゃあ、これで決定で」

 

 叩き台は決定した。あとは、ロウクが実際に作成し、それを試して、公開するだけである。

 

 本来であれば、人力でやるとなるととても時間を食う工程だ。だが、そこは機械族。この手のことは朝飯前とばかりに、翌日には仮が提出された。

 

「……はやいな」

 

「そうでしょうか? けれど、とりあえず提案されたことを全て取り入れたデータはもう作ってるので、あとはそれを分割して、現実でも容量的に使いやすいように調整するだけなので、そこまで難しくはないですね」

 

 難しくない(機械族基準)というやつか。人間には真似できないと言うことは理解した。

 

「で、どうすればいいの?」

 

「アプリはもう入れてあるので、それを開けばいいです」

 

 パソコンには、知らないアプリが入っていた。

 

「ねぇ、このパソコン、一応父さんのなんだけど」

 

「ほとんど使っていないとバレないと思いますが」

 

「……母さんも使ってるんだけど」

 

「同上」

 

 もっと言い方ってもんがあるだろう。小説じゃないとわからない言動やめてね。

 

「それより、はやくアプリを開いては?」

 

「はいはい」

 

 半分以上ロウクのせいと言いたいのだが、心に留めておく。

 

「お〜」

 

 白い画面。なんの変哲もない、真っ白。

 

「なあ、いつ始まるんだ?」

 

「そろそろですよ」

 

 すると、画面に項目が並んだ。

 

 上から、プロフィール、カード一覧、ルール、対戦。

 

 白の背景に黒の文字であった。

 

「……随分質素だな」

 

「デザインを細かくすると、重くなりますので」

 

 そういうものか、とプロフィールをクリックしてみる。

 

 項目は、名前とIDだけであった。

 

「……なぁ、これはゲームをしていったら何か追加されるのか?」

 

「いえ、今のところ、それだけのつもりですが?」

 

「……そうか」

 

 今は何も言うまい、と戻るをクリックし、今度はカード一覧を見る。

 

「これは前とそのまま、だな」

 

「大きな変更は必要ないと思いまして」

 

「そう、か」

 

 次は、対戦をクリック。

 

 中心に対戦とあり、下にデッキ(未選択)の文字。

 

「……」

 

「レンタルデッキがあるので、対戦できます。今回は、相手がいないので私が代わりにやります」

 

「はぁ」

 

 言われた通り、レンタルデッキを選択して、対戦を押す。

 

 全てが白黒。

 

「それでは、私のターンから。ちなみに、完全ランダムです」

 

「はぁ」

 

 そして、対戦してみた感想としては

 

「……わかりやすくはあるな」

 

「そうでしょう?」

 

「なぁ、ロウク」

 

「はい?」

 

「これって、データ量的にカツカツなん?」

 

「そうですねぇ。これ以上を求められると、現状の機材環境では無理、ですね」

 

「はぁ、こんなもんか……」

 

 この世界の科学技術は、前世の年代でいうと1990年代ぐらいだろうか。

 

 たしかに、これ以上を求めるとなると、家のパソコン程度では難しいのかもしれない。

 

「では、これでいったん公開しても?」

 

「……まだ他にも色々と考えたいから保留で」

 

 

 X X X X

 

 

 

「最初はまぁ、なんて言うか、酷かったよな」

 

「一般の機材で何を求めていたのですか?」

 

「現状ぐらい?」

 

「……もし本当に言っていたら、億円単位必要ですとツッコンでいましたよ」

 

「……まぁ、個人のサーバーじゃあ、限界があるしね」

 

 本当に、よくここまで来たものだと思った主人公であった。

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